ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

志生木ダム

2017-06-30 15:54:41 | 大分県
2017年6月18日 志生木ダム
 
志生木で『しゅうぎ』と読みます。
志生木ダムは大分市志生木の志生木川源流部にある防災・灌漑目的のアースダムで、農水省の補助を受けた大分県の防災ダム事業で1965年(昭和40年)に竣工しました。
現在は志生木土地改良区が管理を行っています。
 
国道197号線の大志生木交差点を南に折れ志生木川沿いの市道を南に進むと志生木ダムに到着します。
堤体直下から
取水設備からの吐口が手前に、その左手に洪水吐導流部があります。  
 
洪水吐導流部をズームアップ。
 
右岸ダムサイトにある工事概要碑。
 
天端車両通行可能、でも対岸の洪水吐手前で鎖が架かっています。
 
上流面
コンクリートで補強されています。
 
左岸の斜樋と機械室を兼ねた管理事務所。
 
天端からの眺め
かつては堤体直下にも畑が並んでいたようですが、今は草地が広がるばかり
そんな中大分らしくシイタケの栽培ハウスが1棟。
 
総貯水容量40万立米の貯水池。
 
貯水池奥に半没した砂防堰堤が見えます
石積みでかなり古い砂防堰堤のようです。
 
左岸洪水吐
この先は立ち入り禁止です。
 
2758 志生木ダム(1056)
大分県大分市志生木
志生木川水系志生木川
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
FA
22.9メートル
123.7メートル
 
志生木土地改良区 
1965年

大舞ダム

2017-06-30 14:45:55 | 大分県
2017年6月18日 大舞ダム 
 
大舞ダムは大分市木佐上の小猫川水系大舞川にある灌漑用重力式コンクリートダムで、農水省の補助を受けた大分県の中山間地域総合整備事業により2001年(平成13年)に竣工しました。現在は1キロ離れた戸保の木ダムともども木佐上土地改良区が管理を行っています。
国道197号線から小猫川沿いの県道715号を南下、三本杉橋の二股を右手にとり轟集落を抜ける戸保の木ダムの手前を左折、そのまま南に進むと大舞ダムに到着します。
まずは下流から
ゲートは自由越流式が2門、導流壁のカーブがちょっと特徴的です。  
 
手前は利水放流設備。
 
左岸ダムサイトの竣工記念碑。
 
 
下流面。
 
取水設備。
 
 
総貯水容量11万2000立米と小さな貯水池。
 
減勢工
左手は利水放流設備。
 
天端。
 
右岸から下流面。
 
上流面
こちらから見ると取水設備の機械室がダム湖にせり出しているのが分かります。
 
小さな灌漑用コンクリートダムでさほど特徴はありません。
でも名前がいい!
英語で書くと『Oh my dam!!』
 
3373 大舞ダム(1055)
大分県大分市木佐上
小猫川水系大舞川
20.8メートル
98メートル
木佐上土地改良区 
2001年

戸保の木ダム(轟ダム)

2017-06-30 13:10:43 | 大分県
2017年6月18日 戸保の木ダム(轟ダム)
 
戸保の木で『へぼのき』と読みます。
戸保の木ダムは大分市木佐上にある防災目的のアースダムでダム便覧によれば1971年(昭和46年)に農林省の補助を受けた大分県の事業で建設されました。現在は木佐上土地改良区が管理を行っています。
ダム便覧ではダムの目的は『F』のみとなっていますが、地元の方の話では灌漑用水の水源として使っているということです。また管理も木佐上土地改良区が行っていることから、ダムの目的は『FA』が妥当かと思われます。
ダム名の戸保の木はダムのさらに上流の地名であり、現地ではダムの位置する小字名から『轟ダム』と呼ぶのが一般的なようで、竣工記念碑にも『轟防災ダム』と記されています。
 
国道197号線から小猫川沿いの県道715号を南下、三本杉橋の二股を右手にとり轟集落を抜けると戸保の木ダムに到着します。
ダムの左岸に機械室と思しき建物と竣工記念碑があります。
 
竣工記念碑
『轟防災ダム』となっています。
 
下流面
この時期はどこも草ボウボウです。
 
上流面
コンクリートブロックで護岸されています。
 
堤体中央の階段
てっきり斜樋があるのかと思ったらただの階段でした。
 
取水設備が見当たりませんが、この2本のポールの下で『ぼこぼこ』音が鳴っています。
たぶんこれが取水設備かと思われます。
 
総貯水容量29万立米
防災目的のみならこんな満々と水を貯めこまないでしょう?
 
