広いテーブルウェアフェスティバルの会場に、今年も行ってきました。
ティータイムのテーブルを絞って、じっくり観てきました。
美術館で作品を観賞するとき、作品の横に書かれた創作背景や、作者の思いを一読すると、難しい作品でも少しは理解できるようになりますよね。
フェスティバルでは、コーディネートの部の作品の横に、作者による作品の設定やコンセプトが、一枚ずつ書かれています。それを読みながら、観賞していくと、まるで作者がそばで語ってくれるように、倍に楽しめます。
「女正月を楽しみましょう」という題の茶席。羽子板が皿代わり、鏡餅の器。日本のお正月らしい、ユニークな発想ですね。
「サクラサク~合格おめでとう~」という題の茶席。受験生は、きっと女の子なんでしょうか。桜の木の下で、親子でそれまでの苦労話を笑い飛ばし、美味しい玉露と落雁を堪能する。そんな絵が目に浮かびます。
もう一枚さくらシーズンの作品。こちらは、テーブルの上で、高低さを上手に使いこなす素晴らしいセッティングです。設定は、「雅をイメージして祖母とのお花見を楽しむ」と説明されています。上品な器の中には、祖母のために、きっと手の込んだ甘味が入っていますのでしょうと、ついつい想像してしまいます。
「和心を重ねて」という題の作品。モダンジャパニーズというような感じの茶席です。設定は、イギリスの友人を招待するシーンとなっています。確か、紫と白の和紙がなければ、洋風のコーディネートといっても否めませんね。紫色は、和のカラーだと改めて思わせてくれた一枚です。ちなみに、チョイスしたのは、和紅茶だそうです。なるほどと頷く私でした。
巻物のような菓子皿、お菓子入れの蓋についた兔ちゃん、扇子をモチーフしたナプキンのたたみ方。細かいところの工夫を、目を細くしてみたくなります。
「秋にさいたさいた」という題の作品。落ち葉が舞う秋のある日、友人と頂くのは、工芸茶の茉莉仙女と栗きんとん、栗渋皮煮、栗らくがんそして金平糖。観ているこちらまで、参加したくなるようなテーブルです。
このように、ほとんどのテーブルでは、頂くお茶とお菓子の設定まで説明されています。作品と合わせて観賞していくと、何杯も美味しいお茶を頂き、たくさんの茶席にお邪魔した気分になりました♪
最後ですが、テーブルウェアフェスティバルの中国茶席といえば、この方の作品でしょうー
鈴木香代氏。
切り絵の楽しめる茶席は、もう彼女のトレードマークになっています。手作り感満点の茶席は、手先が器用な彼女しかできない空間です。今年も素晴らしい作品を見せて頂きました。睡蓮のほとりでのティータイム。審査員賞を受賞された作品になりました。
切り絵がこんなところにも。
こんなところにも。
天人達も舞い降りてくるような素敵な茶会と想像してしまいましたが、どうもご本人は、少し違う思いで今回の作品を作られているようです(笑)。
鈴木香代さんとは、面識がありません。彼女の茶席写真集tea time styleを二年ほど前に買いました。眺めるだけで、とても贅沢なティータイムになる一冊です。
本気で今回の作品で彼女が淹れるお茶を頂きたくなりますね。
テーブルウェアフェスティバル2014
2月2日-2月10日
にほんブログ村