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グレン・クローズという女優さんは、自分のように、80年代にたくさんの映画を見た者にとっては、
とても、強烈な印象を残している俳優さんで、『ガープの世界』や『ナチュラル』での役のような、
強く優しい女性を演じたかと思えば、一世を風靡した『危険な情事』では、それらとは180度違う、
哀れで恐ろしい女を演じて、観る者の度肝を抜き、驚かせてくれました。
未だ、何度もノミネートされながら、オスカー無冠なのが残念な限りですが、
そんな彼女が、久々にオスカー候補となったのが本作で、
メリル・ストリープに敗れ、受賞こそ逃したものの、また新たな彼女の演技の幅を堪能できる作品でありました。
女がひとりで生きていくのは難しい時代、あることをきっかけに、
「男」として生きていくことを決意した女性の話なのですが、
また、ある事件が起きて、その決意に揺らぎが生じてしまいます。
そのあたりの動揺を演じ分けているのが、本当に巧いなぁと感心することしきり。
ラスト、グレンが演じた「アルバート氏」の人生が、哀れなものと捉えるか否かは、
見る人の現在置かれた状況によって、変わってくるかなぁ?なんて思いました。
http://albert-movie.com/
『アルバート氏の人生』日本公式サイト
http://albertnobbs-themovie.com/#
"Albert Nobbs"US Pfficial Site