ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

下久保ダム放流設備点検イベント

2016-06-29 18:02:16 | ダム見学会
2016年6月26日 下久保ダム放流設備点検イベント
 
6月26日に実施された群馬と埼玉県境にある下久保ダムの放流設備点検イベントに参加してきました。
クレスト、オリフィスともにゲートを全開させますが、残念ながら今年の関東は水不足、下久保ダムも貯水率41%とということで放流を見ることはできませんでした。
その代わりといってはなんですが、『B1完全縦走トレッキング』を楽しんできました。
下久保ダムといえば通称『カド』といわれるほど、その直角に曲がった堤体はおなじみですが、今回はこのカドを含む堤体地下一階監査廊が開放され右岸から左岸まで歩くことができました。
 
9時30分からのトレッキングスタート前に、展望台から『カド』を1枚
 
スタート地点
 
この角度から堤体を見るのも初めて
 
階段を下ったり登ったり~
 
錆びかと思ったらカビ
高松塚みたい
 
『カド』に到着
 
分画部・・・『カド』の内部です。
 
長い下りの階段・・・ゲートの下をくぐります。
 
気温は14度・・・涼しい!!
 
今度は長い登り。
 
 
渋滞中・・・鉛直を登るのに安全装置をつけます。
 
鉛直を登ります。
 
最後の長い登り。
 
左岸に到着。ここまで約30分。
 
今度はエレベーターでB4まで下ります。
 
イベント会場
放流がないので去年の半分程度の人出だそうです。
 
クレストゲートが全開しました。
 
普段は見れない減勢工です。
 
今度はオリフィスが開きます。
と、ほんの10秒ほど溜まっていた雨水が流れでました。
 
正午前にゲートが全開。
放流はないけど、これはこれで貴重な眺めです。
 
エレベーターで天端に戻り、展望台から全開のゲートを眺めて終了です。
 
イベントは14時30分までですが、高速が渋滞する前にダムをあとにしました。
水位が低いため放流がなく人出は去年の半分程度だったそうですが、全開で向こう側が見えるゲートの眺めはそれはそれで良かったんじゃないかな?
何よりもB1縦断トレッキングは初めてのイベントでカドを内部から見れただけでも出かけた価値がありました。

冷田沢堤

2016-06-22 09:16:54 | 福島県
2016年6月19日 冷田沢堤
 
冷田沢堤は喜多方市と西会津町の境界の深山川にある灌漑用溜池です。
ダム便覧によれば竣工は1889年(明治22年)とかなり古く事業者は地割地区となっています。
地図を見ると地割地区は堤のかなり下流、山の緩斜面にあり、新たに田畑を開墾するための水源としてこの堤を作ったのではないか?と推察されます。
 
喜多方から県道16号を西進、県道338号の分岐点で一番右寄りの市道を進み深山川沿いを遡上すると道路脇に冷田沢堤が現れます。
下流面は草が覆い堤体の基部がどこかわかりません。
 
天端も草が覆っていますが轍もあります。
 
上流面はブロックで補強されています。
中央に階段式の斜樋があります。
 
階段式の斜樋。
 
かなり山深いところにあるんですが、そばに道路があるせいか意外に開放感があります。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端にコンクリート製の祠があり昭和五十三年の日付が見えました。
昭和53年に大きな改修が行われたんでしょう。
 
0458 冷田沢堤(0469)
ため池コード 072080109
福島県喜多方市高郷町磐見
阿賀野川水系磐見川
20メートル(ため池データベース 7.6メートル
60メートル(ため池データベース 63メートル)
114千㎥(ため池データベース 73千㎥)/114千㎥
地割行政区
1889年

