goo

CASBEE・キャスビー

CASBEEというのはですね、
「環境効率の概念に基ずく建築物の環境性能効率」
・・・のことです。です。です。
(メモにそう書いてあるのだが、なんだか同義反復。間違えたか??)

えっと、で、今日そのCASBEE戸建版と言う奴の評価員講習を受けてきました。
産・官・学が共同して作った、と自慢されていましたが、確かに微妙なブレンド感です>CASBEE。

産:テキストのデザインがお洒落で見やすい。
官:基準に法的根拠(学術的でなく!)を求めたがる。住宅の必要面積の基準が閣議決定文書だナンテ。
学:現象と仕組みを深く理解しているが故の唐竹割り的大雑把さ。

しかしこの評価を2時間でできるというのかぁ~>S先生。
しかも恐れていたように(笑、ていうか知ってはいたんだけどな)CASBEEの評価項目の中には
住宅品確法の性能評価基準(法律だよ、おっかさん)を持ってきているところが
結構(たぶん54項目中12項目)あるんだよなあ。
(彼らはこれを整合性という)
だからCASBEEの評価をするにはまず品確法の評価が出来ないとキツイんだけど・・・
これがまた分かりにくいんだわ。読んでも読んでも。

この品確法による性能評価をやっている建築家ってどのくらいいるのかなぁ。
中にはコミュニケーションツールとして活用しているヒトもいるみたいですが。
まあ、評価書とってくれとか言われると辛いけど、
自分の設計した建物の評価をして見るのも悪くはないかも、と思わないでもない。
(全部等級1=基準法レベルです、って言っておけば簡単?
 でも数値出さなきゃいけない項目もあるみたいだな・・・。)

あーやれやれ。いずれにせよ今日の講義、ばっちり4時間で疲れますた。
あ、ところでこの「戸建」は二世帯住宅には適用できないそうです。なんで?

CASBEEすまい戸建入門CASBEEすまい戸建入門
村上 周三 日本サステナブル・ビルディング・コンソー

建築技術 2007-10
売り上げランキング : 181719

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

↑今日持参するように言われた書籍(その1)。入門書としては好適かもしれないが実務に使う本ではない。
 なんで今日も一切使用せず。いちいち買わせるなよぉーって感じ。
 あ、自分は図書館から借りました(笑)クライアントで興味あるヒトには勧めるかも。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

返品出来ません

瑕疵の続き。


ううう、すみません。でも先回の説明だと不十分なんで。


先回の説明を読んで
「そうか~売買契約だったら気にいらなければ返せるのね」
と思ったヒト、それは違います。
「傷物だったら返せる」と書きましたが、これ、ちょっと拙かったみたい。
返せるのはねぇ、「契約目的が達成不可能な場合」だけなんですってよ。

で、分譲マンションとか建売住宅では少々(というかかなり)キズがあっても
「契約目的が達成不可能」と認められるてことは、まず有り得ない雰囲気です。
(家電品とかだと交換してくれるのにねぇ・・・)
認められないどころか、先日某所であった欠陥マンション騒動では、
売主が「建物に何らかの瑕疵が存在する蓋然性(可能性)は高い」と一応認めながら
契約解除には応じなかった(販売価格の100%での買い取りで決着の方向)なんてことも。

それじゃあ売買だと解約も修補(<間違ってないです)も駄目なのかよ、というと、
実際には軽微なものに関してまでいちいち賠償請求と言う形でやり取りする、
というのも双方にとって現実的ではないので、
「アフターサービス規定」とかで処理されるようにはなっているみたいです。
(売主は建設会社に対して瑕疵修補を請求すればいいのだし)
なので何か問題があった場合は、このアフターサービス規定(契約の一部)と、
後は宅建業法とか住宅品確法なんかを使って直すように交渉することになるみたいです。
・・・とすると、実態としては請負契約とあまり変らない??
(まあ、住宅品確法は部分的にはそれが目的な訳ですが)

という事らしいんですが、さて、
「アフターサービス規定」を熟読してから買うヒトって、どの位いるのでしょうね?
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

日本橋百貨店合戦

オープン・アーキテクチュアと言うイベントで日本橋の建築をいくつか見て来ました。
本日のプラナリア的メインはデパート対決。
そう、日本橋三越と日本橋高島屋の見学を梯子したのですね。
百貨展などの店舗の中で写真を撮らせて貰うのは難しい。
なので、このような公認イベントは堂々と写真を撮れる可能性がいやでも期待されるわけです。
が、今回は三越の圧勝(笑)
三越:お客様や商品が写らないように注意して撮って下さい。
高島屋:お客様や商品が写らないように指定の場所以外では撮らないで下さい。
結果、高島屋はメインフロア(当然空間的な見せ場)で写真が撮れないということに(泣)
まあ、営業中にぞろぞろと見学するだけでも邪魔だと思うので、十分有難いことではあるのですが。
今回は免震工事の現場まで案内してくれた三越の方が気合が入っていたと言うことでしょうか。

