2023年4月23日 小匠ダム
小匠(こだくみ)ダムは和歌山県東牟婁郡那智勝浦町小匠の二級河川太田川水系小匠川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
小匠(こだくみ)ダムは和歌山県東牟婁郡那智勝浦町小匠の二級河川太田川水系小匠川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
那智勝浦町を貫流する太田川は中下流域沿いに農地が広がっていますが、日本屈指の多雨地帯ということもあり、農地の洪水被害が頻発していました。
そこで和歌山県は農林省(現農水省)の補助を受け防災ダム事業に着手し、1959年(昭和34年)に竣工したのが小匠ダムです。
そこで和歌山県は農林省(現農水省)の補助を受け防災ダム事業に着手し、1959年(昭和34年)に竣工したのが小匠ダムです。
完成後は那智勝浦町が管理を受託し、太田川および小匠川流域の農地を洪水被害から守ります。
小匠ダムは普段は貯水池に水を溜めない流水型防災ダム、いわゆる穴あきダムですが、堤体を道路が貫通し洪水時には道路ゲートで道路を塞ぐ珍しい構造から、ダム愛好家の間ではよく知られた存在です。
ただ、近年の改修にあわせて堤頂部を通る道路が開通したことで、道路ゲートは閉じたままとなり、ダム堤体を貫通する道路を通行することはできなくなりました。
小匠集落から川沿いの林道を約2キロほどでダムに到着します。
ダム右岸に放流管が2門あり、平時は流入水はここからそのまま放流されます。
2門あるゲートはともに2段構成で上部は自由越流頂、下部はスライドゲートを備えています。
右手の水路は灌漑用水路で林道沿いを小匠集落まで流下します。
ゲートをズームアップ。
常用洪水吐となる放流管
手前の放流管には魚道があります。
こちらは灌漑用放流設備
この水が1枚目写真の灌漑用水路へ流下します。
訪問時は田植え前ということで、灌漑補給が行われていました。
こちらが堤体を貫通する道路
上流側にゲートがあり、洪水時以外は車での通行も可能でした。
現在は左岸に新しい道路が開通したので、ゲートは閉じたまま。
下流面
堤頂部からスロープが続き、簡易ながら天端高欄にも装飾が入っています。
天端には巻き上げ機が並びますが、立ち入り禁止。
上流に回り込みます。
こちらは道路ゲート、その形状からギロチンゲートと呼ばれています。
車で通り抜けてみたいという気持ちはありますが、そもそもうちのBMWでは車幅が広く通れない。
貯水池に下りてみます。
普段は貯水しない流水型防災ダムならではのアングル。
下流からはわかりませんでしたが、右岸の放流管にもゲートがついています。
接近してみます。
左から道路ゲート、灌漑用取水ゲート、上部が自由越流頂・下部がスライドゲートの非常用洪水吐2門、常用洪水吐となる放流管2門。
流入量等で操作規則が決まってるんでしょうが、それにしても洪水時のゲート操作が複雑そう。
1646 小匠ダム(1980)
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町小匠
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町小匠
太田川水系小匠川
F
G
35.9メートル
F
G
35.9メートル
137メートル
7490千㎥/7490千㎥
那智勝浦町
1959年
7490千㎥/7490千㎥
那智勝浦町
1959年