水窪ダム

2016-06-21 14:22:08 | 山形県
2016年6月18日 水窪ダム
 
水窪(みずくぼ)ダムは山形県米沢市万世町刈安の一級河川最上川水系苅安川にある灌漑・上水・工水目的のロックフィルダムです。
米沢平野に流入する河川はいずれも流域面積が小さく渇水による干ばつ被害多頻発し、灌漑設備の整備は農家の長年の悲願となってきました。
1968年(昭和43年)に農林省(現農水省)による国営米沢平野農業水利事業が着手されその灌漑用水源として1975年(昭和50年)に水窪ダムが竣工しました。
事業全体も1992年(平成3年)に完了し、米沢平野土地改良区管内約9000ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに、水道事業者として事業参加した山形県企業局を通じ米沢市に上水・工水を供給しています。
ダムの管理は山形県農林水産部が受託しています。
さらに2016年(平成28年)には利水放流を利用した水窪ダム発電所(最大出力798キロワットの小水力発電)が増設されました。
なお静岡県に同じ表記の水窪ダムがありますが、当ダムは『みずくぼ』、静岡は『みさくぼ』と読みが異なります。
 
国道13号線から県道232号線を西に進むとダム湖へ。
ダム湖にかかる水窪大橋から上流面を一望。
 
右岸上流側から
手前はインクライン
奥に管理事務所があります。
 
右岸下流面
 
桟橋に係留されたボートと取水設備。
奥に水窪大橋が見えます。
 
総貯水容量3100万立米は本州の農業用ダムとしては屈指のスケール。
目の前に広がるのはその一端にすぎません。
 
減勢工
柵が邪魔でこのアングルからしか撮れません。
 
洪水吐を挟んでロックフィルの堤体。
 
クレストは2門の青いラジアルゲート。
 
 
(追記)
水窪ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0437 水窪ダム(0466)
山形県米沢市万世町刈安
最上川水系苅安川
AWI
62メートル
205メートル
31000千㎥/30500千㎥
山形県農林水産部
1975年
◎治水協定が締結されたダム

蛭沢溜池

2016-06-21 12:59:22 | 山形県
2016年6月18日 蛭沢溜池
 
蛭沢(びるさわ)溜池は山形県東置賜郡高畠町安久津の最上川水系蛭沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
起源は江戸時代に遡り当初は2枚の上下池でした。
1949年(昭和24年)の県営事業で現在の蛭沢溜池が築造され。1994年(平成6年)に大規模な改修が行われました。ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
総貯水容量200万立米超と本州の溜池として屈指の規模で、蛭沢川だけでは十分な集水ができないため山の東向こうの屋代川に宮下関頭首工を設け約1.4キロの導水路で集水しています。
現在の管理者は米沢平野土地改良区です。
 
国道113号からぶどうまつたけラインを北上すると蛭沢溜池が見えてきます。
 
6月にしてはきれいに整備された下流面。 
 
左岸の洪水吐。
 
横越流式洪水吐。
 
上流面には『びるさわこ』の文字と河童の絵が描かれています。
逆光でうまく見えません。
 
総貯水容量207万5000立米の貯水池。
 
右岸の取水設備。
 
ダムの下流には水田とぶどう畑が広がっています。
 
取水設備からの底樋樋門。
 
国土地理院地形図を見ると、山向こう東側の屋代川からの導水路が記載され、ダム便覧でも河川は蛭沢川ではなく屋代川となっています。
このことから、蛭沢溜池は主として屋代川の水を導水して貯水していることがわかります。
 
屋代川の宮下堰頭首工です
ここで取水して蛭沢溜池に送水されます。
 
取水はチロル式でこのバースクリーンから取水します。
 
蛭沢導水路の吐口。
 
石積みの擁壁は1949年(昭和24年)の築造当時のもの。
 
0415 蛭沢溜池(0465)
ため池コード
山形県東置賜郡高畠町安久津
最上川水系屋代川
23.5メートル(ため池データベース 24.2メートル)
190メートル(ため池データベース 240メートル)
2075千㎥/2075千㎥
米沢平野土地改良区
1949年

