2023年7月9日
京都市右京区嵯峨鳥居本
昔、愛宕神社の茶店から始まった鮎料理のお店は、嵯峨鳥居本の伝統的建造物群保存地区の中にある。苔むした茅葺屋根の風情のある店構えで、ほとんどの客室が離れになっている。まず、出されるのが志んこという米粉のお菓子。香ばしい黒糖入りのきな粉でよもぎ、白、ニッキの3種類。素朴でおいしい。このお菓子には一本棒の太い楊子を、食事には二本棒のお箸を。ノンアルの梅酒ロックとソーダ割りを頂く。前菜は山菜尽くし、片葉、わらび、つくしは薄味の佃煮風に長芋にはなめこと蕎麦の実を赤こんにゃくには蕗の薹味噌が添えられていた。鮎料理の店らしく鮎のお刺身、鮎の炭火焼。もうだいぶ大きくなった鮎も炭火で香ばしく焼いてあるので頭からいただけましたよ。時期によって変わる鮎は今は安曇川の鮎とか。鮎のおかゆ、梅干しなどいらないおいしい焼き鮎が入っていました。炊き合わせはお豆腐屋さんのゆり根がごろっと入ったほろうすとスナップエンドウ、冬瓜の煮物。味が薄いのにしっかり味が染みてやわらかでおいしい。鮎の天ぷら、よもぎ麩、とうもろこし、万願寺ししとう。南蛮漬けも玉葱にも鮎のうまみが移っていましたよ。お食事は生姜ご飯とジュンサイの赤だし。フルーツはメロン、パイナップル、こけももかな。お部屋の屏風には「等伯も共に語りし鮎の宿」、等伯も来たんだと感慨深い。