⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

日本の官民、中国で病院チェーン 10カ所で生活習慣病を治療 三菱商事など参画

2016年04月26日 | 中国関連
日本の官民、中国で病院チェーン
10カ所で生活習慣病を治療 三菱商事など参画
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/4/26 3:30

 政府や医療機器メーカーが連携し、2016年度中に中国で生活習慣病の治療を中心とした病院を開く。北京など10カ所で中規模病院を新設する。中国では糖尿病患者だけで1億人を超えるとみられるが、治療や予防を担う中核拠点が不足している。外資系の高度医療機関の招致を目指す中国政府と、中国を足場にアジア向け医療輸出を増やしたい日本側の狙いが一致した。



 日本企業が主導する病院が中国で本格的にチェーン展開する初のケースとなる。内閣官房が中国当局との交渉を進めており、政府は成長戦略で掲げる「医療の国際展開」の目玉に位置づける。

 医療機器や整水器を手掛ける日本トリムのほか、糖尿病の予防食開発などで三菱商事などの大手企業も参画を検討する。福島県立医大の中山昌明教授など生活習慣病関連の専門医チームが加わる。日本トリムが26日に事業計画を発表する。

 医療チェーンは日本トリムが中国のコンサルタント企業と組んで設立した合弁会社が運営。当初の出資金は3億円超で、日本トリムが40%を出資する。日本の政府系金融機関も融資を検討する。

 来年初めに16億円を投じ、北京市内に200床規模のベッド数を持つ病院を設立する。人工透析用のベッドを50~100床程度備える予定で、1日400人の外来を見込む。透析以外の一般治療も手掛ける。

 5~7年かけて上海や大連など中国国内に9拠点を設ける。各病院では食事指導や患者予備軍の予防も担う。10病院で年間500億円ほどの売り上げを見込む。

 各病院では指導役となる医師や看護師に日本人が就く。政府の健康・医療戦略推進本部や、官民の医療輸出を支援する「メディカル・エクセレンス・ジャパン」が全国の病院と調整し、指導スタッフを送る。

 中国は近年、食事の欧米化などで糖尿病患者が1.4億人、予備軍を含めて2.4億人に達したとの試算がある。生活習慣病の治療網が不十分で、中国政府も外資系を含む民間病院の増設を検討していた。

 人工透析など治療の一部は中国の公的医療保険でカバーできる。栄養指導など保険で賄えない治療も多くなるとみられ、患者は富裕層や中間層が中心となる見通しだ。

 これまで北京市の中日友好病院など、日本政府などの支援で中国に病院をつくるケースはあった。米欧系医療グループの進出も活発だ。今回は政府支援の下、日本企業が連合を組み中国で医療チェーンを展開する点が特徴だ。

 中国だけでなく人口が多いほかのアジア諸国でも、生活習慣病対策のニーズが高まる可能性は高い。政府は外国からの渡航患者を日本の病院で受け入れる「インバウンド」も進め、拡大するアジアの医療需要を取り込みたい考えだ。