三面ダム

2016-06-20 15:46:04 | 新潟県
2016年6月18日 三面ダム
 
三面(みおもて)ダムは左岸が新潟県村上市岩崩、右岸が同市千縄の二級河川三面川本流にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで1953年(昭和28年)竣工と新潟県土木所管ダムとしては最初に建設されました。
2001年(平成13年)に上流に完成した奥三面ダムと連携して三面川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、新潟県企業局三面発電所での最大3万キロワットのダム式発電初を目的としています。
 
今回は先に奥三面ダム訪問し、帰りに三面ダムに立ち寄りました。
県道349号の樹間からなんとかダムと正対できます。
クレストラジアルゲート4門、新潟県土木部所管ダムではおなじみ赤いゲートです。
 
県道から標識に従ってダムへと向かいます。
ダム直下の発電所への道は関係者以外立ち入り禁止でダムを下流正面から見ることはできません。
途中で開けた場所がありダム半分と発電所が見えます。
 
右岸から。
 
同じ場所からズームアップ。
扶壁の色が違っておりこの部分が改修されたことがわかります。
 
ダム右岸の管理事務所手前の遺構
ケーブルクレーの台座跡かな?
 
天端は歩行者のみ開放。
機械室が並ぶ所がクランクになって盛り上がっており、ここが改修された箇所だと思われます。
奥は管理事務所です。
 
天端から導流壁と減勢工を見下ろします。
昭和20年代らしく導流壁は直線
左手は三面発電所。
 
アングルを変えて。
 
豪雪地帯らしく屋根は切妻。
 
0741 三面ダム(0462)
左岸 新潟県村上市岩崩
右岸     同市千縄
三面川水系三面川
FNP
82.5メートル
205メートル
47800千㎥/32940千㎥
新潟県土木部
1953年

奥三面ダム

2016-06-20 13:47:09 | 新潟県
2016年6月18日 奥三面ダム
 
奥三面(おくみおもて)ダムは新潟県村上市三面の二級河川三面川本流上流部にある新潟県土木部が管理する多目的アーチ式コンクリートダムです。
三面川には1953年(昭和28年)に新潟県により三面ダムが建設されていましたが、1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨では計画量を越える水量を記録し流域で多大な洪水被害が発生しました。
これを受け県は1971年(昭和46年)に三面ダムの上流への新たな多目的ダム建設を採択しますが、国立公園隣接地へのダム建設ということで事前調整が難航、1988年(平成元年)にようやく本体工事にこぎつけました。
さらに豪雪地帯のため工期は夏期に限定され13年の年月をかけ2001年(平成13年)に奥三面ダムが竣工しました。
奥三面ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、三面ダムと連携した三面川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、新潟県企業局奥三面発電所での最大3万4500キロワットのダム水路式発電を目的としています。
2001年竣工は広島県の温井ダムとともに日本のアーチ式コンクリートダムとしては最後の竣工となりますが、当ダムのほうが先に竣工したため『我が国最後のアーチダム』という称号は温井ダムに譲ることになります。
ただ、最新のアーチダムであることに変わりはなく日本ダム協会により日本100ダムに選定されています。
 
三面ダムから朝日スーパーラインを進むと奥三面ダムに到着します。
堤体中央にオリフィス予備ゲートが見えます。
 
左岸下流側から
クレスト自由越流頂3門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスアーチです。
このほか低水放流設備としてハウエルバンガーバルブ1条、底部放流設備1条を備えています。
 
