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批評がグローバル化を促進する?

読んでみました、ロバート・パーカー師の評伝。

なんで大して興味もなかったワイン関係の本を読んでいるかといえば。

有名建築家っていうのは世界中どこでも自分の建築を建てている訳ですが、
本来建築ってそういうものなの?もっと地域に根ざしたものじゃないの?
という意見(あるいは姿勢)もある訳で、そこからの興味で
ぴりかさんご紹介のドキュメンタリー映画「モンドヴィーノ」を見たのが最初のきっかけ。
で、そこに登場するロバート・パーカーと言う人が気になってしまった訳ですね。
それでたまたま図書館にあった本書を手にとってみることにしたのでした。

ただ、どうも本書の著者のグローバル化に対するスタンスはどうも曖昧な感じで、
自身の価値観に圧倒的な自信をもつパーカーが
その普遍化(グローバル化)に何ら疑問を感じていない(ように見える)ことに対して
明快な批評軸を示しえていない感じがしました(著者もアメリカ人だからね)。
だから訳者が紹介しているような「本書は聖人伝である」といった批判が出てくるのでしょう。
とはいえ、リサーチは詳細にされているし、ヨイショ本でもないので、一読の価値はありました。

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あと、本書の340P、ワインのグローバル化に触れた部分に
「モンドヴィーノ」にも登場した醸造コンサルタント、ミッシェル・ロランが

> こうした「空とぶ醸造家」連中は、世界的に有名な建築家やシェフと同じように
> 助言を売ってべらぼうな報酬を得る。

なんていう感じで紹介されて、
あはは、建築がグローバル化しているのはもはや既定の事実なのね・・・、
と思わぬところで指摘されてげっそりしてしまったのでした。
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