ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

武周湖(武周ヶ池)

2022-08-28 18:00:00 | 福井県
2022年7月28日 武周湖(武周ヶ池)
 
武周湖は福井県福井市二ツ屋町の大味川水系本流上流部にある発電目的のアースフィルダムです。
現地案内板によればもとは1590年(天正18年)に発生した土石流により出現した堰止湖で、大正期に当時の武周電力が発電用にダム化、電力国家管理法により北陸配電に接収されたのち1951年(昭和26年)に電気事業再編成令により新たに誕生した北陸電力が事業を継承、現在に至っています。
ここで取水された水は約1.6キロの導水路で蒲生発電所に送られ最大1600キロワットのダム水路式発電を行っています。

福井市風尾町の県道6号福井四ヶ浦線から大味川沿いの市道を南に約4キロ進むと武周湖に到着します。
武周湖の直下には副ダム?下池?があり、ここには大味川の維持放流設備及び二ツ屋地区への灌漑用水(二ツ屋用水)のバルブがあります。
写真右手のコンクリートが大味川向け放流路、左が二ツ屋用水。


こちらが副ダム。
武周湖を発電用ダム化する際、大味川流域の既得灌漑用水向けに設けられたようです。


副ダムの上流にあるアースフィル堤体。
こちらが武周湖本体の堤体となります。
さすが電力会社管理で盛夏にもかかわらず堤体はきれいに刈られています。


右岸の洪水吐越しの堤体。
ダムの右岸側は下流に盛り土が施されています。


水利使用標識。

武周湖(武周ヶ池)に至る道は中部北陸自然歩道になっています。
こちらはその案内板。


右岸の洪水吐。


洪水吐と堤体の断面。


洪水吐導流部は隧道で、その後大味川となります。


上流面
右手は艇庫で湖面にインクラインが伸びます。
奥が取水口。


取水口をズームアップ
スクリーンと除塵機が設けられています。
ここから1枚目写真の維持放流および二ツ屋用水向けの水が分水されています。


正確にはダムは武周湖、貯水池は武周ヶ池となるんでしょう。
総貯水容量226万1000立米。山を越えるともう越前海岸で、蒲生発電所も海岸沿いにあります。


0936 武周湖(1872)
福井県福井市二ツ屋町
大味川水系大味川
20.3メートル
91.5メートル
2261千㎥/931千㎥
北陸電力(株)
1920年

足羽川ダム

2022-08-28 12:00:00 | 福井県
2022年7月27日 足羽川ダム
 
足羽川(あすわがわ)ダムは福井県今立郡池田町小畑の一級河川九頭竜川水系足羽川右支流部子川に国交省近畿地方整備局が建設中の治水目的の重力式コンクリートダムです。
足羽川は九頭竜川支流日野川に合流する九頭竜川の2次支流ですが、福井市中心部を貫流することからその治水は戦国時代からの為政者の至上課題となってきました。
1983年(昭和58年)に建設省(現国交省)により足羽川本流への多目的ダム建設事業が着手されますが、用地買収の難航に加えバブル崩壊以降の利水需要の低減や公共工事見直し機運の高まりなどもあり事業は停滞します。
しかし2004年(平成16年)7月福井豪雨により福井市街で甚大な洪水被害が発生したことを受け事態は一転、治水ダムを求める声が高まりダムの目的を『FNWI』の多目的ダムから『F』のみの治水ダムへ、建設地点を従来の足羽川本流から右支流部子川に変更することで事業継続が決まりました。
2014年(平成26年)より本体工事が着工され、2026年(令和8年)竣工をめどに現在は基礎掘削工事が行われています。
完成の暁には堤高96メートル、堤頂長351メートルの日本最大の流水型治水ダムとなる予定です。

ダムは支流の部子川に建設されますが、足羽川本流など4か所への分水施設と集水トンネルを整備することで流域面積105.2平方キロのうち7割の70平方キロがこれら集水トンネル経由となり、足羽川本流の洪水調節も可能になります。
分水施設及び集水トンネル(国交省足羽川ダム建設事務所HPより)


