カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ガパオライス、遠し。

2015-08-05 | 

 東南アジアの食べ物というのは、日常的にあんまりなじみが少ない。友人もいなかったわけではないのに、ちょっと不思議という気もする。日本とアメリカの関係もあるし、それを言うと経済的なものが背景にあるのかもしれない。国としてはそうだが、個人としてもどうか。それなりに知っているものもあるんだが、日常となると、非日常のカテゴリーの中に入る気がする。
 テレビの話だが、以前コウケンテツがアジアの国々を旅して、その地の料理を一緒に作ったり食ったりしていた。強火で炒めるものが多くて、そういうところは中華との共通を感じるが、しかし根本的には、やはりかなり違うらしいというのは感じ取れた。食材に使われる調味料が違う。さらに混ぜ合わされる野菜やハーブが違う。
 決定的に違うというか、東南アジアに共通というか、そういう作り方に、食材をすりつぶすように混ぜるというのがあるように感じた。石の壺のようなすり鉢に、ひき肉や魚やハーブや胡椒や、さらにはココナッツミルクや何かかにやを放り込んでひたすらペースト状になるまで混ぜる。混ぜやすいようにもっと大きな器にすればいいのではないかと思われるのだが、こぼれそうになっても、とにかくひたすらすりつぶしながら混ぜる。この下ごしらえをしたものを、最後に掛けたり、炒めものに和えたりする。ドロドロだったりべろべろだったりして、正直にいって見た目には旨そうなのかよく分からない。テレビでは匂いが無いのでさらに分からないが、ひたすら辛そうだったり、逆に微妙に甘そうだったり、緑が異様だったり、とにかく訳がよく分からない。しかしながら彼らや彼女らは、このペーストの出来具合で、うーんとかムーとか唸りながらうまそうに味見なぞをしていたりする。それを見て、やはりなんとなく気になって食ってみたくはなるわけだ。
 そのような料理番組で、先日はやはりタイのガパオライスというのを紹介していた。ガパオという葉っぱがあるらしいのだが、それはちょっと現地でなければ無いようなんだが、その名前の由来のものより、中身のそぼろ状に炒めたものが、ご飯と相性が良くて旨いらしい。挽肉でも魚肉でもなんでもいいらしいが、あちらでは鶏が人気であるらしい。先にニンニクやら唐辛子を炒めて挽肉を投入。順に玉ねぎなど切っておいた野菜を入れ、むせながらかぎ混ぜている。猛烈な火力と、調味料と混ざった食材が、周りにいるものをむせさせる威力があるらしい。レポートをしていた俳優さんや、そばで見ていた店員さんも思わずむせて咳き込んでしまって、なかなか楽しいのだった。もちろんいつの間にか先にペースト状にしていたガパオの葉っぱやハーブや魚醤などを投入して、2分弱で出来上がり。油で揚げた目玉焼きと、またしてもガパオの葉の天ぷら、ちぎったガパオの葉などを添えて、それらをご飯に混ぜて食べるらしい。
 簡単といえば簡単で、しかし食材は特殊だし、なかなか同じような感じの味には、家庭ではならないのではないかと思われた。また、タイ人が料理するような店というのはなかなか近所にはない。あったとしても流行るものかは未知数だ。東京などに出張の折に探して食べるかというのも、夏を前にして少し決意のいるものかもしれない。
 見て楽しい食べ物であったが、実際に食べるまでの道は、それなりに険しそうであった。
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