~ジェイン・エア~
私は起きて、念を入れて身支度をした。余儀なく質素にしていたものの~
というのも私の服はみな質素なものばかりだったので~本来私はきれいに
なりたいと思うたちだった。外見に無頓着であったり、人に与える印象に無関心
だったりするのは、元来の私ではなかった。そればかりか、できるだけよく見ら
れたい、でるかぎりきれいになりたいとさえ考えていた。これ以上美しくなれない
のを、私はときどき情けなくく思った。ばら色の頬に形のいい鼻、小さなさくらん
ぼのような口であればどんなにいいことか~背が高く、堂々としていて、均整の
取れた見事な格好であればどんなにいいことか。貧弱で、青白い顔をしていて、
どこかまとまりのない、特徴のある顔をしているのを不遇だと私は考えていた。
~しかし、髪をきれいにとき、体にぴったり合うことだけがせめてもの救いである、
クェーカー教徒のもののような黒い服を着て、清潔なレースのえり飾りをつけた
とき、これならフェアファックス夫人の前に出ても恥ずかしくはないだろう、私の
新しい教え子も少なくとも私に反感を持って寄り付かないようなことはないだろう
と思った。私は部屋の窓を開け放し、化粧台の上のものをきちんと整理したの
を見届けてから、勇気を出して外に出た。
ブロンテ「ジェイン・エア」
「ジェイン・エア」は、イギリスの女流作家シャーロット・ブロンテの作品です。
私が中学生になって、初めて読んだ大人の小説でした
孤児ジェインが、つつましく誠実に、そして誇りを失わずに愛を貫いて、
最後には幸福を手にする、品行方正な良いお話です
世界文学全集の最初に読む本としては、最適の作品でしょう
(前回のボヴァリー夫人とは違って・・・)
上の文章は、ジェインがお金持ちの家に家庭教師として就職した、
最初の日の様子です。質素で地味で控え目で、容姿に自信のない
ジェインですが、レースの襟飾りをつけた清楚な装いの自分の姿に
ちょっぴりはげまされ、勇気を出して、お屋敷の人達のもとへ
降りて行くのでした
「ジェイン・エア」は19世紀のお話ですが、この時代、レースの襟飾りは
宝石のアクセサリー以上に重要なファッションアイテムでした
手の込んだ豪華なレースは、宝石以上に高価で大切にされていたようです。
貧しいジェインにとって、このレースの襟飾りは自分の持っているものの中で、
唯一きれいな、勝負アクセサリーだったのかもしれませんね
写真は「ボビンレース」の襟飾りで、恥ずかしながらマリーの母が作った
ものです
文学少女だったマリーの母もヨーロッパに憧れて、美しいレース
に憧れて、(顔に似合わず)50歳くらいになってからボビンレースを
習いはじめました。とても繊細で手の込んだものです。
母の作ったものなので、あまり目が揃っていませんが目をつぶってくださいね
母も、カーディガンに自分の作った襟飾りをつけて、よそ行きに着ているようです
まあ、母のことなのでレースをつけたからって、即、優雅な奥様になったりは
しないのですが・・・それでも、普段のジーパン姿よりは品良く見えるかな?
昔は王侯貴族のものだった、優雅で繊細なレース飾り
飾っておくだけでも素敵です
でも、母は最近旅行やスポーツに遊び歩いて、ボビンレースはお休み中
なんですよね~冬になったら始めるわよって言ってるけど、
やるんでしょうか?
私は起きて、念を入れて身支度をした。余儀なく質素にしていたものの~
というのも私の服はみな質素なものばかりだったので~本来私はきれいに
なりたいと思うたちだった。外見に無頓着であったり、人に与える印象に無関心
だったりするのは、元来の私ではなかった。そればかりか、できるだけよく見ら
れたい、でるかぎりきれいになりたいとさえ考えていた。これ以上美しくなれない
のを、私はときどき情けなくく思った。ばら色の頬に形のいい鼻、小さなさくらん
ぼのような口であればどんなにいいことか~背が高く、堂々としていて、均整の
取れた見事な格好であればどんなにいいことか。貧弱で、青白い顔をしていて、
どこかまとまりのない、特徴のある顔をしているのを不遇だと私は考えていた。
~しかし、髪をきれいにとき、体にぴったり合うことだけがせめてもの救いである、
クェーカー教徒のもののような黒い服を着て、清潔なレースのえり飾りをつけた
とき、これならフェアファックス夫人の前に出ても恥ずかしくはないだろう、私の
新しい教え子も少なくとも私に反感を持って寄り付かないようなことはないだろう
と思った。私は部屋の窓を開け放し、化粧台の上のものをきちんと整理したの
を見届けてから、勇気を出して外に出た。
ブロンテ「ジェイン・エア」
「ジェイン・エア」は、イギリスの女流作家シャーロット・ブロンテの作品です。
私が中学生になって、初めて読んだ大人の小説でした
孤児ジェインが、つつましく誠実に、そして誇りを失わずに愛を貫いて、
最後には幸福を手にする、品行方正な良いお話です
世界文学全集の最初に読む本としては、最適の作品でしょう
(前回のボヴァリー夫人とは違って・・・)
上の文章は、ジェインがお金持ちの家に家庭教師として就職した、
最初の日の様子です。質素で地味で控え目で、容姿に自信のない
ジェインですが、レースの襟飾りをつけた清楚な装いの自分の姿に
ちょっぴりはげまされ、勇気を出して、お屋敷の人達のもとへ
降りて行くのでした
「ジェイン・エア」は19世紀のお話ですが、この時代、レースの襟飾りは
宝石のアクセサリー以上に重要なファッションアイテムでした
手の込んだ豪華なレースは、宝石以上に高価で大切にされていたようです。
貧しいジェインにとって、このレースの襟飾りは自分の持っているものの中で、
唯一きれいな、勝負アクセサリーだったのかもしれませんね
写真は「ボビンレース」の襟飾りで、恥ずかしながらマリーの母が作った
ものです
文学少女だったマリーの母もヨーロッパに憧れて、美しいレース
に憧れて、(顔に似合わず)50歳くらいになってからボビンレースを
習いはじめました。とても繊細で手の込んだものです。
母の作ったものなので、あまり目が揃っていませんが目をつぶってくださいね
母も、カーディガンに自分の作った襟飾りをつけて、よそ行きに着ているようです
まあ、母のことなのでレースをつけたからって、即、優雅な奥様になったりは
しないのですが・・・それでも、普段のジーパン姿よりは品良く見えるかな?
昔は王侯貴族のものだった、優雅で繊細なレース飾り
飾っておくだけでも素敵です
でも、母は最近旅行やスポーツに遊び歩いて、ボビンレースはお休み中
なんですよね~冬になったら始めるわよって言ってるけど、
やるんでしょうか?
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