東日本大震災13年
あの日を忘れることができない。散歩から家に戻るとカミサンがテレビを見て恐怖で震えていた。気仙沼に大津波が押し寄せ、家も人も流され、火災も発生していた。
2011年3月11日 午後2時46分 三陸沖で巨大地震が起きた。津波がマチを襲たのは3時過ぎと思う。あれから13年たった。
NHKのテレビを見ていると岸田文雄首相が福島県主催の追悼式に出席し犠牲者への祈りをささげていた。
インフラの復旧は進んだが東京電力福島第1原発事故の影響で福島県には7市町村で今でも一部に立ち入り禁止、帰還困難区域が残っている。
避難生活での体調悪化などによる震災関連死は年々増え3802人に上る。警視庁報道によると今も29328人避難を余儀なくされている。
福島第1原発ではたまり続ける処理水の海洋放出が昨年8月に始まった。半年たったが、林立するタンクが原発の敷地を埋める光景は変わらない。
最難関とされる核燃料を取り出す作業が先送りになって一向に進む気配はない。それでも岸田政権は十分な議論もなく原発回帰を進めている。
多くの国民が不安を抱いたままなし崩しの原発再稼働に進むことは許されない。福島事故を経験して目指すはずだった脱原発へ再び築き直す機会としたい。
福島第1原発では先月放射性物質を含む約1.5トンの水が建屋から漏れた。閉めておくべき16か所のうち10か所の弁が人為的ミスで開いていた。
この一年間に処理水の放出が進む一方でミスやトラブルが頻発している。作業員が放射性物質を含む廃液を浴びる事故もあった。
「核のごみデブり一つを持て余す 札幌・渡辺寿永」と川柳が新聞に載っていた。ミスやトラブルが絶えない東電は原発を安全に運営できるのか疑念がぬぐえない。
昨年の原発処理水の海洋放出に反発する中国、韓国など7カ国が輸入規制を続けている。とくに中国は日本産水産物の輸入を全面的に停止している。
日本政府はこれまで日本産食品は科学的な根拠に基ずく安全性を証明されているとして規制撤廃を求めているがいるが交渉は難航している。
「災害はいつどこで起きるかっわからない」あの日から今日で13年二度と悲劇が繰り返さないため重い教訓を胸に鎮魂の一日にしたい。