本当はめんどくさいので考えたくないのだが、宇宙に果てがあるのか問題、というのがある。いきなり言われても困るだろうが、考えたことのある人もあるだろう。そもそも宇宙の果てってなんだろう。行き止まりがあって、果てであるとわかるものなのだろうか。
結局今のところ確かめようがない問題なんだが、やはり同じ人間として、学者として、この問題を真剣に考えて、一定の結論を計算によって導き出している人たちというのがいるらしい。これも頭のいい人たちが事実と考えている説だが、宇宙はビッグバンという大爆発によって始まったとされている。そうして現在宇宙はどんどん膨張している。146億年という歴史があって、その間ずっと光より早い速度で膨張している。何故なら光を当てても果てにたどり着かないのだから。将来的に膨張しすぎて崩壊するとも、反転して縮小に転じて崩壊するとか、途中でちぎれてしまって崩壊するとか言われている。安心していいのは、人間にとっては先のこと過ぎるので、地球は当然太陽に呑みこまれて無くなっているし、人類は跡形もなく存在していないだろう未来の話だ。
要するに宇宙には果てはあるということだ。しかしもう少ししつこい人なら、当然のことながらその果ての外はどうなっているのか、ということが気になるだろう。答えは分からないと言いたいところなんだが、宇宙の外には別の宇宙があるのではないかと考えられている。宇宙は一つと思われていたからユニバースとも言われているのだが、実は考えが甘かったことになる。一つじゃないので、今はマルチバースであるという。平行宇宙ともいう。じゃあ、そういう宇宙がどれくらいあるのかということになって、2の十乗をさらに118乗したくらい宇宙が存在すると計算が出ているらしい。あまりに数が多すぎるのでかえって胡散臭いが、それくらいの数の宇宙ということになると、確率的に今僕らの存在している宇宙とまったく同じ宇宙が、この中には存在できるらしい。凄いのは分かるが、もうかなり馬鹿らしい気分にはなる。さらにどうでもいいことだが、このような宇宙から他の宇宙を見ると、膨張しているのに縮んで見えることもあるんだという。もうだからどうした、である。
これは別段、人間が空想して作り出した理屈ではない。理論を組み立てて、現実を勘案して、その事実に基づいて計算をして導き出された結論である。だから確かめられないことをいいことに、この説が有力ということになる。もちろんこの理屈を覆す計算式が生まれるまでは、ということになるが、むしろこの説を裏付ける事実が見つかる可能性もある。宇宙には果てはあるが、事実には果ては無いのかもしれない。