2022.5.13発行
セミナーで変化した
“子どもとの向き合い方” と “助産師魂”
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今の 助産師 T からのご挨拶
2023年2月に第2子を出産
今は2人の育児に奮闘中です。
第一子も比較的育てやすいと感じていましたが
“まるまる育児” のおかげで
「よく寝てよく飲みよく遊び」で
それ以上に育てやすさを感じております。
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【はじめに】
神奈川県の県立病院で助産師として働いているTです。
北海道で生まれ育ち、看護学校を卒業した後
地元の総合病院に就職し、循環器内科
NICU・GCU病棟で看護師として働きました。
NICUで働く中で、母体が原因での早産や
低出生体重児を看ているうちに
「妊娠期からのケアで、早産や
低出生体重児を減らしたい」
と考えるようになり、1年休職して
助産学を学び、助産師資格を取得。
グリーフケアなどにも興味があり
現在の病院に転職のため
北海道から神奈川県に移りました。
その後、結婚し今は2歳の息子を育てる
母となっていますが、子育てを本心から
「楽しい」と言えるようになったのはごく最近。
ここまで来るにはたくさんの葛藤がありました。
【骨盤ケアとの出会い】
私は今まで大きな病気にかかったこともなく
健康には自信がありました。
母は43歳で3,600gの私を産んだため
「私も大丈夫」と
出産や骨盤に自信がありました。
予定通りにスンナリと妊娠し
つわりも落ち着いてきたある朝
何気なくお腹を触るとお腹がカチカチ。
「これは何? 子宮? えっ、今は何週だったっけ?
妊娠16週! こんなに早い週数から
こんなにカチカチに張るの?! 出血は?」
とパニックに。
病院を受診すると切迫流産と診断され
内服管理+自宅安静となりました。
お腹は張るものの、頸管長は問題なく
「自分の体で何が起こっているのだろう
なぜお腹がこんなに張るのだろうか」
と調べていくうちに
たどり着いたのが「みひかるサロン」の
トコちゃんベルト・骨盤ケア教室でした。
当時の私は、「トコちゃんベルト」については
北海道で働いていた病院の売店で
取り扱っていましたが、見たことがある程度。
そして骨盤ベルトは
「産後に着けるもの」という認識でした。
ところが池田匠美先生から
お腹の張りが及ぼす胎児への影響
などについて聞くうちに
「張りは胎児からのヘルプサインなんだ」
と気づき、妊娠期から骨盤を整えることの重要性を感じ
「ノンキに安静にしているだけではいけないんだ」
と目を覚まされました。
それまでは「自宅安静」という大義名分のもと
ただただ安静にしていた妊娠生活が一転
骨盤を整えながら、お腹の状況を見ながら
運動を積極的に行う生活に変わりました。
そのおかげか、39週5日まで
お腹が張る以外のトラブルはなく、妊娠継続でき
スムーズに息子を産むことができました。
【“まるまる育児” との出会い】
みひかるサロンで骨盤ケアを習い
その後、“まるまる育児” についても習いました。
NICUで働いていた頃の、児の「ポジショニング」と
“まるまる育児” の「Cカーブ」が繋がり
「我が子には運動を楽しめる体になってもらいたい」
と思い、そのための体作りとして
“まるまる育児” を取り入れようと考えました。
ところが、実際にやってみると
なかなか上手くいかず困惑の日々…。
嫌がる息子と格闘しながら、何とか “おひなまき”をし
スリングで抱っこして、やっとの思いで寝かしつけ…。
泣いて嫌がる息子を “おひなまき” にするときは
特につらく感じました。
しかし、“おひなまき” にくるまれて
スリングでゆらゆらしていると
徐々に息子の体の力が抜け
手足の血色が良くなり
気持ち良さそうな寝顔を見て
穏やかな寝息を聞くと
「やっぱり“まるまる育児”は必要」と感じました。
何より
「本人の持っている身体能力の可能性を
最大限に発揮できるように育てたい。
そのために体を整えてあげたい」という思いが
私を必死にさせていたと思います。
なかなか思うように “まるまる育児” ができなくて
困っていた私は、知識を深めることが必要だと思い
トコ企画の新生児ケアセミナー
発達応援セミナーを受講しました。
そこでは衝撃の連続!