因みにどちらからもお土産を頂きまして、高島屋は喫茶券、三越は何故かモンカフェ。
う~ん、実は三越って意外と庶民的かも?なんか親近感(笑<単純)。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

神の使いの気を引くのは難しい

居間から続くサンルームが占拠されていました。

なかなか優秀な成績を収めている子たちらしいですが、
気侭な感じも最上級(笑)
 
左:おとーさんこっち向いてぇ~ 右:こっちもみてぇ~

当然奥の薪ストーブは休眠中。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「報道」写真のクライアント

報道写真、と言う言葉が1930年代から使われるようになりました。
これはフォト・ルポルタージュの訳語として伊奈信男が使用したのが最初、
というのが一般的な説らしいですが、いずれにせよ名取洋之助の
ドイツからの帰国(1933)以降盛んに喧伝されるようになった言葉の様です。
さて、ここで言う「報道」とうい言葉の意味ですが、この時代「社会の事実を伝える」という意味から
だんだんと「ある種の思想・考えを表現・伝達する」という意味にシフトして行ったように見えます。
これは別に写真に限ったことではなく、当時の一般的な使用法なんですが(例えば「報道技術研究会」)、
今日的な感覚からすると、これは「報道」ではなく「宣伝」あるいは「プロパガンダ」ですね。
で、この「報道」のクライアントが国家だった場合、どのような事が起こり得るのか。

ところで時々ご紹介しているように、1930年代の日本と言うのは大変景気が良かった。
そして、一般には満州事変→国際連盟脱退→国際的孤立→日中戦争
→軍部ファシズム暴走→太平洋戦争突入、と言う流れの中で
日本はとてつもなく内向きになっていった時代のように思われていますが、
実はさにあらず。1930年代は対外宣伝の時代なのです。

報道写真と対外宣伝―15年戦争期の写真界報道写真と対外宣伝―15年戦争期の写真界
柴岡 信一郎

日本経済評論社 2007-01
売り上げランキング : 416983

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

これは何でかと言うと、一つは国際連盟から脱退をせざるを得なかったような、
日本の立場が国際社会に受け入れられないという状況は諸外国の日本理解が足りないから、
あるいは敵対国の宣伝がより巧みだからである、という認識が政府内で高まったこと。
そこで、より積極的に日本の社会・文化を海外に紹介し、交流することで
日本への理解を深め、国際的な立場へのシンパシーを高めさせなくてはならない!
と言う訳で、文化交流事業と観光事業が国策として重視されるようになったこと。
もう一つはこれとも関係するのですが、観光が外貨獲得として政府から重視されたのみならず、
地方や経済界からも地域経済の振興手段として熱く期待されたこと、があります。
そして、それぞれのミッションに対応して設置された
外務省所轄の「(財)国際文化振興会」と鉄道省の「国際観光局」の二つの機関は、
日本の対外宣伝の手段として万博への出展や冊子の制作、
海外のメディアなどに貸し出すための写真ライブラリーの整備などを進めます。
そしてようやく職能人として自立し始めた写真家たちの多く(土門・木村・渡辺・堀野・等々)が
これらの仕事に係わることになりました。
つまり、国策宣伝はプロの写真家のクライアントとなって彼らの自立を助け、
更には職能の確立や写真表現を深化させる場としても機能した訳です。

国策宣伝といっても当初は文化交流を意図した高尚的なものでしたが、
時局の変化と共により直接的なプロパガンダ的な色彩が強くなり、
1940年の内閣情報局の設立により完全にプロパガンダ機関化してしまいます。
ここでの写真家達は「バスに乗り遅れるな」どころか、むしろ
積極的に「バスに乗り込んだ」ことで戦時中も大量の仕事を得ることになります。
特に名取の活動は軍と組んでブラック・プロパガンダとも言える領域まで手を伸ばし、
企業家としても大成功を収めた様にも見えます。
さて彼らが戦後にどのような宿題を抱えたか。
表面的には(他分野で行われたような)戦争責任問題の議論はされなかったようですが
だからこそ、個々人が抱えざるを得なかったものもまた、大きかったように感じられます。

技術を生かして誠実に仕事をする、それだけの事が、大きなうねりの中で
別の意味を持たざるを得ない時代の難しさを考えさせられます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ 次ページ »