農地、10年貸せば固定資産税半減
企業参入しやすく
2015/12/2 3:30 日経朝刊
環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け、政府が検討してきた農地集約対策が1日固まった。農家が農地中間管理機構(農地バンク)を通じて企業などに農地を10年以上貸し出せば、農家が支払う固定資産税を一定期間半減する。貸出期間が長いほど減税期間も延ばし、農業を手がける企業などに農地を移しやすくする。
TPPで流入する安価な外国産の農産物に対抗するうえでカギを握るのが農地集約だ。農地が広いほど生産性も高まり、外国産に近い価格で販売できる。政府は2014年度に農地を借り、やる気のある農家に貸す農地バンクを新設したが、初年度の利用は目標の2割にとどまっている。
テコ入れ策として打ち出すのが農地の税制改正だ。まず農地バンクに貸す農地の固定資産税を半減する。所有する農地を全て貸すことを条件に、貸出期間が10~14年間の場合は3年間、15年間以上では5年間減税する。企業や農業生産法人は長期の利用希望が多いが、長期の貸し出しに慎重な農家が多かった。市町村が農業推進地域として定める「農業振興地域」の農地が対象になる。
優遇措置を設ける一方で、耕作放棄地の固定資産税は1.8倍に引き上げる。農業委員会が耕作地として再生できると判断し、農地バンクと協議すべきだと勧告した農地が対象になる。税金の安さから耕作しない農地を持ち続ける農家が多いことを踏まえ、税制面から企業や意欲の高い農家に農地を移しやすくする。与党の議論を踏まえ、16年度の与党税制改正大綱に盛り込む。早ければ減税は16年度、増税は17年度から実施する。
企業参入しやすく
2015/12/2 3:30 日経朝刊
環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け、政府が検討してきた農地集約対策が1日固まった。農家が農地中間管理機構(農地バンク)を通じて企業などに農地を10年以上貸し出せば、農家が支払う固定資産税を一定期間半減する。貸出期間が長いほど減税期間も延ばし、農業を手がける企業などに農地を移しやすくする。
TPPで流入する安価な外国産の農産物に対抗するうえでカギを握るのが農地集約だ。農地が広いほど生産性も高まり、外国産に近い価格で販売できる。政府は2014年度に農地を借り、やる気のある農家に貸す農地バンクを新設したが、初年度の利用は目標の2割にとどまっている。
テコ入れ策として打ち出すのが農地の税制改正だ。まず農地バンクに貸す農地の固定資産税を半減する。所有する農地を全て貸すことを条件に、貸出期間が10~14年間の場合は3年間、15年間以上では5年間減税する。企業や農業生産法人は長期の利用希望が多いが、長期の貸し出しに慎重な農家が多かった。市町村が農業推進地域として定める「農業振興地域」の農地が対象になる。
優遇措置を設ける一方で、耕作放棄地の固定資産税は1.8倍に引き上げる。農業委員会が耕作地として再生できると判断し、農地バンクと協議すべきだと勧告した農地が対象になる。税金の安さから耕作しない農地を持ち続ける農家が多いことを踏まえ、税制面から企業や意欲の高い農家に農地を移しやすくする。与党の議論を踏まえ、16年度の与党税制改正大綱に盛り込む。早ければ減税は16年度、増税は17年度から実施する。