こんにちは。曲@上海です。
この小文を「餃子のS福」先代女将に捧げます。
「来月の餃子」
「今日はもうやめた。」月に一度のO市出張。気持ちだけが空回りして成果が上が
らない。新米営業マンだった私は、仕事を早めに切り上げ、人から教わった餃子の
店を訪ねてみた。ビールで喉を潤し、焼きたてをほおばると、思わず「うまい!」と
声が出た。店の老女将(おばあちゃん)は笑顔でうなずいた。
餃子を食べながら女将の話を聞く。戦後、夫婦でO市へ戻り、旧満州で覚えた餃
子で商売をはじめた。店は繁盛したがご主人を病気で亡くし、それ以後は女将が店を
一人で切り盛りしてきた。苦労してきたのだろうことが話の端々から伝わってきた。
空き瓶が並んだ。「おいしかった。特にこの具、何か秘密がありそうですね?」
「ほんとはもっとおいしいのよ。今日のは失敗作。」「え、こんなにおいしいのに?」
「あんた、ほんとにいい人だ。来月またおいで。今度はうまく焼くからさ。」「必ず来
ます。」と握手をして店を出た。
・・・つづきは、また明日に。
この小文を「餃子のS福」先代女将に捧げます。
「来月の餃子」
「今日はもうやめた。」月に一度のO市出張。気持ちだけが空回りして成果が上が
らない。新米営業マンだった私は、仕事を早めに切り上げ、人から教わった餃子の
店を訪ねてみた。ビールで喉を潤し、焼きたてをほおばると、思わず「うまい!」と
声が出た。店の老女将(おばあちゃん)は笑顔でうなずいた。
餃子を食べながら女将の話を聞く。戦後、夫婦でO市へ戻り、旧満州で覚えた餃
子で商売をはじめた。店は繁盛したがご主人を病気で亡くし、それ以後は女将が店を
一人で切り盛りしてきた。苦労してきたのだろうことが話の端々から伝わってきた。
空き瓶が並んだ。「おいしかった。特にこの具、何か秘密がありそうですね?」
「ほんとはもっとおいしいのよ。今日のは失敗作。」「え、こんなにおいしいのに?」
「あんた、ほんとにいい人だ。来月またおいで。今度はうまく焼くからさ。」「必ず来
ます。」と握手をして店を出た。
・・・つづきは、また明日に。