読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

<女刑事音道貴子>嗤う闇 乃南アサ 新潮文庫 

2006-11-06 21:32:00 | 読んだ
女刑事・音道貴子シリーズの短編第3集である。

長編はデビュー作「凍える牙」と「鎖」
短編集は「花散る頃の殺人」「未練」である。

今回の短編集に収められた4編は、いずれも小説新潮に発表されたものであり、したがって1回は読んでいるものである
であるが、こうして4編を続けて読むと、それはそれなりに「フーム」と感じるものがある。

ちなみに4つの短編とは(掲載順)
「その夜の二人」2002年10月号
「残りの春」  2002年 4月号
「木綿の部屋」 2001年12月号
「嗤う闇」   2004年 3月号
である。

今回の短編は非常にオーソドックスなつくりである。
音道貴子がデンと主人公に座っている。

で、この音道であるがデビュー作の凍える牙のときにはどちらかといえば「変人」っぽかったのだが、今回の4編では、なんというか「大人になった」というか「丸くなった」かんじである。
周りに対してすぐ怒るというかとんがることを抑制するようになったのである。

といいながら、時には思わず怒ったりするのだが・・・

この4つの短編では、音道の相棒が毎回違う、そして事件の犯人も相当なのであるが、被害者も一風変わっている、ということが特徴。
そして、登場する人物に対して「こういう奴いるよなあ」と思わせるところが、乃南アサなんだなあ。
コメント
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