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生乳の流通自由化 TPPにらみ政府検討

2016年04月01日 | 農業
生乳の流通自由化 TPPにらみ政府検討
安く高品質の牛乳全国へ・バター不足対応しやすく
日本経済新聞 朝刊 2016/3/31 3:30


 政府は牛乳やバターの原料になる生乳の流通を自由化する検討を始める。酪農家が販売先や使い道を選べる仕組みを規制改革会議が提言、農林水産省や農林族議員と調整に入る。今は農協団体が地域ごとに生乳の集荷・販売をほぼ独占、生乳の用途も決めており、バター不足の一因になっている。販売の自由度が高まり、北海道の安く高品質な牛乳が全国で流通しやすくなりそうだ。




 環太平洋経済連携協定(TPP)でニュージーランド産などの乳製品が入ってくるのを控え、北海道などの意欲ある酪農家の大規模化を促し、国産乳製品の競争力を高める狙いだ。農協が独占してきた生乳の流通に風穴を開けることにもなる。ただ本州以南の中小零細の酪農家には打撃で、酪農王国・北海道の農協団体の影響力に影を落とすため、農水省や農林族議員との調整に時間がかかる可能性がある。

 規制改革会議の作業部会が31日に方針を示し、6月の答申に盛り込む。参院選への影響を避けるため、政府・与党内の調整は秋以降に本格化し、来年の通常国会に関連法案の提出をめざす。

 酪農家は今も生乳の販売先を選ぶことができる。ただ搾りたての生乳は保存の問題があるため、酪農家のほとんどは農協団体に集荷・販売を委託している。北海道ではホクレン農業協同組合連合会が道内の生乳を集め、乳業メーカーと販売量や価格などの交渉を一括して担っている。

 農協団体は生乳を多く集めれば、乳業メーカーに対して価格交渉力が高まる。国は農協団体に生乳が集まるよう政策として農協団体に出荷した酪農家に補助金を支給。農協団体を通さず直接販売した酪農家には補助金は出ない。生乳の販売の95%は農協団体経由だ。

 見直し案は酪農家が農協団体に生乳を出荷しなくても、補助金を受け取れる仕組みを検討している。補助金は年間約300億円。この仕組みを改めれば、酪農家は乳業メーカーに販売したり、小売店や消費者へのネット販売もしやすくなる。生産者が加工から販売まで手がける6次産業化の動きの後押しにもなる。

 生乳の用途も柔軟に変えられるようになる。今は乳価の高い牛乳用に偏重しているが、酪農家が需要のある用途に高い乳価で売ることも可能になり、牛乳消費の減少やバター不足などに対応しやすくなるとみられる。

 政府は1965年に「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」をつくり、中小酪農家の保護策として地域ごとに10の農協団体を指定した。生乳流通量の半分超は北海道産。北海道の牛乳が全国に流通すれば本州以南の中小酪農家が打撃を受けるため、北海道は生クリームやバターなどを中心とし、本州以南に北海道産の牛乳が流通しにくい管理体制を敷いている。