『鼎泰豊』『京鼎樓』『南翔饅頭店』『パラダイスダイナシティ』などと、台湾や香港からやって来た小籠包を看板料理とするお店に、これまで油っこいイメージがある中華料理を敬遠していたであろう女性客が集まっていることもあってか…
昨年4月には日比谷に『添好運』、そして11月には丸の内に『ヤウメイ』がオープンし、今年1月には渋谷に『ダンプリングタイム』がオープンしたりと点心専門店の出店が相次いでいるのであります
そこで今回は『ヤウメイ』へお邪魔してみることにいたします
東京會舘と周辺ビルの建て替えに伴い開業した商業施設〝二重橋スクエア〟の2階
エスカレーターで上がった瞬間に広がる真っ赤な壁面に、どこか違う世界に来たような不思議な感覚に陥ります
気を取り直し店内へと進み、オープンとなった大きな厨房を臨むことができるダイニングへと案内していただきますと…
若干高めな価格設定であることからかご婦人のお客さまが多く、落ち着いて食事を楽しむことができそうであります
点心専門ということですから100種ほどがずらりと並んでいるのかと思いきや…
こだわりのクオリティーを提供するために20品ほどに絞り込まれているのだと聞き、期待いっぱいでいただくのは「豆苗と海老の蒸餃子」と「帆立焼売」
シャキッとした食感を残す豆苗とムチッとした海老、それを包む餃子の皮のモチモチ感と三味が一体となったおいしさははそのままいただいても十分に満足なのでありますが…
先に準備していただいていた〝チリオイル〟〝チリソース〟〝醤油〟からチリオイルでいただくことでピリッとした辛味も楽しむことができます
焼売にはスライスされたホタテが乗せられていることで、その甘みを十分に楽しむことができますし、とびっこが飾られていることでの見た目の美しさとプチプチっとした楽しい食感も楽しめます
続いては「紋甲イカのカレー風味」と「四川風ワンタン」
紋甲イカというから身が厚い大きなものをひと口大に切り分けカレー風味に炒められているのだと勝手に想像していたのですが、提供されたのはとってもかわいい赤ちゃんのような紋甲イカでありまして…
カレー風味のソースとともに蒸されているのですが、香辛料の香りが豊かなソースは見事なものでありました
モチッとしたワンタンに包まれるのはプリップリな海老
その食感にも満足させられるのですが、辛さだけでは無い旨みを感じる麻辣の四川ソースのおいしさには頭が下がります
そして「大根餅」と「揚げ湯葉と海老の腸粉」
先の〝チリソース〟を付けていただいた大根餅はこれまでいただいたもの中で最もモチッとしたものでありまして、その舌ざわりに大満足でありますし…
サクッとした食感の揚げ湯葉にモチッとした腸粉の皮
それに海老のプリッと感が感じられるだけでなく、甘みあるタレが揚げ湯葉に染みて…
これは絶品と言っても過言ではないでしょう
「ピータンと豚肉のお粥」の後はデザート代わりに「カスタードパン」
鶏粥をベースにピータンと豚肉が入っているのかと思いきや、豚肉でスープを取ったというから驚きでありますが…
豚骨臭などを感じることもなく、コクがありながらも意外とスッキリといただくことができます
塩卵が使われているというカスタードは甘みが抑えられているものの、その塩の効果か旨みを十分に感じることができますしパンもふっくらとしていておいしくいただけます
そんな点心だけでなく、お茶にも力が入れられているようで…
プアール茶には12年熟成ものや30年熟成ものなどが揃えられていますし、ジャスミン茶にはホワイトジャスミンが使われるドラゴンパールジャスミンも用意されているのであります
ワタシはシンプルに香港スタイルとあるジャスミン茶をいただいたのですが、テーブルの脇で丁寧に淹れてくださいますし何度もお替わをしてくれるなどサービスも素晴らしいものでありました
高級飲茶という枠になるのでしょうが、それに相応しい雰囲気とおいしさでありまして…
きっと厨房で手作りされるものだけを提供されることから、品数が絞り込まれているのでありましょう
3月からはテラス席もオープンされるとのことでありますから、豊かな緑が気持ち良い丸の内仲通りの景観を楽しみながら、おいしい飲茶を楽しむことができそうですね
【YAUMAY】
東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア2F
03-6269-9818