導流壁に沿った管理通路がまるでおもちゃのように見えます。
 
こちらはハウエルバンガーバルブ。
 
山留めやフーチングのごつごつ感ががっちりしたアーチとマッチして見えます。
 
なんとこんなところで高山植物のお花畑が!!
ニッコウキスゲが満開。
 
クレスト自由越流頂。

減勢工。
豪雪地帯のため険しい渓谷両岸はアバランチシュート地形になっています。

右岸から
河川維持用のバルブ放流が行われていました。
対岸は管理事務所です。

手前が低水放流設備のハウエルバンガーバルブ
奥は底部放流設備からの河川維持放流。
 
天端は車道で車両通行可能です。
釣りや登山と思われる地元ナンバーの車が数台通り過ぎてゆきました。
 
下流の猿田発電所の対岸にある奥三面発電所です。
奥三面ダムの取水口からここに送水されています。
 
0791 奥三面ダム(0461)
新潟県村上市三面
三面川水系三面川
FNP
116メートル
244メートル
125500千㎥/108000千㎥
新潟県土木部
2001年

猿田ダム

2016-06-20 11:58:26 | 新潟県
2016年6月18日 猿田ダム
 
猿田ダムは新潟県村上市三面の二級河川三面川水系猿田川にある新潟県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編により新潟県は東北電力の管轄となりますが包蔵水力豊富な新潟県では同社だけでは開発の手が足りず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
企業局は県土木部の三面ダム建設事業に発電事業者として参加しまず1952年(昭和27年)に三面発電所(最大出力3万キロワット)が稼働、次いで支流猿田川に1955年(昭和30年)に建設されたのが猿田ダムです。
ここで取水された水は約2キロの導水路で猿田発電所(最大出力2万1800キロワット)に送られダム水路式発電を行います。
さらに2001年(平成13年)には奥三面ダムを水源とした奥三面発電所(最大出力3万4500キロワット)が稼働し、三面川での県企業局の発電能力は計8万6300キロワットに達しています。
 
三面ダムから上流に進み、奥三面ダム入り口をやり過ごし朝日スーパーラインを進むと猿田ダムからの水圧鉄管が現れます。
 
さらに進むとダムへの管理道路となりますが、関係者以外立ち入り禁止。
 
 
少し進むと樹間から猿田ダムを見ることができます。
たぶんここが猿田ダムを望める唯一のポイントだと思います。
 
ズームアップしてみます。
クレストに赤いラジアルゲート2門装備
昭和20年代の発電ダムらしく、ゲート部部の管理橋が高くなっています。
 
簡易な管理事務所、遠隔操作のため職員の常駐はありません。
 
朝日スーパーラインを戻り発電所を見てみます。
手前が猿田発電所、奥は奥三面発電所です。隣接しますがそれぞれ取水ダムが異なります。
 
 
0742 猿田ダム(0460)
新潟県村上市三面
三面川水系猿田川
48.5メートル
114.3メートル
11740千㎥/3950千㎥
新潟県企業局
1955年

加茂市水道貯水池2号

2016-06-17 09:18:43 | 新潟県
2016年6月12日 加茂市水道貯水池2号
 
加茂市水道貯水池2号は新潟県加茂市宮寄上の信濃川水系加茂川にある加茂市上下水道課が管理する上水目的の重力式コンクリートダムです。
加茂市は1954年(昭和29年)より独自の水道事業創設に着手し、加茂市水道貯水池1号の完成に合わせて1957年(昭和32年)より運用が開始されます。
直後に1期拡張事業が着手され、1号貯水池上流1.4キロ地点に1960年(昭和35年)に建設されたのが2号貯水池です。
これにより一日計画給水量は4200立米から5600立米まで拡大しました。
その後第2期拡張事業で、さらに3号貯水池が建設される予定でしたが1969年(昭和44年)の水害により貯水池に大量の土砂が流入したことで断念、この後は信濃川からの取水が主力となります。
 
ここは粟ヶ岳登山でなじみのある場所ですが、ダムを目的に訪問するのは今回が初めてです。
1号貯水池湖湖畔の駐車場に車を止めて、上流にある2号貯水池を目指します。
水源涵養林の杉の植林の林道を約1.3キロキロ歩きます。
 
