2017年5月28日 真野ダム
真野ダムは福島県相馬郡飯館村の真野川にある福島県営の多目的重力式コンクリートダムです。
真野川は飯館村の三郷森付近に源を発し飯館村から南相馬市鹿島区を東西に横断して太平洋に注ぐ2級河川です。阿武隈山地北東端にあたる相馬地域は山懐が狭い上に真野川は急流河川のため豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらしてきました。
一方で渇水による干ばつ被害も多く安定した灌漑用水の確保が求められてきました。
さらに都市化の進展や相馬中核工業団地の造成により都市用水の需要増加が見込まれ新たな水源確保が課題となってきました。
これらの諸課題に対応するため福島県は真野川総合開発事業を策定、その中核施設として1991年(平成3年)に竣工したのが真野ダムです。
真野ダムは真野川の洪水調節、安定した河川流量の保持と既得取水権としての灌漑用水への補給、相馬市等への上水道用水及び工業用水の供給を目的とするほか、東北電力傘下の東北自然エネルギー(株)真野発電所で最大1100キロワットの発電を行っています。
真野ダムは県道268号線沿いにありアプローチは簡単です。
ダム下への道は立ち入り禁止ですが、県道から下流面をみることができます。
クレストには自由越流式洪水吐が並び、中央に真っ赤なラジアルゲートが1門設置されています。
下流面。
堤体には取水設備がビルトインされています。
天端に埋め込まれた方位版。
相馬野間追を描いた陶板。
高覧下にも馬が描かれています。
ダム湖(はやま湖)
総貯水容量3620万立米
鯉釣りの名所で上流では多くの釣り師が湖畔で糸を垂れていました。
堤体は右岸側が緩やかに湾曲しています。
右岸上流展望台から
堤体が湾曲しているのがよくわかります
それにしても赤いゲートが鮮やか。
同じ展望台からインクラインと『まのダム』の植栽。
ダム湖周辺はレクリエーションエリアとしてよく整備されていますが、やや荒れ加減なのは震災の影響なのでしょう。
追記
真野ダムには1100万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害予想される場合に事前放流により新たに最大1285万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
0524 真野ダム(1011)
福島県相馬郡飯館村大倉
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
真野川水系真野川
FNWIP
G
69メートル
239メートル
千㎥/千㎥
福島県土木部
1991年
◎治水協定が締結されたダム