天端から
下流に轟集落が見えます。
 
右岸から天端
轍があります。
 
右岸の洪水吐。
 
2768 戸保の木ダム(轟ダム)(1054)
大分県大分市木佐上
小猫川水系轟川
FA
21.7メートル
119.4メートル
木佐上土地改良区 
1971年

中の川ダム

2017-06-30 12:02:16 | 大分県
2017年6月18日 中の川ダム
 
中の川ダムは大分県臼杵市の末広川支流中の川源流部にある洪水調節・灌漑目的のロックフィルダムで、農水省の補助を受けた大分県の土地改良事業により1977年(昭和52年)に竣工し、運用開始後は臼杵市が受託管理を行っています。
ダム便覧では竣工は1987年となっていますがこれは間違いと思われます。
瀬戸内海気候により年間降水量が少ない臼杵地区では、渇水による用水不足が生じる一方、大きく蛇行する末広川は豪雨のたびに洪水被害をもたらしてきました。
そこで大分県は農水省の補助を受け臼杵地区土地改良事業を実施、まず1977年(昭和52年)に末広川左支流の中の川に中ノ川ダムを建設、次いで1987年(昭和57年)に末広川に末広ダムを建設しました。
中の川ダムは中の川および末広川の洪水調節のほか、末広ダムと合わせて171ヘクタールに灌漑用水の供給を行っています。
 
今回は県道21号から中の川沿いの市道を北上して中の川ダムに至りました。
市道を北上すると中の川ダムの堤体が見えてきます。
草が生え一見アースのようですがロックフィルダムです。
 
ダムの記念碑。
 
天端
関係者以外車両通行禁止。
 
下流面
草が茂りアースダムの様相。
 
ダム湖は総貯水容量88万1000立米。
 
上流面
こちらもロックフィルには見えません。
 
洪水吐導流部。
 
洪水吐
中央にスリットが入っています。
 
 
赤いスクリーンの奥に常用洪水吐としてゲートがあり、これが上の写真スリットに通じています。
 
今回取水設備が確認できませんでした。たぶん洪水吐に併設されているのではないかと思います。
また堤体直下には利水放流設備があるようですが、そちらへの道は関係者以外立ち入り禁止で見ることは叶いませんでした。
 
2795 中の川ダム(1053)
大分県臼杵市岳谷
末広川水系中の川
FA
37.3メートル
120メートル
臼杵市
1977年

末広ダム

2017-06-30 11:07:30 | 大分県
2017年6月18日 末広ダム
 
末広ダムは大分県臼杵市東端、大分市との境界近くの末広川にある洪水調節・灌漑目的の重力式コンクリートダムで、農水省の補助を受けた大分県の土地改良事業により1980年(昭和55年)に竣工し、運用開始後は臼杵市が受託管理を行っています。
瀬戸内海気候により年間降水量が少ない臼杵地区では、渇水による用水不足が生じる一方、大きく蛇行する末広川は豪雨のたびに洪水被害をもたらしてきました。
そこで大分県は農水省の補助を受け臼杵地区土地改良事業を実施、1977年(昭和52年)の中の川ダムに次いで完成したのが末広ダムです。
末広ダムは末広川の洪水調節のほか、中の川ダムと合わせて171ヘクタールに灌漑用水の供給を行っています。
 
