ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

元名ダム

2024-02-06 08:00:00 | 千葉県
2016年1月21日 元名ダム
2024年1月26日

元名ダムは千葉県安房郡鋸南町元名の小磯川水系小磯川にある鋸南町建設水道課が管理する上水道用水目的のロックフィルダムです。
千葉県内では唯一のロックフィルダムとなります。
鋸南町の水道事業は1962年(昭和37年)の鋸山ダムと鋸南町浄水場の完成とともに給水が開始され、水道普及地域の拡大や観光客の増加に対応するため4次にわたる拡張が実施されました。
元名ダムは1975年(昭和40年)に着手された第3次拡張事業の中核施設として1979年(昭和54年)に竣工、翌年より運用が開始されここで取水された水は鋸南町浄水場を経由して町内各所に給水されています。

かつては天端への立ち入りができた時期もあったようですが、今は完全に立ち入りが禁止され2016年(平成28年)1月の初訪時は左岸を通る道路から遠望するにとどまりました。
2024年(令和6年)1月の再訪時は事前に鋸南町に見学申請を行い、建設水道課職員様の案内で見学が叶いました。
1枚目写真が初訪時、あとはすべて再訪時の写真です。
  
国道127号から日本寺方面に向かい、日本寺への道を左手に分けそのまま進むと元名ダム左岸に到着します。
千葉県唯一のロックフィルダムですが、リップラップには草木が繁茂しロックかアースか見分けがつきません。
(2016年1月21日)

 
天端の入り口。
チェーンが掛けられ立入りが制限されています。

 
天端からは東京湾越しに伊豆半島まで遠望できます。
正面は天城山系。

 
天端中央の竣工記念碑。

 
総貯水容量7万7000立米の小さな貯水池。
少雨のため貯水率は40%台。
正面に斜樋があります。

 
斜樋をズームアップ。

 
右岸の円形越流式洪水吐。

 
水位が低いので貯水池内まで下りられます。
ロックフィルなので当然上流面もロック材。


天端に戻りダム下へと降下します。
堤高28.2メートル
登山のガレた岩場下りのよう。


右岸の洪水吐斜水路。
右手は堤体になりますが、樹木が灌木程度まで成長。
ダムの構造に影響はないんでしょうか?

 
減勢工そばの放流口
ダムのある河川では維持放流の義務はなく水位低下用の放流口になりますが、最近は使ってないとのこと。

 
左岸湖岸の斜樋と水位計
ピアノ線のようなものが水位計で、その右手にシャフトがあります。

 
斜樋から洪水吐を遠望
水位が低いのがよくわかります
越流した水はいったん隧道を経て3枚上の写真の斜水路を流下します。

 
元名ダム見学の詳細は鋸山ダム・元名ダム 見学』をご覧ください。

昨今の人口減少、水道施設の老朽化等に対処するために2015年(平成27年)に千葉県が示した「県内水道の統合・広域化の進め方(取組方針)」に従い、安房地区の鋸南町・三芳水道事業団・南房総市・鴨川市各水道事業者の事業統合に向けた調整が進められており、早晩事業の統合が実施される見込みです。
 
0687 元名ダム(0197)
千葉県安房郡鋸南町本名
小磯川水系小磯川
28.2メートル
69メートル
77千㎥/76千㎥
鋸南町建設水道課
1979年


2 コメント

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Unknown (tibineko)
2024-02-06 15:03:53
マンホール収集で鋸南町にも行きましたが、記憶に在るのはマンホールと「見返り美人」だけ。
東京湾越しに伊豆半島が見える景色なんて
想像もしませんでした。
こんなに何もかも「碧く」綺麗に見えるんですね。
私が見た据南町の海辺の景色って夕日が沈む東京湾と浮島。
「源頼朝上陸地」の碑だけで、竜島が何処に在るのかも不明😅
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tibinekoさま (まっち)
2024-02-06 20:08:06
鋸南町といえばやはり頼朝。
当地では早咲きの河津桜は頼朝桜と呼ばれています。
同じ町内にある農業用の佐久間ダムは年末の水仙から始まり頼朝桜、梅、モモ、ソメイヨシノと花のダムとして知られています。
ブログにもアップしているのでよかったらご覧ください。
https://blog.goo.ne.jp/match1128/e/56e270ae67763714e55f8a19247f24c8
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