最近は海外でも、「これは!」と思うジャッキー関連のブログサイトも登場しているようですね。
そんなサイトでは、『秦香蓮』のかわいらしい子役のシーンの紹介や『大酔侠』では、なんと出演場面の画像が何枚かついています!
他にも『合気道』の出演シーンとか、邵氏の『香港過客』についても書いてあってちょっとビックリしますが、ビルに侵入する窃盗団の一人で、パンストをかぶった人には笑ってしまいました。
余所のサイトでこんなジャッキー研究があると勉強になりますね!
(すみません。。ジャッキーネタ。もう少しだけ続きますので。)
『香港過客』より
湯錦棠、ジャッキー(?)、梁龍
さて、先日「伊賀忍法帖」についての記事を書いたのですが、他のタイトルも実際にどこがジャッキー自伝本でしか書かれていない内容なのかと気になってしまっていました。そこで前回、個人的な研究ノートを作ってみたというわけです。
共著者の方も流石に新しいことを勝手には書けないと思いますので、2つの書籍を比較してみて本人による新たなコメント部分を浮き出してみるという試行です。(引用箇所は、明らかに同じ言い回しで怪しい記述の箇所をピックアップしています。参考になれば・・・。)
その前に引用元と思われるソースブックについて補足しておきます。
このソースブックの著者はポップカルチャーに精通したアメリカ人の男女2人で、この本が書かれたのは97年。前年「レッドブロンクス」がヒットし、ジャッキーがアメリカで注目されはじめて続々と主演映画が公開された頃の本です。
ただ"Ninja Wars"のような根拠のない情報を載せている事で全体が怪しくなっていたのは明らかで 、例えば81年に"Drunken Fist Boxing"とか84年の"Two In Blackbelt"とか、自伝に載る以前に排除されている作品もあります。
気になるのはこの本の情報源についてなのですが、その殆どは明記されておらず信用できません。 (これはソースブックの中で、発刊当時出来る限りの情報を掻き集めていることや、ジャッキー映画のタイトルが何通りもあることで正確なリスト作成が困難であると打ち明けていることからも分かります。)
では、作品毎に順を追って見てみましょう。(とりあえず82年の「伊賀忍法帖」まで)
たまに私のつぶやきも入れてます(註の箇所)。これは流していただいてかまいません。
・Big and Little Wong Tin Bar
ソースブックからの引用箇所: カッコ内の記述
自伝追記箇所:京劇学校時代のエピソード
・The Love Eternal
ソースブックからの引用箇所:なし
自伝追記箇所:李麗華と共演の記述
・Story of Qiu Xiang Lin
ソースブックからの引用箇所:なし
自伝追記箇所:子役の記述
・Come Drink with Me 【自伝のみ】
・A Touch of Zen 【自伝のみ】
・Fist of Fury
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、別題、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:スタントダブルの記述
(註:)チェン・ズヘン(Chen Zhen)って陳真の事??
・The Little Tiger of Canton
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、別題、キャスト/スタッフデータ
編集部分:「刀手怪招」のデータ
自伝追記箇所:なし
・The Heroine
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、別題、キャスト/スタッフデータ、ローウェイの主張の記述(ベイ・ローガンのHong Kong Action Cinemaより)
自伝追記箇所:なし
・Police Woman 【自伝のみ】
・Hapkido
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:アンジェラ・マオについての記述
・Not Scared to Die
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、別題、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:学院の思い出
・Enter the Dragon
ソースブックからの引用箇所:別題、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:ブルース・リーとの共演、サモハンについての記述
・The Young Dragon【自伝のみ】
・Golden Lotus
ソースブックからの引用箇所:なし
自伝追記箇所:チョイ役の記述
・The Himalayan
ソースブックからの引用箇所:プロット、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:なし
・All in the Family
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:セックス・シーンについての記述
・The Dragon Tamers【自伝のみ】
(註:)これは自伝のみに書いてあるタイトルだからもしかして・・!?
・Hand of Death
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、別題、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:ジョン・ウー監督デビューについての記述
・New Fist of Fury
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:ノラ・ミャオについての記述
・Shaolin Wooden Men
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:5つのクンフーの型についての記述
・Dance of Death(1976)
ソースブックからの引用箇所:製作年度、プロット、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:なし
・Iron Fisted Monk
ソースブックからの引用箇所:プロット、キャスト/スタッフデータの一部
自伝追記箇所:なし
(註:)これは問題ありそう。どこからこんな話があがって来たのか全く分からない。羅維にこっそり隠れて協力するなんてことが有り得るのだろうか??