今回は大分自動車同大分宮河内インターから県道21号線を南下して末広ダムに至りました。
ダム左岸に駐車場があり管理事務所や土地改良事業の説明板が設置されています。
 
左岸から下流面。
 
天端
対岸から林道となっており車両の通行はできますが、関係者以外車両進入禁止となっています。
 
減勢工
右側手前は利水放流設備、奥は揚水機場。
 
ダム湖
見た目はさほど大きくありませんが縦長で総貯水容量は209万8000立米あります。
 
右岸から天端。
 
上流面
ボートで釣りをしていますが、釣禁止の看板があったような・・・。
 
下流面。
 
下流から
非常用洪水吐としてクレストに4門の自由越流式ゲート、
常用洪水吐としてオリフィスゲートがあります。
V字型の導流壁がダムの表情を引き締めています。
 
2786 末広ダム(1052)
大分県臼杵市田尻
末広川水系末広川
FA
45メートル
162メートル
臼杵市
1980年

地蔵原ダム

2017-06-30 09:36:49 | 大分県
2017年6月18日 地蔵原ダム
 
地蔵原ダムは大分県玖珠郡九重町湯坪の筑後川水系地蔵原川源流部にある九州電力が管理する発電目的のアースフィルダムです。
1922年(大正11年)に当時大分県を中心に発電事業を行っていた九州水力電気(株)により町田第一および第二発電所の水源として建設され、日本発送電の接収ののち1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により九州電力が事業を継承しました。
地蔵原ダムで放流された水は約600メートル下流の取水堰から町田第一発電所に送られ最大1700キロワット、さらに町田第二発電所で最大1600キロワットのダム水路式発電に使用されます。
 
地蔵原ダムは中央鉄筋コンクリート遮水壁式、いわゆるコンクリートセンターコアダムとして建設されましたが、漏水防止のため1971年(昭和46年)に上流面にアスファルトフェイシングが施されました。その後アスファルトの劣化により1991年(平成3年)には上流面にコンクリートが塗布され見た目はコンクリート表面遮水壁型ダムのようになっています。
数少ないコンクリート中央遮水壁型ダムとしてCランクの近代土木遺産に選定されています。
 
ダム便覧では地蔵原ダムとなっていますが、国土地理院地形図や主要道路マップでは天ヶ谷貯水池と記されています。
観光地である飯田高原の北に位置し、ダム北岸を九州自然歩道が通っているほか貯水池上流にはキャンプ場などもありダム周辺はアウトドアスポットにもなっているようです。
 
今回は九重町中心部から四季彩ロードを南下、県道40号~640号を経て地蔵原ダムに至りました。
ダム右岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部
両側の石積みの擁壁は竣工当時のもののようです。
 
 
下流面
2016年(平成28年)熊本地震の影響でクラックが発生するなどの被害が出ました。
草が削り取られたところは補修の痕です。
 
天端と上流面
 
貯水池越しに見る涌蓋山の雄姿。
 
左岸から見た天端と下流面
各所に補修の痕が見られます。
 
上流面
コンクリートセンターコアダムとして建設されましたが、漏水防止のため上流面はコンクリートフェイシングされています。
地震によりこのコンクリートにもひび割れが起こり補修が施されました。
 
右岸の建屋右手に巡視艇が置かれ、インクラインが伸びています。
 
ダムには取水設備が見当たりません。
これがそうなんでしょうか?
 
近くには日本最長を誇る九重夢大吊橋や、長者原温泉郷などの観光スポットが集り多くの観光客が訪れていましたが、ここ地蔵原ダムはそんな喧騒をよそにひっそりと佇んでいました。
吹き通る高原の風が爽やかなダムです。
 
追記
地蔵原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに18万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2738 地蔵原ダム (1051)
大分県玖珠郡九重町町田
DamMaps
筑後川水系地蔵原川
21.8メートル
95.3メートル
㎥/㎥
九州電力(株)
1922年
◎治水協定が締結されたダム

日出生ダム

2017-06-29 19:37:03 | 大分県
2017年6月18日 日出生ダム
 
日出生ダムは大分県玖珠郡玖珠町日出生の駅館川水系日出生川にある灌漑用ロックフィルダムで、農林省(現農水省)の駅館川総合開発事業により1969年(昭和44年)に竣工しました。さらに1979年(昭和55年)に日指ダムが竣工し駅館川総合開発事業はいったんの集大成を迎えることになりました。
ところが日出生ダム流域の73%が自衛隊の日出生台演習場となっており、演習による水源域の荒廃裸地化により保水力が低下する一方洪水流出率が増加し、日出生ダムの用水不足が顕在化してきました。
そこで大分県は1995年(平成7年)に防衛施設庁の補助事業である障害防止対策事業によって新たに香下ダムを建設、日出生ダムの用水不足を補うこととなりました。
現在は日出生ダム、日指ダム、香下ダムの3基併せて駅館川土地改良区連合が管理を行っています。
 
国道387号線を走ると『西椎屋の滝』の標識が現れます。これに従って東に折れると日出生ダム左岸ダムサイトに到着します。
クレストには赤が鮮やかなラジアルゲートが3門並びます。
 
もう少し下流側からゲートを見てみたいのですが、立ち入り禁止のためこれが精一杯です。
 
上流側から見たゲート。
 
天端は車両通行可能、アーチ状に湾曲してるのが分かります。
立ち入り禁止エリアで釣りをしているアフォーの車が1台止まっています。
 
上流面。
 
洪水吐導流部。
 
下流面
草が生え一見アースのようですがロックフィルダムです
ダムのすぐ下に景勝地である『西椎屋の滝』があります。
 
総貯水容量800万立米の貯水池
赤い屋根の取水塔がおしゃれ。
 
右岸から下流面
やはり湾曲しているのが分かります。
 
右岸のこの建物は?監査廊入口でしょうか?
 
