ゆうべから意外と風があるので、
むやみに暑いって感じはないけれど、
やっぱり日なたは暑い。
歩いてる人はほとんどいないし、
自転車の人はこぐのに必死であぶなっかしい。
やっと読み終わった「ヒトごろし」
ハードカバーでこの厚さはきつい。
そんなに読むのが遅いほうではないはずだけど、
ほぼほぼ1週間以上かかった。
ここんとこ手首がおかしくて、
なんかやらかしたかと思ってたけど、たぶんこの本のせい。
京極さんが歴史もの?と思ったけど、
あるきっかけから道を踏みはずしてヒトでなくなる、というのはいつもと同じ。
「百鬼夜行」の短編のような雰囲気もあるし、
「書楼弔堂」ともつながっている気がする。
そっちの勝海舟ってどうだったっけ。
百鬼夜行の長編と短編の関係が逆になってるのかも。
沖田、山崎は短編のヒトだし、山南さんや誰だかの武士とか、
山口の正義は祓われるべき概念。
でも、土方は誰も祓わないし、救いもしない。
むしろ、さらに追い込む。
土方自身はどうなんだろう、最期…
たぶんこの土方にはなにも憑いていないから、落とすべきものもないのだし。
人殺しをするために組織を作り、逆にそのために人を生かすことになる皮肉。
全部、理詰め。道具であるべきだけど、使い手に恵まれない。
そうか、大政奉還のあと駆け足になるのは、
その時点で憑き物が落ちてしまっているからなのかも。
「ヒトでなし」も読まないといけないかなあ。
「書楼弔堂」のことや「百鬼夜行」の美馬坂あたりを考えると、
昭和の戦争の話も書かれるのかも。
山南さんや永倉、藤堂、お料理上手の伊東甲子太郎、
落語家の山崎に、お騒がせ議員の左之助まで、
大河ドラマの「新選組!」のイメージで出てくるのに、
近藤と土方は当てはまらない。
「鬼」になった土方は「ねこねこ日本史」のあれと結びついてなんか笑えた。
そのうち、土方は口調もあって「進撃」のリヴァイに思えてきた。
でも、この作品の近藤はちょっと複雑で、
結局、だれにもイメージできなかった。
短編でもうちょっと掘り下げてもらえたらいいかも。
「100分de名著」はいまいち。
たぶん「星の王子さま」って、
ある程度、大人にならないとちゃんとわからないような気がする。
それと「こどもに読ませたい本」っていうコンセプトが、
そもそもピントがずれてるような。
本が読みたいこどもって、ちょっと背伸びして大人が読む本を読みたいもんだろうし、
読まないこどもは、なにをしたって本なんて読まない。
あと "apprivoiser" は、やっぱり単純に「飼いならす」では言葉が足りないような。
鈴木福さんも「束縛」みたいなイメージを持ったみたいだし、
モラルハラスメントだとかとらえる人も出てくる。
キツネはそれよりもむしろ、決まったとき、
その一瞬だけ自分のためだけに時間を割いてくれたら、ってだけで、
それ以外の時間はなにをしてくれてもいいと思っているように思える。
でも、そうやってキツネを思って「特別扱い」をしたことで、
ただの「キツネ」ではなくて、
王子さまにとって特別なキツネになるのだろうし、
キツネもその時間を共有したことで、
王子さまがただの「ヒト」ではなくて特別な人になるのだろう。
決して一方的な関係ではないのだと思う。
っていうかこれ、この番組で前にやってるし。
で、ここに書いたのもたぶん受け売りな気がする。
ちょっとはかしこくなったつもりだったんだけどなあ。
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