しとしとと雨が降る日ではありましたが、おいしいものを食べようと横浜へ出かけます
横浜に住んでいた頃には毎日のように歩いていた伊勢佐木モールを久しぶりに通ってみますと、家系ラーメンが軒を連ねるようにオープンしていて…
街は客層に応じて変わっていくんですね
そんなことを考えながら歩いていた伊勢佐木モールから裏通りへと入ったところにある『太田なわのれん』
1868年に創業した牛鍋の元祖とも言われるお店でありまして…
お肉を食べ慣れない時代に、その臭みを感じさせないようにと牡丹鍋からヒントを得た味噌ダレでお肉を煮る牛鍋が生まれたのだそうであります
店名にもなっている縄で作られた暖簾をくぐり、たたきで靴を脱いだ後にお部屋へと案内されます
4名以上であれば個室をいただくこともできるのですが、今日はふたりということで山吹の間へ
他のお客さまとの相部屋ではありますが、落ち着きがあるお部屋でありますし、お庭を臨むこともできて…
店格の高さを感じることができますね
いただくのは「牛鍋御膳」
まずは前菜として有馬山椒煮と蟹とかぶらの冷菜が提供されまして…
山椒煮ではホロホロと柔らかく煮込まれたお肉の甘みとピリッとした山椒の風味を楽しめますし、ほんのりとかぶらが香る冷菜にはしっかりと蟹の身が入っていて満足いくものでありました
木箱に入れられた七輪と薄い浅めの鉄鍋
それにゴロゴロとサイコロにカットされたお肉とたっぷりの江戸甘味噌
これが創業から150年近く守り続けられているスタイルであるとのことでありまして…
お昼の営業がある土日祝日だけに提供されるサービスメニューであるにも関わらず、ちゃんと仲居さんが目の前でおいしく調理してくださいます
サッパリとしたサシが入った上等なお肉をミディアムレアほどに煮込んだあとは卵を潜らせて…
トロンとした食感と甘みを増したネギと一緒にいただきます
ひとしきり楽しんだ後は、お味噌をしっかりと煮詰めて…
濃厚さを増したお味噌はご飯との相性が抜群でありまして、このお味噌だけでご飯のお替りができるほどのものであります
【太田なわのれん】
神奈川県横浜市中区末吉町1-15
045-261-0636