ダムから歩いて20分くらいのところに西椎屋の滝の展望台があったのですが、朝からやたら蒸し暑かったのでやめました。
 
2763 日出生ダム(1050)
大分県玖珠郡玖珠町日出生
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
駅館川水系日出生川
48メートル
196.3メートル
千㎥/千㎥
駅館川土地改良区連合 
1969年

松木ダム

2017-06-29 16:21:50 | 大分県
2017年6月18日 松木ダム
 
松木ダムは大分県玖珠郡九重町にある灌漑用重力式コンクリートダムで、大分県の事業により1976年(昭和51年)に竣工しました。
現在は九重町が受託管理を行っています。
 
県道409号線を南下し田尻の三叉路に松木ダムを示す標識が現れます。これに従って左折すると道路は二股に分かれます。右手を採るとダム左岸、左手を採るとダム右岸に通じます。
今回は落石でダム右岸への道が通れなかったのでダム左岸からの見学にとどめました。
 
左岸高台に管理事務所があり堤体を俯瞰できます。
 
堤体上流側に取水設備があります
クレストは自由越流式が4門でどうやら越流してるようです。
 
堤体直下に利水放流設備らしきものが見えます。
またこのダムは河川維持放流を利用した小水力発電も行っているようです。
 
松木ダム記念碑。
 
管理事務所。
 
ここから堤体へと降りる管理通路は関係者以外立ち入り禁止。
右岸へ向かう道からはダムを下流から見れるポイントがあるようですが、通行止めのため叶いませんでした。
 
2779 松木ダム(1049)
大分県玖珠郡九重町松木
筑後川水系松木川
48.5メートル
128メートル
九重町
1976年

小野原ダム

2017-06-29 15:35:20 | 大分県
2017年6月18日 小野原ダム
 
小野原で『おのばる』と読みます。
小野原ダムは大分県玖珠郡玖珠町日出生にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1962年(昭和37年)に大分県の事業で建設され、玖珠町が管理を行っています。
 
県道679号線を東進、日出生小学校小野原分校を過ぎると左手に小野原ダム湖が見えてきます。
ダム湖北岸から、ダムといっても実質は溜池です。
堤体も含めて自衛隊日出生台演習場敷地内にあるため撮影ポイントは限られます。
 
斜樋をズームアップ。
 
右岸上流から
ダム湖は総貯水容量36万立米 背後に微かに由布岳が見えます。
 
右岸に洪水吐がありますがうまく撮影できません。
 
何とか堤体を撮影できました。
 
高原の牧草地にあるアースダムといった風情ですが、実際には自衛隊の日出生台演習場の敷地内のためなかなかうまく撮影できるポイントがありません。
地元の農家の方は演習時期以外は入っても大丈夫だよとはおっしゃいますが、ルールを破ってまで撮影するわけにもゆかず・・・
なんとなく消化不良に終わった小野原ダムでした。
 
3384 小野原ダム(1048)
大分県玖珠郡玖珠町日出生
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
駅館川水系日出生川
15.7メートル
171.5メートル
千㎥/千㎥
玖珠町 
1962年

深見ダム

2017-06-29 14:14:33 | 大分県
2017年6月18日 深見ダム
 
深見ダムは大分県宇佐市安心院町の駅館川水系深見川にある灌漑用重力式コンクリートダムで、防衛施設庁の補助を受けた大分県の障害防止対策事業により1972年(昭和47年)に竣工しました。
現在は宇佐市が受託管理を行っています。
深見川源流部には陸上自衛隊の日出生台演習場があり演習による荒廃裸地化で保水力が低下する一方洪水流出率が増加し、深見川を水源とする農業用水不足が顕在化してきました。
そこで大分県は防衛施設庁の補助を受けた日出生原演習場周辺障害防止対策事業に着手、灌漑用水源として深見川源流部に建設されたのが深見ダムです。
堤体は宇佐市に位置していますが、ダム湖は宇佐市、由布市、玖珠郡玖珠町の3市町にまたがっています。
 
