ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

旭ダム

2024-09-27 20:00:00 | 福島県
2016年4月24日 旭ダム
2017年6月25日
2024年7月29日
 
旭ダムは福島県南会津郡下郷町豊成の一級河川阿賀野川(福島県内では阿賀川)本流にある(株)レゾナック(旧昭和電工)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
同社の前身である日本電気工業が喜多方でアルミニウム精錬工場を操業するにあたり、精錬に必要な電力を供給するために1935年(昭和10年)に建設されました。
ここで取水された水は湯野上発電所に送られ最大7200キロワットのダム水路式発電を行います。
軍事物資であったアルミニウム精錬工場向け電源であったためか?配電統制令による接収を免れ、戦中戦後も昭和電工が管理運営して現在に至っています。
旭ダムには2016年(平成28年)4月、2017年(平成29年)6月、2024年(令和6年)7月の3度訪問しました。
掲載写真には撮影日時を記載しています。
 
ダムは下郷町中心部にあり、ダムの下流に架かる国道289号線旭橋からダムを見ることができます。
ただゲートは7門ですが下流が狭く橋からは3門なし4門しか見ることができません。
(2024年7月29日)

 
ズームアップ
1門から河川維持放流中。
向かって左(右岸側)の階段状の遺構は魚道跡です。
(2017年6月25日)

 
魚道跡をズームアップ。
(2016年4月24日)

 
管理事務所のある右岸ダムサイトに移動
ここからは全門見渡せます。
(2024年7月29日)

 
1935年(昭和10年)当時のラジアルゲートがそのまま残り、現役最古のラジアルゲートとされています。
鉄骨トラス製の3本アームが特徴的。
(2024年7月29日)

 
ズームアップ。
(2017年6月25日)

 
こちらは上流から見た魚道跡。
(2016年4月24日)

 
天端
除塵機用と思しきレールが見えます。
豪雪地帯ですが、巻上げ機は被覆されていません。
(2024年7月29日)

 
一番手前側はかつて魚道が設けられていたと思われ、作りが異なります。
(2017年6月25日)


上流からゲートをズームアップ。
(2017年6月25日)

 
かつての管理棟
現在は新しい鉄筋コンクリート建屋に刷新されました。
(2016年4月24日)

 
さらに引いた場所から見た上流面。
(2024年7月29日)

 
水利使用標識。
かつての昭和電工は日立化成を統合しレゾナックに社名を変更。
バリバリの化学・軽金属メーカーから半導体関連企業に業態が変貌しています。
(2024年7月29日)

 
全国的には数少ない一般事業会社が所有する発電ダムの一つ。
小ぶりなダムですが、現役最古のラジアルゲートという大きな勲章を持っています。
 
0469 旭ダム(0329)
福島県南会津郡下郷町豊成
阿賀野川水系阿賀川
16.1メートル
84メートル
1437千㎥/455千㎥
(株)レゾナック
1935年
◎治水協定が締結されたダム


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