建設現場は平日昼間のみ、ダム左岸上流側に設けられた展望台から見学可能です。
現在は基礎掘削工事中
勾配60度を超える急傾斜のベルトコンベアに目が釘付け。










展望台にある建設工事マップ。


足羽川ダムの説明板。


建設現場に近接する『ダムギャラリーあすわ』
ここでダムカードがいただけます。


完成すればこんな感じ。

福井ならばまた訪問する機会もあるでしょう。
コンクリート打設が始まれば再訪したいものです。

0952 足羽川ダム(1871)
福井県今立郡池田町小畑 
九頭竜川水系部子川 
 
 
96メートル 
350.6メートル 
28700千㎥/28200千㎥ 
国交省近畿地方整備局 
2026年竣工予定

滝波ダム

2022-08-27 20:00:00 | 福井県
2022年7月27日 滝波ダム

滝波ダムは福井県福井市滝波町の九頭竜川水系滝波川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
滝波川が注ぐ志津川は九頭竜川水系日野川の2次支流ですが、洪水時は日野川からのバックウォーターによる氾濫が絶えず抜本的な治水対策が求められていました。
滝波ダムは1978年(昭和53年)に農水省の補助を受けた県営防災ダム事業滝波地区によって着工され、1986年(昭和61年)に竣工しました。
完成当初は当時の清水町が、現在は市町村合併により福井市が管理を受託し志津川流域の約90ヘクタールの農地防災を担っています。
ダム湖上流一帯は福井市営のアウトドア施設であるSSTランドが開設され、キャンプ場やバンガロー、バーベキュー設備、パターゴルフ場などを備えた市民の憩いの場となっています。

滝波ダムは県道6号福井四ケ浦線沿いにありアプローチは簡単です。
県道から下流面
センターコアロックフィルダムということですが、下流面には草木が茂りフィルダムの面影はありません。
何とか洪水吐斜水路の位置は確認できるものの、あとは何が何やら…


左岸ダムサイトのダムの概要説明板
本当にこういう説明板はありがたい。


こちらは竣工記念碑裏側の由来文。
概要説明板ともどもダムを理解する重要な手がかりです。


左岸の洪水吐導流部。


横越流式洪水吐。


天端は車両通行可能。
天端からダムの下流面を撮影しようと思いましたが、草深く断念。


右岸から見た上流面
こちらにも木が伸び始め、早晩森になりそう。


総貯水容量57万7000立米の貯水池。
堆砂容量15万1000立米分が貯留されています。


右岸湖畔にある常用洪水吐となる放流ゲートで、平時は流入量をそのまま放流します。
奥は管理事務所ですが、職員の常駐はありません。


ダム湖上流側は親水護岸が設置され多くの釣り客が釣り糸を垂れています。


SSTランドの看板
かなり傷んでいます。


ダム湖に架かる吊橋。


SSTランドはアウトドア施設としてはなかなかのクオリティー
でもダムの下流面は放置されジャングル状態。
木が根を張り巡らせれば提体の性能にも影響が出ると思うんですが…。

(追記)
滝波ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0949 滝波ダム(1870)  
福井県福井市滝波町 
九頭竜川水系滝波川 
 
 
30.3メートル 
136.3メートル 
577千㎥/426千㎥ 
福井市 
1986年
◎治水協定が締結されたダム

小倉見ダム

2022-08-27 15:00:00 | 福井県
2022年7月27日 小倉見ダム

小倉見ダムは福井県丹生郡越前町佐々生の九頭竜川水系和田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1900年(明治33年)竣工とあるだけで事業者等の記載はありません。
管理は受益者で組織される佐々生農家組合が行っています。
またダム便覧では堤高が15.3メートルとなっている一方、福井県ため池データベースでは12.2メートルとなっています。
ため池データベース作成に合わせて測量を行っているようなので、これが正しいならダムの要件未達となります。
貯水容量も6万立米と小さく、名前にこそ「ダム」がついていますが、事実上は溜池です。

県道189号線沿いの有限会社小林商事という産廃業者の敷地の北側に池への入り口があり、100メートルほど歩くと池に到着します。
ダム便覧には堤頂長の記載はなくため池データベースでは12メートルとなっていますが、さすがに堤頂長12メートルは誤記でしょう。
見た目は50メートルと言ったところ。


天端から
直下に上記産廃業者の敷地があります。


上流面中央の取水栓。


貯水容量6万立米の小さな貯水池。


下流面
盛夏にもかかわらず草がきれいに刈られ、整備は行き届いています。
現在も受益農家にとっては重要な水源であることが伺えます。


上流面
コンクリートで護岸。


右岸の越流式洪水吐。


越流部には穴が三つ
木栓を差し込んで水位や越流量を調整するようです。


洪水吐導流部。

できればダム下も見学して底樋なども確認したかったのですが、産廃業者の私有地に立ち入ることになるので自重しました。

3430 小倉見ダム(1869)
福井県丹生郡越前町佐々生
九頭竜川水系和田川
15.3メートル(ため池データベース 12.2メートル
--メートル(ため池データベース 12メートル)
60千㎥/60千㎥
佐々生農家組合
1900年

