ごみの中から。

ある日のことでした。

私と女性の友人とその彼氏と、その彼氏の友人4人で道を歩いていました。

彼氏さんが急に道を変えたので、聞くと
「こっちが気になるんだよね～」と言いました。
そのお友達の男性も「かもな」といって一緒に行きました。

そして現れたのが、不法投棄のごみの山。
あまり気持ちの良い場所ではありませんが・・・

じ～っと見ているとどうもあのタンスが気になるのです。
頭がちょこっとしか見えていないのですが・・・

「あれだよな」
「うん。ふるらんはどう思う？」
「あれだよね～あれが呼んでるし・・」

友人の女の子は「え～気持ち悪い」と嫌がりましたが、この三人、実は霊感の持ち主達。
彼氏さんは歩いていても見えない人を指差せるぐらいの男性で、もう一人の男性は写真を見て「この人○んでるよね」といえる人。
まぁふるらんは感じるけどあんまり怖いものを見えないタイプ。

男性二人がごみの山に上がり、そのタンスが出せるようにし始めました。
彼女は止めましたが、もうこうなったら止まらない。

「人が来たら教えてね。悪いことしてるようにしか見えないから」と彼女に説明して私も手伝いました。

当然通りががりの人が「何をしてるの？状態」で見ます。
でも気にしないで、掘り出しました。
気がつけば数人のおじさんが来ていました。
「そんな汚いタンスをどうするの？」と聞くばかり・・・
・・でしょうねぇ～～

引き出しを開けると女性の古い服が何枚か入っていました。
「これ、形見なのに・・なんて粗末な・・」
「お炊き上げしてあげたらいいかもね」
「そうだよね・・」
と3人の意見は一致。
おじさんたちはつまらない・・と思って帰っていきました。
3人でニンマリわらって、
「帰ったね」と言って、タンスの分解開始。
そう、本当は中に興味があったのです。
「紙切れがみえるんだよね～」「そうそう・・」「だよなぁ～」

下から3番目の引き出しの板をはずすと隠し板が出てきて、はずしました。
すると、赤ちゃんの写真と、お金が数万円紙に包んでありました。
「多分ご主人にばれたら困る過去があったのよね・・・」
「そうなんだろうなぁ・・それで処分して欲しかったんだろうな・・」

それをもってまっすぐお寺へお炊き上げしていただきました。
「これで、安心してくれたかな？」
「そう思うわ、そう願いたいし・・自分も女の立場ならあの世に持っていくものだもん」
「お、ふるらんの横におばあちゃん来てるよ」
「え？そうなんだ」
「ありがとう、ありがとう・・って届いたみたいだね」
「そりゃよかった」
「タンス、送れなかったからね～大型荷物は料金が高いから」

その後3人に不思議なことが起きました。

私は友人からストッキングを3足もらい、あの彼氏さんはグ○ゼの下着を3枚お母さんからもらい、もう一人の男性は靴下を３足彼女からプレゼントしてもらったそうです。

心の優しいおばあちゃん。
誰にもばれないでよかったね。
そして素敵なプレゼントを届けてくれてありがとう

あれから十数年過ぎますが、あの秋空を迎える季節になりました。