許されない対話なき決定 !
NHKテレビより
よく東京電力福島第一原発の敷地を埋め尽くしている大量の処理水タンクをテレビで見ながら一体いつどうするのだろうと気になっていた。
その、たまり続けていた処理水を菅義偉政権は13日、関係閣僚会議で、もはやこれ以上先送りできないと海へ放出するという重大な決断を下した。
国の放出基準の40分の1未満に薄め、2年後に放出というが、処理水にはトリチュウムが残る。デブリ除去作業と並行して最長30年~40年続くという。
処理水は国際基準の7分の1だと科学的な安全性を強調するが、この海洋放出には、福島の地元漁業者は漁業への影響や風評被害への不安を募らせる。
福島漁連会長野崎哲さんは「我々との間に結んだ関係者の理解なしに放出しない」という約束を順守していただけるものと信じていたと訴えた。
福島県新地町の漁業者で小野春雄さんは誰一人納得していないのに総理大臣の一言で漁業者との対話もしないで決定したというのはおかしいと怒る。
全漁連の岸会長は到底容認できるものではないと抗議声明を発表し、全国の漁業者が安心して漁業を継続できる方策を明確に示すことを改めて求める。
東京電力の小早川智明社長は今回の決定の方針に従って主体性をもって適切に取り組んでいく。最大限風評被害抑制すべくしっかり取り組む姿勢をアピールした。
ただ、東電は本当に安全な水を流せるのか?。福島第一原発で地震計の故障を放置、柏崎刈羽原発のテロ対策の不備があった問題など不祥事続きで信頼がない。
こうした無責任な体質が、地元をはじめ国内外から反対や懸念の声が上がる。政府や東京電力は約束を間違いなく果たせるか厳しく問われることになる。
福島第一原発事故の処理費用がふくらんでいる。16年の国の試算では21・5兆円で13年時点の約2倍に増えた。
◎ 事故処理費用総額21.5兆円
▽ 廃炉 8兆円
処理水の海洋放出にかかる費用は未定
▽ 賠償 7.9兆円
風評被害の賠償が増えるリスクもある
▽ 除染 4兆円
▽ 中間貯蔵 1.6兆円
このうち東電は廃炉の全額、賠償の半額など計16兆円を負担する。
東電は利用者の電気料金をもとに負担分を支払っていく。賠償費用の一部は送電線使用料に上乗せされ北海道から九州まで各地の利用者が支払う。
◎ 処理水は受益者負担で東京湾へ・・・。