国民の政治不信が強まる
~「現行不一致」逆風さらに~
2日間にわたった衆院政治倫理審査会、裏金作りが何時、誰が、何の目的で初めどのように継続し、何に使ったかは解明されないまま終った。
1日目のおとといは、岸田首相と二階派の武田前総務相、2日目のきのうは安倍派の西村、松野、塩谷、高木の幹部4人が出席してそれぞれが弁明し質疑を行った。
裏金事件の主舞台となった安倍派の幹部4人は国民の政治不信を招いたことには「心よりおわび申し上げる」と口をそろえて謝罪した。
しかし、肝心の裏金について、「帳簿、通帳、収支報告書など見たことがない」(西村前経産相)「関与していない」「知らない」と、それぞれ3人とも否定した。
おとといの二階派の武田前総務相も派閥の政治資金収支報告書について元会計責任者から説明を受けたことはないと虚偽記載など全く知らなかった言っている。
2022年、安倍元首相の意向で還流取りやめが決まったが、安倍氏の死去後に方針が撤回されている。政倫審では、協議の内容やその経緯に質問が集中した。
しかし、それぞれ安倍派幹部の4人は、口裏を合わせたように協議の内容について明言を避けたり、不明瞭な答弁で真相解明には至らなかった。
政倫審は、議員が国民の信頼を回復する貴重な機会であるが、裏金「知らない」と責任逃れの発言が目立ち、国民にとっては納得いかず益々政治不信が強くなった。