1番の衝撃は
今まで私が必死になってやっていたのは
「まるめる育児」だったということ。
それに気づいたとき
息子に対し申し訳なくなりました。
「正しく理解していたら、もっと
“まるまる育児” を楽しめたのに…
息子の発達をもっと楽しみながら見守れたのに…
もっと笑顔で息子と過ごせたのに…。
私、必死になりすぎだったな」
と自分の育児を振り返り
「もっと早くここに来るべきだった」と思いました。
発達応援セミナーの帰り道、夫へそう伝えると
「気がついたんだね。そんなに頑張らなくても
いいんじゃないかと心配して、あの頃に
『やめたら?』って言ったら
すごく怒っていたよね」と言われたのです。
それまでは
「こんなに頑張っているのに
なんで理解してくれないんだ!」
と思っていましたが、あの時の
「やめたら?」という言葉は
私と息子のことを想っての言葉だったんだと
受け止めることができ
素直に謝ることができました。
こうして私は、“まるまる育児” を実践している人
これから始めようと思っている人に
私と同じような気持ちになってもらいたくないと思い
しっかり学んで伝えられる人になろうと決意したのです。
【セミナーで学んだ “子どもとの向き合い方” 】
セミナーではもう一つ、大きな学びがありました。
それは “子どもとの向き合い方”。
小林いづみ先生は、おむつ交換一つにしても
子どもに「どっちに横向く?」
などの声をかけ、どんな時も
子どもの反応を見ながらされていたのです。
それまでの私は
「おむつ変えようね~」から始め
「たくさん出たね~」と言いながら
お尻拭き、おむつを変え
「子どもの反応を見ながら
コミュニケーションをとりながらできている」
と思っていました。
子どもがどう動きたいかなどは
考えたことはありませんでした。
いづみ先生がひとつ一つの動作で
赤ちゃんの反応を見て
声かけされる姿を目の当たりにして
「子ども達は、どんなに心地いいだろう」と感動。
これは「“まるまる育児” を実践する時だけではなく
子育てのあらゆる場面で活用できる!」
と感じ、子どもをよく観察すること
一人の人として接することを心がけようと
気持ちを新たにしました。
そこからの私は、息子への向き合い方が
少しずつ変わっていきました。まずは
「何がしたいのかな、何を訴えているのかな?
何を見ているのかな?」と息子を観察。
そして、同じ目線で感じたことを伝え、反応を見て
それを繰り返していくうちに、以前よりも
「息子とコミュニケーションが少しずつ
取れるようになったな」と感じるようになりました。
実を言うと、私は息子が1歳半を過ぎる頃まで
心から育児を楽しめていませんでした。
可愛くて癒される時があっても
「ちゃんと育てなきゃ」という漠然とした思いから
「~しなきゃ」に囚われ
思い通りにいかない時にストレスを感じていました。
しかし、“まるまる育児” で得た子どもとの向き合い方から
「子どもを見ていれば自ずと必要なことがわかってくる。
育児は『観察から始まり、観察に終わる』看護と一緒だ」
と思うようになってから、気持ちが楽になりました。
もともとイヤイヤ期が強くなかった息子ですが
「観察」と「子どもの目線で見る」を心がけてからは
イヤイヤがさらに減りました。
そして
「イヤイヤ期に入る前の息子は嫌と感じられなかったことを
今は嫌と感じられるようになり、それを主張することが
できるようになったんだ。成長したんだ」
と捉えられるようになったのです。
おかげで、私は最近以前よりも増して
息子と笑顔で過ごす時間が増え
家の中が明るくなりました。
【学びを深めることで思い出した私の初心】
まるまる育児の学びを深めていくうちに
我が子に “まるまる育児” を実践するためには
「自分の体も整えないとできない」
と感じるようになりました。
実際に育児をしている中で、体がつらくて
思うように抱っこができない、寝床に下ろせない
抱き上げられないと感じることが多々ありました。
頭ではわかっているけど
体が思うように使えないと感じ
できない自分に悲しくなる時もありました。
そして徐々に体がつらくなってくると
子育てもしんどく感じることもありました。
自分の体を整えるために、きちんと学ぼうと思い
参加したメンテ“力”upセミナー。
ここでもまた全てが衝撃でした。
お産がうまく進まない理由
切迫早産が多い理由
出血量が多くなっていること
血圧が上がる人が増えたこと
そんなにリスクのない人たちが難産になる
そして産後の回復もうまくいかず
授乳や育児が思うように進まない
現場で感じていた疑問、全ての負の連鎖が繋がり
助産師にとって骨盤ケアは
必須項目であると強く感じました。
自分の体のために参加したはずの
メンテ“力”upセミナーでしたが
信子先生の話を聞いているうちに
いつの間にか助産師としての自分に火がついていました。
これは、その後のセミナーでも毎回
日々の忙しさで忘れそうになっていた “助産師魂” を
奮い立たされる気持ちになります。
私が助産師になった動機は
「切迫早産や妊娠高血圧の妊婦さんを減らしたい。
早産や難産にならないよう
何かできることはないのか学びたい」でした。
実際に働き始めると思っていた以上に
正常なお産が少なく、難産ばかり。
「私一人では何もできない。この先お産は
どうなってしまうのだろう」
との諦めと、今後の産科医療に対する
不安しかありませんでした。
しかし、「骨盤ケア」に出会い
「できることがある! 諦めなくていいんだ」
とわかり、希望の光を感じました。
今後の私は、今までの学びを生かし
これからも学び続け
「胎児期からの健やかな子育て」
「産む・育てる」を支える助産師として
病院の中でも地域でもアウトプットしながら
成長していきたいと思っています。
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