昨年の八月に潮州で購入した単欉草蘭。
夏、秋、冬を経て、時々出して飲んでいました。
久しぶりに飲んでみた今日に、清楚な草蘭が、変化していました。
長い冬を通り越し、早春の甘露で潤い、万物が芽生える春の景色が脳裏に浮かびあがります。
ちょっぴり色気を醸し出す二十歳の女子のように、喉越しにこれまでなかったアロマ香水のような香味が顕になりました。
旬を味わうと人間の五感が冴えます。ふいに、草蘭の旬(=飲み頃)は、もしかして春の今頃かもしれませんね、と思いました。
購入した草蘭は、単欉の製茶名人黄柏梓氏の孫娘が、祖父の指導の元で製られたものだそうです。すでにご高齢の黄老先生が単欉茶のお本を数冊もしたためたほど、名人中の名人です。
今年も鳳凰山への計画を立てていて、黄老先生を紹介してもらう予定でした。が、コロナとの熾烈な闘いがまだまだ続く中、余儀なく断念となり、誠に残念です。
お茶のある暮らしはやはりいいです。たとえ明日に緊急事態宣言が出されても、家で健やかに過ごし、いつもと変わらない日常を心がけたいです。