・Killer Meteor(1977)
ソースブックからの引用箇所:製作年度、別題の一部、プロット、キャスト/スタッフデータの一部
自伝追記箇所:なし
・To Kill with Intrigue
ソースブックからの引用箇所:別題、撮影のエピソード、相手の役名とスラングの記述(Oriental Cinema magazineより)
自伝追記箇所:なし
(註:)このスラングの話も違ったんだ(笑)。言われてみればいかにもアメリカ的な表現だなぁと思う。
・Half a Loaf of Kung Fu
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:オープニングの解説
・Magnificent Bodyguards
ソースブックからの引用箇所:プロット、テーマ曲、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:映画の一場面についての記述
・Spritual Kung Fu
ソースブックからの引用箇所:別題、プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:なし
・Dragon Fist
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:なし
・Snake in the Eagle's Shadow
ソースブックからの引用箇所:別題、プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:好きなセリフについての記述
・Drunken Master
ソースブックからの引用箇所:別題、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:映画の内容についての記述
・Fearless Hyena
ソースブックからの引用箇所:キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:映画の内容、成績についての記述
(註:)訳者は石天をシー・キエンと書いてしまう傾向にあるようです。
・The 36 Crazy Fists
ソースブックからの引用箇所:別題、プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:タバコについての記述
・The Odd Couple
ソースブックからの引用箇所:プロット、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:なし
(註:)こんな記述があったら誰だってそう思ってしまう。例えば、"彼は"となっているのが"僕は"に書き換えられているんですから困ったものです。。
・Fearless Hyena II
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:映画の内容についての記述
・The Young Master
ソースブックからの引用箇所:キャスト/スタッフデータの一部
自伝追記箇所:映画についての記述全部
・Battle Creak Brawl
ソースブックからの引用箇所:キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:映画についての記述全部
・Cannonball Run
ソースブックからの引用箇所:キャスト/スタッフデータの一部
自伝追記箇所:映画についての記述全部
・Dragon Lord
ソースブックからの引用箇所:キャスト/スタッフデータの一部
自伝追記箇所:映画についての記述全部
・Fantasy Mission Force
ソースブックからの引用箇所:プロットの一部、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:ジミー・ウォングについてと映画の内容など
・Ninja Wars
ソースブックからの引用箇所:プロット、キャスト/スタッフデータ
自伝追記箇所:なし
90年代以降は(「プロイー」のあとぐらいから?)メディアの発達などにより、不確定な情報は無くなってきていると思います。全体的な傾向としてはキャスト、スタッフのデータはソースブックからの引用。映画のプロットも要約して記載し、各映画のエピソードや印象深い内容の記述がおそらく本人のコメントであると考えられます。
映画の中のセリフや共演者のことはよく覚えているようですね。もう一つ言える事は、「ヤングマスター」以降、それまで少しだったのに猛烈に語りだしていることでしょうか。やはり羅維時代までのことはあまり語りたがらないんでしょうね。
以上、2つの本の違いをざっと書いてみました。
私の書いている記事は仮説に過ぎませんが、古い作品も今後一層見直されて、より詳細のジャッキー年表が議論され、もっと広まってほしい。そんな思いで書いています。
やはり70年代(特に前半)は、ずっと闇の中でした。大して役に立たず私には何も出来ませんが、少しでも光を当てられればいいかなと思っています。
リンク先のサイト見ました。
これがジャッキーだと言われると、見えなくもない・・・のは私だけでしょうか(笑)
でも、私は持ってないので、何とも言えないのですが、醒龍さん的には以前の記事にも書かれているように未出演ということで結論出てるんですよね。。。。
私的にはパンフなどの記述が一体どこから来たのかがしっくりこないので、いまいちすっきり消化できない作品の一つであります。
最近はジャッキー関連の記事が多くて私は嬉しいです。
もう少しと言わず、もっと続けてほしいです☆
『香港過客』はネットでも見れますがあのサイトの場面は思いっきりスルーしてたんです(汗。2枚目の画像をを見たら表情がジャッキーそのものって感じがしますね。(1枚目は別人)また再度見直してみようと思います。
マニアックなジャッキーネタもまた書いてみようと思います。