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先日入手の貴重資料「福岡市街案内地図」は、大正7年の工業博覧会時に博軌電車(博多電気軌道、のち九州水力電気)が発行したものです。
メインスポンサーは創業者・渡辺與八郎氏の紙與呉服店です。
地図面からも様々な情報が読み取れますが、広告面のラインナップも素晴らしい!
今も盛業中の東雲堂(にわかせんぺい)をはじめ、パンの三好屋、磯野金物店、松屋呉服店、丸善博多店etc…。三好屋は九州で最初のパン屋さん。
この時代の博軌電車の責任者は、すでに村上巧児(西日本鉄道合併時の社長、井筒屋やいとうづゆうえん、西鉄ライオンズ産みの親)でしょうか。のちに「電力の鬼」と呼ばれる松永安左エ門との電力供給バトルを福岡で繰り広げていた頃です。
当然、この市街図は村上が運営する博軌電車の路線が太く赤く記され、松永らの運営する福博軌道(九州電灯鉄道)線は細く記されています。両者が統合し福博電車(西鉄福岡市内線の前身)となるのは、松永が福岡を離れた昭和に入ってからです。
工業博覧会は西公園下と洲崎裏町の2つの会場を遊覧船で繋いだことを知っていましたが、地図には運行航路もきちんと記されています。他資料と照らし合せて色々活用できそう…。