2018年7月14日 皆瀬ダム
皆瀬ダムは秋田県湯沢市皆瀬の雄物川水系皆瀬川上流部にある秋田県建設部が管理する多目的ロックフィルダムです。
特定多目的ダム法の適用を受けた最初のダムとして建設省(現国交省)の事業で1963年(昭和38年)に竣工し、完成後に秋田県に移譲されました。
宮城県の大倉ダムととも特定多目的ダムでありながら都道府県が管理する数少ないダムです。
また建設に際しては、ダム建設地が軟岩地盤であったことから小渕防災溜池、石淵ダム、野反ダムに次いで我が国4番目の『コンクリート表面遮水壁型ロックフィル』として建設されました。
皆瀬ダムは皆瀬川及び雄物川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、皆瀬川下流1万1000ヘクタールへの新規灌漑用水の供給、秋田県皆瀬発電所による最大出力5300キロワットのダム水路式発電を目的としています。
左岸高台にある管理事務所から俯瞰
下流面はロックフィル、上流面はコンクリート表面遮水壁ですがコンクリートの漏水を防ぐためにアスファルトが上塗りされています。
古いデザインが目立つ中、ゲートピアの半透明の円形螺旋階段がモダンな印象を与えます。
クレストゲートは2段式ローラーゲートが2門
ローラーゲートの間にオリフィスゲートがあります。
右岸の発電用取水塔はまるでロケット発射台。
洪水吐導流部と減勢工。
2段式のローラーゲート。
総貯水容量3160万立米のダム湖は上流にある小安峡から『小安峡湖』と命名されています。
小安峡子さん!アニメのヒロインみたい。
下流面は犬走りを挟んで3段構成、
残念ながら下流からダムを見るポイントはありません。
上流面
コンクリート表面遮水壁型ですが、コンクリートの漏水防止のためアスファルトが上塗りされています。
手前のぐにゃぐにゃが堪りません。
発電所への取水塔
昭和30年代のダムと言うことで取水塔もかなり大がかり。
県管理なのに特定多目的ダム、コンクリート表面遮水壁型なのに見た目はアスファルトフェイシング、なにやかやとレアな皆瀬ダムです。
追記
皆瀬ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量を確保することになりました。
0378 皆瀬ダム(1337)
秋田県湯沢市皆瀬
DamMaps雄物川水系皆瀬川
FNAP
R
66.5メートル
215メートル
31600千㎥/26300千㎥
秋田県建設部
1963年
◎治水協定が締結されたダム