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新築より楽しい?


さて、先月出かけた長野ツアーの報告をば。

初日は長野で活動している先輩建築家諸氏の保存・再生のお仕事拝見。


左は高遠の「カク万伊藤園本舗」というお茶屋さん。
一見何ということもなく建っていますが、実は道路拡幅のため3mほどずりずりと曳き屋しています。
当然蔵の後ろにあった住居部分は敷地に入りきらないんで切ったり張ったり(笑)
そもそも曳き屋前の元の蔵も、二つの蔵を一つに繋いで上の階を乗っけたりしているという大胆物件。
凄すぎます。
右は一見今風の和風モダンですが、実は解体した蔵の柱・梁や瓦を再利用した再生物件。
「これ以上ほっとくと腐っちゃうから」といって「押し付けられた(笑)」古材、
柱は折れてるわ瓦は割れてるは・・・で、「お金ないんで接着剤で貼っちゃいました」
まぁ、半間ごとに柱が立っている蔵つくりならではこそ、の勢いとも言えますね。
現在はご自身の事務所として使用中。


そして今回参加者(みな建築家)のハートを鷲掴みにしたのがこの物件。
小さな蔵の再生で、離れみたいな使い方を想定しているのでお風呂はないのですが、
とにかくこのコジンマリ感がたまりません。
う~かわいい。これ欲しい。全員プロの顔でなくなっていましたね(笑)
あと、民家の再生って景観の「保全」にはなるけれども、
イマイチ「新しい魅力」の創造には繋がらないキライがあるように思っていましたが、
この再生で一角が明るく生き生きとした雰囲気になったことは間違いなく、
また、イタリアとかフランスの田園風景は美しいのに日本は・・・
といつも思う割には具体的な方法論が見えない日本の景観の方向性を示唆しているようにも思え、
「保存・再生」の可能性を強く感じた嬉しい物件でした。
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