知床遊覧船遭難
知床遊覧船
知床観光船が遭難して今日で一週間になる。まだ多くの人が行方不明になっているが、「知床遊覧船」の桂田精一社長が記者会見した。
当日の朝、強風と波浪注意報が出ていたのになぜ出航したのかとの記者の質問に「船長と相談して海が荒れれば引き返すとの条件付きで出航を決めた」という。条件付きということは、何かがあると船長に任せるということである。
その後、この判断は間違っていたと述べたが、観光船運営責任者としてのずさんな経営実態と、安全軽視が浮き彫りになった。
斎藤国交大臣は「海が荒れたときは引き返すという条件付き運航はあり得ないとし、出航の可否の判断は数字を明記した管理規定があり、国交省はその徹底を常に指導している」と述べた。
また、陸との連絡手段の命綱に等しい無線のアンテナの故障を把握し携帯電話があるからと出航させた。人命を預かる自覚を欠いて利益優先といわざるを得ない。
今回遭難した船は昨年2度も事故を起こしている。国は行政指導をしたというが、国の指導や監督が行き届いていたかどうか、指導の在り方にも疑問を感じている。
人生には「まさか」がある。楽しみにしていた旅先でこんな事故に遭うとは想像もしなかったに違いない。連休で人出が多くなる。事業者は安全優先を肝に銘じてもらいたい。