開谷ダム

2022-08-27 12:00:00 | 福井県
2022年7月27日 開谷ダム

開谷ダムは福井県丹生郡越前町八田の九頭竜川水系開谷川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
開谷川は流路延長4.2キロの小河川ですが、急こう配に加え水源の『蛇ヶ池』という地名からも窺えるように暴れ川で洪水被害が多発していました。
開谷ダムは1972年(昭和47年)に農林省の補助を受けた県営防災ダム事業八田地区によって着工され、1977年(昭和52年)に竣工しました。
現在は越前町が管理を受託し開谷川流域の約110ヘクタールの農地防災を担っています。

センターコア型式のロックフィルダムということですが、下流面には木々が茂り『森』状態
ダム下はおろか、下流面をまともに撮影することもできません。


天端は車両通行可能。


右岸ダムサイトの事業説明板。


左岸の管理事務所と放流ゲート
これが常用洪水吐となり最大3立米/秒まで、流入量はそのまま放流するのですが?


天端高欄には竹の意匠
ダムの受益地となる旧宮崎村は竹細工が盛んな地域で、それを受けての装飾でしょう。


総貯水容量10万7000立米のダム湖
ダムの目的は『F』のみで堆砂容量は7000立米以外は農地防災容量のはずなんですが、実際の貯水量はほぼ満水。
農地防災ダムとして建設されたものの、実際には灌漑用貯水池として運用されているのかも?


奥にはコンクリート構造物が、
たぶん水位計。


洪水吐導流部
木が茂り何の写真かよくわかりません。


左岸の横越流式洪水吐。


アングルを変えて。


左岸の竣工記念碑と祠。

天端からダム下に通じる道はありますが、ダム下も木が密生しており堤体の写真撮影は叶いませんでした。
防災専用ダムにもかかわらず、満水のダム湖が謎です。

0946 開谷ダム(1868)  
福井県丹生郡越前町八田 
九頭竜川水系開谷川 
 
 
24.5メートル 
50メートル 
107千㎥/100千㎥ 
越前町 
1977年

総ヶ谷ダム

2022-08-27 08:00:00 | 福井県
2022年7月27日 総ヶ谷ダム
 
総ヶ谷ダムは福井県越前市千合谷町の九頭竜川水系馬戸谷川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
受益地となる福井県の旧白山村は地域の大半が丘陵地のため水利に乏しく零細農業が大半となっていました。
1975年(昭和50年)に農水省の補助を受けた県営事業が着手され1980年(平成55年)に竣工したのが総ヶ谷ダムです。
運用開始後は武生白山土地改良区が管理を受託し、水田53.6ヘクタール、畑地39.8ヘクタール、計93.6ヘクタールへの灌漑用水の供給が開始されました。

越前市千合谷町の県道19号武生米ノ線から馬戸谷川沿いを南西に折れます。
谷筋に水田が続き、一番のドン詰まりに総ヶ谷ダムがあります。
ダムと言っても見た目は大きめの溜池、堤高31.4メートルの均一型アースフィルダムです。
手前の水路管は受益地への送水管。


右岸には底樋門があります。
この水路とは別に上の写真の送水管で受益地に送水されます。


左岸ダムサイトに上がります。
天端は開放され車両の通行もできます。


概要説明板。
ネットではこのダムの情報はほとんどないのでこういう説明板はありがたい。


洪水吐越しの上流面。


右岸の斜樋
シャフトは5本で最大取水量は0.631立米/秒。


左岸の横越流式洪水吐。


天端からの眺め
谷筋に水田が続きます。


総貯水容量は23万立米。


右岸にある管理事務所、この裏手に斜樋があります。


0948 総ヶ谷ダム(1867)
福井県越前市千合谷町 
九頭竜川水系馬戸谷川 
 
 
31.4メートル 
113.5メートル 
230千㎥/210千㎥ 
白山土地改良区
1980年

吉野瀬川ダム

2022-08-26 22:00:00 | 福井県
2022年7月27日 吉野瀬川ダム
 
吉野瀬川ダムは福井県越前市広瀬町の九頭竜川水系吉野瀬川に福井県土木部の事業で建設中の治水目的の重力式コンクリートダムです。
1986年(昭和61年)に補助多目的ダムとして事業着手されましたが、バブル崩壊以降の利水需要の低減や公共工事見直し機運が強まる中、国交省による検討対象ダムとなります。
しかし2004年(平成16年)7月福井豪雨の経験もあり地元からのダム建設要望は強く、2011年(平成23年)にダムの目的を『FN』に変更し、補助治水ダムとしての事業継続が決まりました。
2021年(令和3年)に本体工事が起工され、2022年(令和4年)7月現在は基礎掘削工事が進行中です。