大きな水音が聞こえてくると右手に古いコンクリートダムが現れます。
 
1960年(昭和35年)の竣工当時のままのコンクリート。
 
 
上流から
1号同様円形の取水設備。
 
取水設備をズームアップ。
 
天端は粟ヶ岳への登山道となっています。
 
越流面
 
中央で越流する流れとは別に、導流壁に沿って一本の白糸が伸びていました。
 
総貯水容量11万3000立米ですが、1969年(昭和44年)の水害で土砂が流入し有効貯水容量は50%以下の4万8000立米。
当初はこの上流に第3号貯水池が建設される予定でしたが、水害により断念されました。
 
3681 加茂市水道貯水池2号(0459)
新潟県加茂市宮寄上
信濃川水系加茂川
23メートル
55メートル
113千㎥/48.2千㎥
加茂市上下水道課
1960年

加茂市水道貯水池1号

2016-06-17 06:38:09 | 新潟県
2016年6月12日 加茂市水道貯水池1号
 
加茂市水道貯水池1号は新潟県加茂市宮寄上の信濃川水系加茂川にある加茂市上下水道課が管理する上水目的の重力式コンクリート・フィル複合ダムです。
加茂市は1954年(昭和29年)より独自の水道事業創設に着手し、その水源として1957年(昭和32年)に竣工したのが加茂市水道貯水池1号です。
ここで取水された水は同時に建設された宮寄上浄水場に送られ、計画一日給水量4200立米の加茂市水道事業がスタートしました。
その後の第1期拡張事業で1号貯水池上流1.4キロ地点に2号貯水池が完成し、一日計画給水量は5600立米まで拡大しました。
貯水池一帯は『水源地』としてキャンプ場や遊歩道が整備され市民の憩いの場となっているほか、粟ヶ岳の登山口として多くのハイカーが訪れています。
 
貯水池を周回するように遊歩道が整備されており、1週30分ほどです。
 
右岸上流側から
左岸が重力式コンクリート、右岸はアースダムのフィル複合ダムです。
 
フィル上流面はコンクリートで護岸されています。
 
総貯水容量15万立米の貯水池
池の奥には粟ヶ岳が聳えます。
 
天端?管理橋は遊歩道の通路で立ち入りできます。
左手に取水設備があります。
 
導流面は右側がテラスの様になった2段構成です。
目につくのは堤体を覆う緑の植物!
 
左岸から導流面をみると二段になっているのがわかります。
フィル複合ダムということで、フィルとの接続面への圧力を軽減するための構造のようです。
 
円筒形の取水設備。
右奥の建物は公園のビジターセンターですが、開業は夏休みからです。
 
竣工以来60年以上の歴史を刻むコンクリート。
 
堤体は草で覆われています。
手入れしていないのか?わざとこうしてるのか?
一部には樹木も伸び始めていますが大丈夫なんでしょうか?
 
まるで緑のムートン。
もっふもふ。
 
3680 加茂市水道貯水池1号(0458)
新潟県加茂市宮寄上
信濃川水系加茂川
GF
16メートル
116.7メートル
150千㎥/101千㎥
加茂市上下水道課
1957年

早出川ダム

2016-06-16 15:50:19 | 新潟県
2016年6月12日 早出川ダム
 
早出川ダムは新潟県五泉市小面谷の一級河川阿賀野川水系早出川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)8月の羽越豪雨により新潟県下越地方で甚大な洪水被害が発生し、これを契機に県は各河川の治水対策に乗り出します。
早出川では1969年(昭和44年)に多目的ダム建設が採択され、1974年(昭和49年)に着工し1979年(昭和54年)に竣工したのが早出川ダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで早出川の洪水調節、早出川流域約1500ヘクタールの水田への灌漑用水の供給、新潟県企業局田川内発電所での最大7100キロワットのダム式発電を目的としています。
 
