舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

エレガンスは些細な所に

2009-08-06 02:30:39 | ダンス話&スタジオM
私がハワイ語講座でピン芸を披露(違)する27日のコンファレンスのチラシを見ているうちに、気づいたことがありました。

それはこの画像です。手前に写っているのは、昨年このコンファレンスでフラ指導をなさったマヌ・ボイドさんです。
マヌ・ボイドさんはロバート・カジメロ師の教えを受けたクムフラの一人で、「ホオケナ」のメンバーとしても有名な美声の持ち主です。

私はマヌさんに直接教えていただいたことは無いのですが、まことに失礼ながら、この写真を見て初めて気づきました。
流石女性のみの教室を開いているだけあり、素晴らしくエレガントなポーズではないですか。

いえ、「ポーズ」というのは正確ではありませんね。たぶんこれはレッスン中の風景を撮ったものだと思いますので、踊っている最中を捉えた姿なのでしょう。
この何気ない姿に宿る、このエレガンス。これぞマヌ・ボイドさんの踊りがとてもエレガントであることを何より雄弁に物語っています。

何気ない一瞬からどこまで感じ取れるかということは、そのまま「見る目」を測るバロメーターともなります。
マヌ・ボイドさんのこちらの写真を例に、学習指導要領風(笑)に到達度を測るなら、

レベル1:何も感じない。
レベル2:この一枚で「踊りの美しい人だ」と分る。
レベル3:上記に加え、何故美しいのか具体的な説明が出来る。

...って感じでしょうか。

レベル3は確かになかなか難しいです。敢えてここでは解説しませんので、レッスン時の我々のコメントをお聴き下さい(笑)。
でも、フラをやっている限りレベル1だと若干マズいです。静止画から始めるのは難儀ですので、ぜひメリーモナークなどの映像で見る目を養うことをお勧めします。あ、でも、レッスンビデオとかじゃなくて(笑)。

私がこの写真を例にしたのは、「何気ない一瞬」だからこそ被写体(ここではマヌさん)の真の力が分りますし、見る人の力量も試すことが出来るためです。

静止画に限らず踊っている所を見ていても、踊り手の真の力がハッキリするのは、腰がぶんぶん振られているときでもなければ、ハデバデしいポーズを決めたときでもありません。
そういう姿って、ダメな部分は目につく(というより鼻につく・笑)のですが、踊り手の実力は見えてこない姿です。

本当に上手い踊り手を、本当に見る目のある人間が見たのなら、もう踊りだす前に最初のポーズをとっただけで美しさが分ります。
畑違いなんでよく分らないけど、ひょっとしたら剣道とかも本当はそうじゃないのかな。向かい合って最初の構えを見れば、ある程度の実力がうかがえるのではないでしょうか。

マヌ・ボイドさんのこの瞬間は、フラの中でも最もシンプルな型(と言っていいかしら)の一つですが、この僅かな情報から、片手で数えたのでは足りないほど「彼の踊りがエレガントな理由」を見つけることが出来ます。
マミちゃんなど、この写真一枚ですっかり感動し、「よもやこれほどエレガントな先生だったとは。存じ上げずに失礼しました~~」と恐縮する始末です。
確かに、ロバ様率いる「ナー・カマレイ」の地元発表会でチケットのもぎりをされていた姿からは、このエレガンスは想像出来なかったなあ(笑)。

こういう写真を見ると、私なんてまだまだだと思いますな。
これでも精一杯神経を行き届かせているつもりですが、その「精一杯」感が仕舞い切れてない辺りがダメだと思います。
流石に、ムダに力んでいるのとは違うけどね。それはレベル1の段階なので、20世紀のうちに卒業しておきました。

ちなみに、ムダな力みが取れないままでレベル2や3に行った(と自分で思い込んだ)りすると、非常にイタいことになってもう取り返しがつかなくなってしまうので、そこらへんは注意が必要です。
ぜひとも、マヌ・ボイドさんのエレガントにリラックスした立ち姿を見て、見習いたい所ですね。

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