魔女のひとりごと

★ 魔女になろう!

大阪新歌舞伎座-15- 細雪

2015-04-05 | 観劇・ライブ・映画など
4/4(土)の午前中はパソコンに向かって働き、
メンテ“力”UP通信のコラムの校正や、新セミナーの準備。

夫と昼食をとった後、大阪新歌舞伎座へ、
今月は、谷崎潤一郎原作の「細雪」の観劇
         ↓
 

文学は全く好きでない私は、細雪を読んだことはないし、

あらすじなどを読んだり聞いたことはあったが
「読んでみたい」と思いもしなかった。

また、岸恵子・佐久間良子・吉永小百合・古手川祐子の四姉妹で
映画化されているのを、テレビで途中から見たこともあったが、
「面白い」とも「初めから見たかった」とも思わなかった。

私とは別世界の金持ちの話。
そこから何の感激も得られなければ、共感することもない。
「細雪」にはそんなイメージしかなかった。

しかし、賀来千香子・水野真紀さんは
私が大好きな女優さんなので、その二人を見たいために、
いくつかある公演の中から細雪を選んだ。
             ↓


「戦前~戦時中に、こんな優雅な暮らしをしていた人達が
いたんやな~」と思いつつ見始めたのだが、
すぐに女優さん達の演技の素晴らしさに、引きずり込まれてしまった。

賀来千香子・水野真紀さんは予想通り、期待通りだったが、
それ以上に驚いたのは、長女鶴子役の高橋惠子さん。

こんな素晴らしい女優さんが、今の日本にいたということを
「初めて知った」と思った。

私は映画やテレビドラマなどあまり見ないので、
高橋惠子という名を全く知らなかった。

しかし、プログラムを読んで旧姓は
「関根惠子」という芸名だったことを読んで
「それなら聞いたことがある名前のような気がする」
と思ったくらい。
              ↓
  

どんな女優さんなんだろうと、家でネットで調べたらこれが出てきて
読んでみたら、少しばかり分かった気がした。

自殺するつもりで外国に逃避行中、
屋台で店員が食べ物を丁寧に焼いている姿を見た時に、
「私にないのはこれだ」
「人が見ていようと見ていまいと本当に真心を込めて
何かをすることが、私にはないんじゃないか」と痛感した。

と語られているが、わずか24歳で、
死の淵から這い上がって来た人は違うと思った。

これまで鶴子を演じてきたのは、
淡島千景・佐久間良子・大空真弓という
誰もが知っている大女優。

私が全く知らなかった高橋惠子さんという女優さんも
この人たちに並ぶ、いや、勝るとも劣らない大女優さんなのだと、
私が初めて認識した日となった。

それにしても、四女役の大和悠河さん。
宝塚歌劇団の宙組男役トップだったそうで、
これまでも新歌舞伎座でいろんな役をされているを観た。

しかし、S字状彎曲の弱い脊柱で、胸板が薄く、
長い脚の体では、着物は似合わないし、
日本舞踊を踊る姿も不安定。

日本の国民病が結核とされていた時代
大和さんのような体型は「TB(テーベー=結核)体型」と言われていたと。

つまり「結核にかかって二十歳になるくらいまでに
亡くなってしまう人は、こんな体型の人が多かった」
と先輩看護婦さん達から聞いた。

細雪の時代、大和さんのような体型の女性は
二十歳になるまでは、育たなかった可能性が高いと思う。

もっとふさわししい女優さんはいなかったんやろか?
せっかく三人の演技が素晴らしかっただけに…、残念だった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