村松市街から早出川に沿って県道を東進し、早出川ダムの標識に従って県道564号に入ったドン詰まりが早出川ダムです。
ダムの手前に堤体下に続く道がありましたが、残念ながら通行止め。
 
ダム右岸に駐車場から。

ダム湖の水位は非常に低くなっています。
メインが洪水調節というだけじゃなさそう。
 
2日前に管理事務所裏の法面がいきなり崩壊したそうで、復旧工事が行われていました。
管理事務所に被害がなくて何より。
 
ゲート越しに減勢工を見てみます。
新潟県土木部所管ダムではおなじみの赤いゲート。
 
減勢工右手は田川内発電所。

総貯水容量1490万立米のダム湖。
訪問時、渇水により水位低下状態でした。

長いインクライン
 
ダムではハヤブサが営巣してるそうで事務所内に写真がたくさん展示されていました。
新潟の県営ダムは職員さんや管理人さんの対応が素晴らしいのですが、とくに早出川ダムは情報の発信に熱心に取り組んおられるという印象を受けました。

(追記)
早出川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0776 早出川ダム(0456)
新潟県五泉市小面谷
阿賀野川水系早出川
FAP
82.5メートル
240メートル
14900千㎥/11500千㎥
新潟県土木部
1979年
◎治水協定が締結されたダム

門前溜池(シュンガ入堤)

2016-06-16 14:18:46 | 新潟県
2016年6月12日 門前溜池(シュンガ入堤)
 
門前溜池は新潟県五泉市橋田にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には村松郷土地改良区の事業で1901年(明治34年)に竣工と記されており、水利組合もしくは耕地整理組合の事業つまり受益農家の持ち出して建設されたと思われます。
現在の管理者は五泉市です。
ダム便覧では門前溜池(別名 シュンガ入堤)となっていますが、新潟県ため池データベースでは『シュンガ入堤』、国土地理院地形図では『シスンガ入堤』となっています。
またため池データベースの堤高は13.3メートルとなっておりダムの要件を満たしていません。
 
溜池は五泉市と新潟市境界の菩提寺山の登山口脇にあります。
現地の登山案内板。
 
登山道入り口の右手に溜池の堤が見えます。
 
溜池の下には登山者用の立派な駐車場があり地元では人気の山のようです。
 
下流面はきれいに刈られています。
堤高は15メートルあるかどうか?
 
天端
 
総貯水容量7万8000立米の小さな溜池です。

右岸の尺八樋。
 
これが洪水吐のようです。
 
溜池下の底樋管
ここには洪水吐からの水路も合流します。
 
 
溜池のそばにお地蔵様が祭られていました。
坂下という名前から溜池とは関係なく菩提寺山に由来するものでしょう。
 
0716 門前溜池(シュンガ入堤)(0455)
ため池コード 152180005
新潟県五泉市橋田
信濃川水系能代川
15メートル(ため池データベース 13.3メートル
51メートル(ため池データベース 53.5メートル)
78千㎥/78千㎥
五泉市
1901年

飯豊川第1ダム(再)

2016-06-15 10:10:00 | 新潟県
2016年6月11日 飯豊川第1ダム(再)
 
飯豊川第1ダムは左岸が新潟県新発田市赤谷、右岸が同市滝谷の二級河川加治川本流にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
日本で7番目にできたコンクリートダムで、粗石コンクリート造表面石張り曲線重力式ダムとして1915年(大正4年)に竣工し、近代土木遺産にも選定されていました。
しかし、老朽化が著しく2001年(平成13年)に全面越流式ダムに改修され、ビンテージダムとしての面影は見る影もなくなってしまいました。
ここで取水された水は約3.2キロの導水路で飯豊川第一発電所に送られ最大5600キロワットのダム水路式発電が行われています。
 
