2021年9月20日 島ノ瀬ダム
島ノ瀬ダムは和歌山県日高郡みなべ町東神野川の二級河川南部川本流にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農水省による国営南紀用水農業水利事業の灌漑用水源として1991年(平成3年)に竣工し、運用開始後は南紀用水土地改良区が管理を受託しています。
みなべ町・田辺市の樹園地及び水田合わせて約1800ヘクタールの農地に灌漑用水及び防除用水を供給しており、南高梅で知られ生産高日本一を誇る梅栽培を支えています。
また2012年(平成24年)には利水放流を活用した島ノ瀬ダム小水力発電所(最大140キロワット)が稼働しました。
ダムおよびダム湖周辺には800本の桜が植えられ周辺随一の桜の名所となっており、春の開花シーズンにはダム湖にこいのぼりが渡され多くの花見客の目を楽しませています。
ダム下から
放流設備は農業用コンクリートダムらしくクレスト自由越流頂3門と利水放流設備の組み合わせ。
訪問時は直前に通過した台風の影響で水位が上がり、転波越流中。

右手の設備はは2012年(平成24年)に完成した島ノ瀬ダム小水力発電所。
利水放流を利用して最大140キロワットの発電を行っています。

右岸から。

右岸中段の監査廊入り口
ここには東屋が設けられ絶好の展望ポイントとなっているほか、堤頂へのフーチング階段も開放されています。

天端は車両通行可能
対岸に管理事務所があります。

天端からの眺め
導流壁は美しい曲線を描いています。
また減勢工沿いには桜が植えられ春は花見客でにぎわいます。

左岸から
愛媛県の佐古ダムを連想させる導流壁の曲線。

上流面。

管理事務所と凝ったデザインの公衆トイレ。
建設時期がバブル真っ盛りですので、さもありなん。

ダム湖上流から。
総貯水容量307万立米と本州の農業用ダムとしてはかなりのスケール。
紀州の梅を支えています。

管理事務所と斜樋。

追記
島ノ瀬ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
1650 島ノ瀬ダム(1693)
和歌山県日高郡みなべ町東神野川
南部川水系南部川
A
G
44.5メートル
131.5メートル
3070千㎥/2480千㎥
南紀用水土地改良区
1991年
◎治水協定が締結されたダム