~始まりは、たまご~
ムニュー名をながめるだけで、情緒のあるオーナーシェフだな、との印象を受けた。
牡蠣の貝殻に載せた苔玉、目の前に運ばれてきたとき、この演出に心が躍った。
まつぼっくりの薫りがかおる、和牛の赤ワイン煮に、マダム西村の勧めでドライラベンダーを散らしてみた。このマリアージュに感動を覚えた。
昔の京都に災いの病をもたらしたとの言われがある胡瓜。移り住む京都の郷土文化を、大事に守る西村シェフの思いと創意工夫が伝わる。祇園祭りから七月末までに、胡瓜の食用を控える古い慣習があると教えてもらった。帰りに、その風習にゆかりのある八坂神社に立ち寄ってみた。
この日は、ワインではなく、ルハンさんの熱い思いでティーペアリングコースにしてみた。日本茶と西洋ハーブのブレンドティーを色々頂き、発見も色々。
オープンして、まだ一年。店内に四つのテーブルしかない、祇園八坂神社裏にあるこちらのフレンチレストラン。いつかシシュランの星が付けられる日も、そう遠くないのかもしれない。
食後に、京都国立近代美術館で開催中の「魯山人の美」企画展に行ってきた。
器は料理の着物
美食の芸術にどっぷり浸かった日だった。ルハンさん、ありがとう!
祇園MAVO
京都府京都市東山区下河原通上弁天町440 舞風館 1F
075-708-6988
京都国立近代美術館
北大路魯山人の美 企画展
2015年8月16日まで