記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

幻の「福岡炭鉱」を知るための記念絵葉書セット

2021年02月14日 23時27分47秒 | 福博まちの記憶

先日ずっと探していた「福岡炭坑」本社竣工記念の絵葉書セットを入手しました。現在、福岡市西区にある「小戸公園」一帯にあった炭坑です。

1914(大正3)年創業の福岡炭鉱(小戸坑)は、木屋瀬・鞍手等福岡県内の小さな炭坑を束ねたグループだったようですが、資料が少なく「産業遺産巡礼」などの著者・市原猛志さんによれば「謎多し」とのこと。

福岡炭坑といえば、早良鉱業(姪浜炭坑、現・サワライズ)の前身会社のひとつですね。早良鉱業時代は小戸坑(第1・第2)となって閉山を迎えます。絵葉書には第3坑もあり、小戸港の桟橋の写真も載っています。

ちなみに、撮影印行は「九州写真通信社」とあるので、大崎周水堂(博多・土居町)の初代が天神町で経営していた九州初の報道写真通信社の制作。1914(大正3)年の桜島大噴火をはじめ、柳原白蓮の離婚調停など、大正期の九州の大ニュースをスクープし写真配信した通信社(初代・大崎周水氏は日本初のスクープカメラマン)で、天神町(現在、天神ビッグバンで第1号再開発が進む天神ビジネスセンタービル付近)にあったそうです。

この絵葉書セット最大の「発見」は、福岡炭鉱の本社ビルがのち「福博電車」「西日本鉄道の初代本社」となる煉瓦造りのビルであること。福岡市早良区西新にあった本社ビル、現在はドンキが入居する紙与産業のビルがある場所です。「西日本鉄道百年史」の編纂事務長を務め、鉄道史やブラタモリ案内人でも知られる吉富実さんによると、西鉄の古い社内報には建物について記述があったものの、裏取りの正確な資料が見つからなかったため、百年史にも載せなかった情報とのこと。

本格的な解読はこれから、調べ甲斐があります^_^。

 

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