由布院から県道50号を北上すると深見ダム湖の先に深見ダムの堤体が見えてきます。
 
右岸上流から
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐が2門のほか、水面下ですがオリフィスゲートがあります。
 
 
天端は県道679号線。
 
総貯水容量165万立米のダム湖
トラス橋は由布院へと通じる県道50号線
ダム湖の奥はすべて日出生台演習場となります。
 
導流面と減勢工
クレストから放流しています。
 
 
クレストゲートの下にオリフィスゲートと取水設備があるようです
取水設備へと向かう通路が珍しい形状。
 
ダムのプレート。
 
ここにきて自衛隊の障害防止対策事業で建設されたダムが続きます。
 
2765 深見ダム(1047)
大分県宇佐市安心院町寒水
駅館川水系深見川
38.5メートル
95メートル
宇佐市
1972年

若杉防災ダム

2017-06-29 13:34:43 | 大分県
2017年6月18日 若杉防災ダム
 
若杉防災ダムは大分県由布市湯布院町川北の大分川水系白滝川にある防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムで、防衛施設庁の補助を受けた大分県の障害防止対策事業により1965年(昭和40年)に竣工しました。
現在は由布市が受託管理を行っています。
白滝川上流には陸上自衛隊日出生台演習場があり、演習による荒廃裸地化で保水力が低下する一方洪水流出率が増加しました。
そこで白滝川下流域への土砂流出の抑制と灌漑用水の確保を目的に建設されたのが若杉防災ダムです。
 
由布院温泉街から県道50号を北上し、大分道の高架を潜るとすぐに右折すると若杉防災ダムに到着します。
ただしダム周辺は立ち入り禁止のためダムを間近に見ることはできません。
今回はダム上部から辛うじて堤体を撮影することができました。
 
 
ダムのすぐ上を大分道が走っており下り線からダムが俯瞰できるようです。
高速に停止しての撮影は危険ですので、走行中に助手席から撮影できないか?チャレンジしてみようと思います。
 
追記
若杉防災ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により併せてさらに56万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2762 若杉防災ダム
大分県由布市湯布院町川北
大分川水系白滝川
FA
33.5メートル
139メートル
由布市
1965年
◎治水協定が締結されたダム

久木野尾ダム

2017-06-29 10:17:25 | 大分県
2017年6月17日 久木野尾ダム
 
久木野尾で『くぎのお』と読みます。
久木野尾ダムは大分県杵築市山香町にある灌漑用ロックフィルダムで、防衛施設庁の補助を受けた大分県の障害防止対策事業により2014年(平成26年)に竣工しました。
運用開始後は杵築市が受託管理を行っています。
久木野尾川源流部には自衛隊の十文字原演習場があり、演習による洪水流出率の増加と保水力の低下により久木野尾川の水量が低下、農業用水不足が顕在化してきました。
これに対処するために大分県は防衛施設庁の補助を受けた十文字原演習場周辺障害防止対策事業に着手、灌漑用水源として久木野尾川上流部に建設されたのが久木野尾ダムです。
 
東九州道速見インターから県道24号線を北上、速見インター工業団地の標識に従って右折し工業団地を抜けそのまま進むと久木野尾ダムに到着します。
下流から
左岸に洪水吐があります。
 
堤体直下も立ち入ることができます
洪水吐導流部。
 
天端は車両通行可能。
 
天端から。
 
貯水池は総貯水容量52万7000立米
久木野尾川源流奥に十文字原演習場があります。
 
上流面。
 
下流面と洪水吐導流部。
 
左岸洪水吐。
 
上流側から見た洪水吐。
 
障害防止対策事業による久木野尾ダムの建設概要。
 
前日訪問した宇佐市の香下ダムも障害防止対策事業により建設されたダムでした。
大分県には自衛隊の演習場が多く、この手のダムはまだまだありそうです。
 
3343 久木野尾ダム(1046)
大分県杵築市山香町久木野尾
八坂川水系久木野尾川
34.7メートル
232メートル
杵築市
2014年

石山ダム

2017-06-28 23:44:53 | 大分県
2017年6月17日 石山ダム
 
石山ダムは大分県杵築市にある灌漑用ロックフィルダムで、大分県の土地改良事業で1981年(昭和56年)に建設され現在は杵築市土地改良区が管理を行っています。
 
杵築市街から県道49号線を北上、杵築インターを過ぎ石山ダム入口バス停で左手の枝道に入ると石山ダムに到着します。
現在県道49号線のバイパス工事が行われ、石山ダム湖(総貯水容量88万立米)には今年3月に完工したばかりのニールセンローゼ橋が架かっています。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐と上流面。
 
