ライオンミドリ la cantine du lionmidori

気の利いたつまみ、おいしいナチュラルワイン、ちょっと珍しいお酒、幸せなチーズ、明日も頑張れる気持ちになるデザート。

ミドリさんのブログ 9

2016-11-13 05:19:40 | ミドリさんのブログ
ボジョレーヌーヴォー・・・
今年もこの季節がやってきました。

ボジョレーは、フランス南東部、ブルゴーニュ地方の一画にある丘陵地帯です。
訪れた事はなく映像などでしか見たことはありませんが、ぶどう畑が一面に広がり、かわいい小さな家々がポツポツと建つのどかなワインの名産地です。

はるか遠いフランスのその村から、11月の第3木曜日に間に合うように今年一番のワインが世界中に向けて出荷されます。

1800年代から始まった、この新物ワインの生産。
ボジョレー・ヌーヴォー 、Beaujolais (ボジョレー地区の)nouveau(新物)。
諸説ありますが、ぶどうの豊作を願う感謝祭的な意味合いや、その年のブドウの出来栄えをチェックする事を目的として作られ、地元住民の間で親しまれていたものがパリでブームになり、それが今こうやって世界中に広がりました。

私なりの解釈ですが、、
最近の日本で言うと恵方巻?
ある地域で行われてきた伝統行事が急に全国的なものになり、そして世界へ・・・
ボジョレーの人もびっくり!!だったんじゃないかと。

ぶどうの種類によっても様々ですが、一般的に赤ワインに使われる黒ぶどうの収穫は9月~11月、そこからぶどうを破砕して熟成に1年~1年半、濾過して瓶詰めにしてから、高級赤ワインとなると瓶熟成に2年ほど、そして出荷となります。

それに比べボジョレーヌーヴォーは、9月にぶどうの収穫、11月の第3木曜には世界中のお店に並ぶわけですから、どんだけ大急ぎか!
なので、「うすい」「思ったよりおいしくない」と感じられてしまうのはやむを得ない・・・のかもしれません。

元々の意味は次第に薄れ、今では商業的な目的だけでこの新物を作る生産者がほとんどかもしれません。
「ヌーヴォーなんだからしょうがない」と、とにかく出荷する事を目的として品質にこだわらない業者もたくさんいるでしょう。
でもなんとなく、「まぁ、いいか。」と思わせてくれるのがこのボジョレーヌーヴォーのすごいところ。

今年もまたおいしいフランスのワインを飲むことができるのも、生産者さんたちが汗水流していい仕事をしてくれているからこそ。
そしてこんな遠くの小さな島の小さなお店に11月17日の木曜日にちゃんとワインが届く奇跡に、感謝。
すごい時代だ。
私たちは毎年、営業終了後に2人で「カンパーイ!フランスへ届け~!merci!」
がばーーっと飲んで、寝ます。最高にしあわせです。

ライオンミドリでは、ヌーヴォーだからといって手を抜いたりしない生産者さんを毎年一生懸命探しています。
醸造期間が短い分、その年のぶどうの出来に左右されやすく誤魔化しもききにくいヌーヴォーですが、その中でも芝の目を読むように緻密なワイン造りをしている生産者さんもたくさんいらっしゃいます。
そのような方々に、敬意をこめて。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。


写真は、、すいません、ボジョレー地区では全然なく、私がシャンパーヌ地方へ行った時の写真です。
同じワインの生産地という事もあり、なんとなく、雰囲気はつかんでいると思います(笑)
許してくださ~い。





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