「勝ち負けで決まるならきっとずっと人生はたやすい。動機を見失ったまま過ごす日々はなんてはかない。遅すぎるかもしれない」
(篠原美也子『秒針のビート-Studio version-』2001年 より引用)
今から10年前に出た篠原美也子『秒針のビート』。ピアノ1本アレンジの方を聴きたい、そんな一心でCDを取り出した。
気がつかないだけで時計の秒針は我々の心臓の鼓動が如く動いている。つまりその分だけ、時間は流れ、我々は歳を喰う事になる。
何もしない9ヶ月を過ごしたのは今から4年前。それがどんな毎日なのか、4年前の私は知るよしもなく、9割方何もかもから解放され伸びきっていた。これも悪くない、だがしかし心奥底で火のついた小さな蝋燭が蝋を解かし、まるで折檻の様に、私にやばいやばいと訴えかけていた。勿論、それは無視できる程度だったりしたが…。
途方もない時間を手にした時、それを律せず有効に使えもしなかった過ぎ去りし日と過ち。もはや許されぬ過ちとなったがそんな過ちを犯かしてしまう危険はいつも傍にあるから不安である。
秒針が進み、気がつけば、手元に人生への保険なしで、愕然としている今。許される許されなくなる恐怖におののきつつも、同じ過ちばかりが繰り返される我が身である。