アングルを変えて
洪水吐の先に管理事務所と取水設備があります。
 
洪水吐導流部。
 
石山ダム堤体断面図。
 
上流面。
 
天端からは別府湾を挟んで微かに佐賀関半島が見えます
条件が良ければ四国の佐田岬も見えるのですがあいにくの霞みで・・・。
 
天端は車両通行可能。
 
下流面
ダム下は公園ですが、今回はバイパス工事による交互通行のためダム下への道へは入れませんでした。
 
ダム湖に架かるニールセンローゼ橋は今年3月に完工していますが、付け替え道路工事が未了のため県道バイパスはまだ通行できません。バイパスが完成すれば、この橋梁からダム越しに別府湾、さらに四国まで遠望ということも可能になるでしょう。
 
2781 石山ダム(1045)
大分県杵築市船部
高山川水系船部川
41メートル
142.4メートル
杵築市土地改良区
1981年
◎海が見えるダム

鍋倉ダム

2017-06-28 23:07:10 | 大分県
2017年6月17日 鍋倉ダム
 
鍋倉ダムは国東半島の付け根の大分県杵築市守江にある灌漑用ロックフィルダムで、大分県の事業で1991年(平成3年)に建設され現在は杵築市土地改良区が管理を行っています。
 
国道213号線の守江交差点を北に折れ天村川に沿って北上、住宅街を抜け二股を右手にとればダム左岸、左手にとればダム右岸に到着します。
今回は右手の道を進みました。
ダムサイトに向かって上がってゆくと左手にロックフィルの堤体が見えてきます。
手前には洪水吐導流部があります。
 
左岸の洪水吐と上流面。
 
アングルを変えて洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
下流面
天端は車両通行可能です。
 
天端から洪水吐。
 
右岸の斜樋。
 
天端からは別府湾が見えます
この日はかすんでいましたが、視界が良ければ対岸の大分の臨海工業地帯まではっきりと見えるそうです。
 
ダム湖は総貯水容量113万5000立米。
 
右岸から上流面。
 
下流からダムを見上げるポイントはありません。
天気が良ければもっときれいに海が見えたのに霞んでしまい残念でした。
 
2799 鍋倉ダム(1044)
大分県杵築市守江
天村川水系天村川
43.5メートル
170メートル
杵築市土地改良区
1991年
◎海が見えるダム

吉松新池

2017-06-28 16:05:48 | 大分県
2017年6月17日 吉松新池 
 
吉松新池は大分県国東市安岐町吉松にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1884年(明治17年)に吉松区によって建設されました。現在も安岐町吉松地区が管理を行っています。
 
ダム便覧では吉松新池は位置未確認となっていますが、位置データとして緯経度は提供されています。
これに該当するのが地図の溜池です。
実際に現地でこの池を見るとダム便覧に記されたデータと、目視ながら確認したこの池のサイズはほぼ一致しますのでここが吉松新池で間違いなさそうです。
 
吉松新池は大規模農道『オレンジロード』の志和利トンネル南口にあり『南星生コン』が目印になります。
堤体上をオレンジロードが走っています。
 
天端にあたる部分はセメントで固められています。
 
ダム便覧では総貯水容量11万1000立米の貯水池
目視ながらほぼそんなものでしょう。
 
左岸の池栓
石積みの池栓、こんなの初めて見ました。
 
 
真上から
どうやら石を積んでセメントで固めてあるようです。
 
上流面も石積みで護岸されています。
もしかして1884年(明治17年)の代物?
 
右岸から
湖面から伸びるホースは??
 
下流面は鬱蒼とした藪になっており下流側からの確認はできません。
それと洪水吐に当たるものが見当たりませんでした。
上の写真のホースがそれに代わるものなのか?
 
2728 吉松新池(1043)
大分県国東市安岐町吉松
安岐川水系吉松川
15.4メートル
70メートル
安岐町吉松地区 
1884年