加治川治水ダムへ向かって走り、東赤谷集落が切れた先にダムの管理事務所が見えてきます。
ダムはこの下にあります。
 
ダム本体のみならず、ダムへの道路も含めて敷地全体が立ち入り禁止となっていますので、フェンスの脇からの撮影を余儀なくされます。
左岸下流から

上流側もフェンスに妨げられます。
緩やかに屈曲した堤体がかつて曲線重力式だった面影を残します。
手前は取水ゲートです。

おなじ場所からズームアップします。
越流部に引っかかった流木がイタチか何かの小動物のように見えます。

フェンスの外側を下ってみました。
足元は崖、草が茂りこれが限界です。
 
 
0717 飯豊川第1ダム(元)
左岸 新潟県新発田市東赤谷
右岸      同市滝谷
加治川水系加治川
36.9メートル
50.1メートル
280千㎥/280千㎥
東北電力(株)
1915年竣工 
-----------------------
3675 飯豊川第1ダム(再)(0451)
左岸 新潟県新発田市東赤谷
右岸      同市滝谷
加治川水系加治川
39.8メートル
49.6メートル
280千㎥/280千㎥
東北電力(株)
2001年再開発竣工

加治川治水ダム

2016-06-14 22:56:31 | 新潟県
2016年6月11日 加治川治水ダム

加治川治水ダムは左岸が新潟県新発田市東赤谷、右岸が同市滝谷の二級河川加治川本流にある新潟県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨を契機に新潟県は県所管各河川の治水対策に乗り出します。
加治川では支流の内の倉川に農林省(現農水省)が農業用ダムとして建設を進めていた内の倉ダムを洪水調節容量を持つ多目的ダムに計画変更するとともに、本流上流部への治水ダム建設を進めます。
そして1973年(昭和48年)の内の倉ダム竣工に次いで翌1974年(昭和49年)に竣工したのが加治川治水ダムです。
加治川治水ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、胎内川の洪水調節を目的としています。
1992年(平成4年)には河川維持放流を利用した新潟県焼峰発電所(最大出力1100キロワット)が増設され、小水力発電が開始されました。

会津通りと呼ばれる県道14号から加治川沿いの県道335号に入り川上に進むと右手に加治川治水ダムが見えてきます。
ダム下流にはヘリポートがつくられ、この写真はそこから撮りました。
放流設備はクレストラジアルゲート1門のほか、写真では見えませんがコンジット高圧ラジアルゲート2門を装備。


クレストゲートは新潟県営ダムでは定番の赤いラジアルゲート。


正面から
コンジットのゲートハウスがわずかに見えます。


堤頂部は襟がなく、堤頂から緩やかなカーブを描きます。


上流面
もっと正面からゲートを見たかったのですが立ち入り制限がありこれが精いっぱい。
有効貯水容量すべてが洪水調節容量となるためこれで常時満水位。
溜まっている水は堆砂容量となります。


ダムサイトの記念碑。


徒歩のみ開放。
正面は管理事務所。


インクラインがなく、巡視艇昇降用のクレーンが設置されています。
刈谷田川ダム胎内川ダムなど新潟県営のダムではおなじみの設備です。


洪水吐導流部と減勢工。


こちらは1992年(平成4年)に増設された焼峰発電所
治水専用ダムのため、流入量はそのまま放流されますがその放流水を利用しての小水力発電です。


左岸から下流面。


左岸から上流面
こちらからも上流面はこれが精いっぱい。


ダム湖は総貯水容量2250万立米、堆砂容量を除く有効貯水容量1800万立米すべてが洪水調節容量となる治水専用ダムです。
普段は空っぽのダム湖を利用した公園が設けられていますが、訪問時は立ち入り禁止。


左岸に脆弱地盤があるため、接岸部にはアンカーボルトが並びます。

2017年(平成29年)6月の観光放流に際して、下流で親子連れが流される水難事故が発生、ダムの運用に際して安全の最優先、規則等の遵守、危機管理への対応が問われる事案となりました。

