熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

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第66回熊日川柳大会終る その3

2020-11-02 12:07:32 | 川柳一般

第66回熊日川柳大会の入選句の中から8人の選者が天・地・人に選んだ句を紹介します。投句者の高齢化が句に反映される傾向もありますが、新しい風や香りをまとった句もみられました。ジュニアの部など詳しくは熊日朝刊2020.11.2の15面に掲載されています。(Y)

「雑音」村上哲子 選

天 ラーメンをすする音にも妻の味 中﨑公夫

地 雑音を聞き分けているロバの耳 菊池蘇水

人 雑音がグレーゾーンで立ち止まる 北村あじさい 

「ゆるい」いわさき楊子 選

天 レシピではスープカレーじゃ無かったが 下野楽椿

地 例外をたくさん作る但し書き 松田順久

人 反省も忖度もせぬ猫と居る 村上和巳

「投げる」矢村なお美 選

天 投げ出してリセットしたい夢を見る 福田達夫

地 投げ返す気力が介護楽にする 土田一郎

人 投げ捨てた草が根を出し花咲かす 金子てるみ

「じわじわ」村上和巳 選

天 忍び寄る老い気負わずに受け容れる 西川雅子

地 生き甲斐をじわじわ問うてくる齢 徳丸浩二 

人 歩かねば老いが足から這い上がる 原 萬理

「雑音」北村あじさい 選

天 雑音にめげぬ主張が世を拓く 北出北朗 

地 リーダーの資質雑音まで拾う 道田佳香(大会代表句)

人 雑音の中に真実さぐる記者 小濱春雪

「ゆるい」中原たかお 選

天 病む地球自転速度を緩くする 嶋本慶之介

地 残照はゆるい大河の如く生き 濱北 葵

人 反省も忖度もせぬ猫と居る 村上和巳

「投げる」黒川孤遊 選 

天 敬遠はゆるさぬ父のど真ん中 中田ひろし 

地 どのくらい深いか石を投げてみる 山本あかね

人 夢ひとつ託し祈っている輪投げ 北村あじさい

「じわじわ」平田朝子 選

天 定年の虹じわじわと色あせる 安永理石

地 水引いて頬に流れるひとしずく 貞島みずえ(大会秀句)

人 生き甲斐をじわじわ問うてくる齢 徳丸浩二