0766 加治川治水ダム(0450)
新潟県新発田市滝谷
加治川水系加治川
106.5メートル
285.5メートル
22500千㎥/18000千㎥
新潟県土木部
1974年

胎内第1ダム

2016-06-14 17:53:00 | 新潟県
2016年6月11日 胎内第1ダム
 
胎内第1ダムは新潟県胎内市宮久の2級河川胎内川本流にある新潟県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編により新潟県は東北電力の管轄となりますが包蔵水力豊富な新潟県では同社だけでは開発の手が足りず公営発電である県企業局による電源開発が併せて進められました。
胎内川では1957年(昭和32年)より県企業局による電源開発が進められ、1959年(昭和34年)の胎内第2ダム・発電所についで1962年(昭和37年)に完成したのが胎内第1ダムです。
ここで取水された水は約6.3キロの導水路で胎内第1発電所に送られ最大1万1000キロワットのダム水路式発電を行っています。
現在はさらに2基の発電所が増設され第1~第4発電所併せて1万9200キロワットの発電能力を有しています。
 
胎内第2発電所から上流に向かうと第1発電所が現れます。
最大1万1000キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
胎内川ダムをやり過ごしさらに上流に向かうと、『胎内第一ダム』の大きなと看板が現れます。
 
右岸から
 
ダムへは写真のような被覆された通路が続いています。
見た目に立ち入り禁止だと思い入りませんでしたが、実は天端は対岸の登山道に続き立ち入りできたようです。
 
堤体中央にクレストローラーゲート1門
その右手に発電所への取水口
豪雪地帯らしく巻き上げ機や機械室は被覆され、屋根は雪が落ちやすい様に傾斜しています。
 
 
0749 胎内第1ダム(0448)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
35メートル
68メートル
923千㎥/166千㎥
新潟県企業局
1962年

胎内川ダム(元)

2016-06-14 13:53:00 | 新潟県
2016年6月11日 胎内川ダム(元)
 
胎内川ダム(元)は新潟県胎内市宮久の二級河川胎内川本流にある新潟県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨では新潟県下越地方各河川で甚大な工事被害が発生、これを契機に新潟県は各河川の治水対策に乗り出します。
胎内川では1967年(昭和42年)から治水ダム建設事業が着手され、1976年(昭和51年)に竣工したのが胎内川ダム(元)です。
胎内川ダム(元)は建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、胎内川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的としています。
また1980年(昭和55年)には河川維持放流を利用した黒川村(現胎内市)管理の風倉発電所(最大出力2000キロワット)が完成し小水力発電が開始されました。
胎内川では2018年(平成30年)に最上流部に奥胎内ダムが完成する一方、胎内川ダムについては2019年(令和元年)に『胎内川ダム再生事業』が採択されました。
同事業では放流能力強化のための新放流設備増設が計画されています。
 
胎内川第2ダムから県道53号を遡上すると、赤いゲートが目立つ胎内川ダム(元)が現れます。

ゲートをズームアップ。
クレストラジアルゲート1門、オリフィス高圧ラジアルゲート2門を装備。
オリフィスのゲートは赤い舌を出し『あっかんべえ』をしてるように見えます。


インクラインがなく船の昇降はクレーンで行うようです。
ただ職員さんの話ではこのクレーンは故障中。


天端は徒歩のみ開放。

減勢工
深い渓谷のためか、山留めはちょっと複雑な構造です。

赤いゲートを上から

左岸にプラント跡があり展望台になっています。


展望台からはダムを俯瞰。


右岸の駐車場はヘリポートも兼ねています。


上流から。
防災が主目的のため水位は低くなっています。
 
0768 胎内川ダム(元)(0447)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
FN
93メートル
215メートル
17100千㎥/12000千㎥
新潟県土木部
1976年
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3704 胎内川ダム(再)
新潟県胎内市宮久
胎内川水系胎内川
FN
93メートル
215メートル
17100千㎥/12000千㎥
新潟県土木部
2019年~