ダムのスケールは堤高58メートル、堤頂長190メートル、総貯水容量780万立米となり、完成の暁には吉野瀬川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給を目的として運用される予定です。
 
ダム完成予想図(吉野瀬川ダム建設事務所HPより)。


残念ながら一般見学者向けの展望施設などはなく、工事現場を目にすることはできません。
工事現場入口の説明板。

吉野瀬川ダム建設事務所
ここでダムカードがもらえます。


2951 吉野瀬川ダム
福井県越前市広瀬町 
九頭竜川水系吉野瀬川 
FN 
G 
58メートル 
190メートル 
7800千㎥/6800千㎥ 
福井県土木部 
1986年事業着手
2021年本体工事着工

桝谷ダム

2022-08-26 18:00:00 | 福井県
2022年7月27日 桝谷ダム
 
桝谷ダムは福井県南条郡南越前町桝谷の一級河川九頭竜川水系日野川右支流桝谷川にある福井県土木部が管理する多目的ロックフィルダムです。
九頭竜川最大支流である日野川は流路延長71.5キロ、流域面積1275平方キロに及び古くから福井平野の灌漑用水源となってきました。
1976年(昭和51年)に県土木部により広野ダムが建設され治水面での効果が上がりましたが、灌漑用水については夏場の渇水が多く安定した水源確保と灌漑施設の整備が求められていました。
このような中、1991年(平成3年)に農水省による国営日野川用水農業水利事業が着手されます。
同事業には日野川の治水安全度確率引き上げによって広野ダムに容量不足が生じた県土木部も事業参加、両者の共同事業として2005年(平成17年)に竣工したのが桝谷ダムです。
桝谷ダムは2310万立米と広野ダムの2倍以上の貯水容量を持つ一方、流域面積10.2平方キロは広野ダムの4分の1に留まり集水域と貯水量にギャップがありました。
そこでダムと同時に広野ダム上流に二ツ屋分水堰が建設され、日野川本流から桝谷ダムへ導水することで2ダム一体運用により効果的なダム運用が可能となりました。
桝谷ダムの流域面積30.46平方キロのうち直接流域は10.16平方キロに留まり、貯水の3分の2は二ツ屋分水堰からの補給に依ります。
完成後は広野ダム二ツ屋分水堰とともに福井県土木部により統合管理され、日野川の洪水調節、日野川用水土地改良区約5600ヘクタールへの灌漑用水の供給、鯖江市及び武生市(現越前市)への上水及び工水の供給を目的として運用されています。

堤高100.4メートルと県管理のロックフィルとしてはなかなかのスケール。


向って右から放流設備の放流口、桝谷ダム発電所の放流口
一番左は洪水吐減勢工からの水路。


提体と洪水吐斜水路
斜水路は堤体脇の地山に作られています。


ダム下の放流設備と小水力発電所。


左岸に回ります
地山の向こうに白い斜水路が見えます。


天端は2車線幅がありますが、車両は進入できません。


上流面
水位が下がり、上流面には美しい模様が。


天端からダム下を見下ろします
手前が発電所、奥の建屋が放流設備。


右岸の横越流式洪水吐
越流部に切欠きがありこれが常用洪水吐になります。
奥は管理事務所。

上流から見た洪水吐
できれば上から斜水路も見たかったのですが、見える場所がありません。


ダム湖は『ますたに湖』
総貯水容量は2500万立米ですが、集水の3分の2は日野川本流からの導水に依ります。
左手に傾斜式直線多段ゲート。


こちらが二ツ屋導水路吐口
訪問時は水はちょろちょろ。


竣工記念碑裏面には農林水産省と福井県が併記
桝谷ダムは農水省施工で、県土木部との共同事業で建設されたため多目的ダムの括りとしては兼用工作物となります。


(追記)
桝谷ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0951 桝谷ダム(1866)
福井県南条郡南越前町桝谷
九頭竜川水系桝谷川
FAWI
100.4メートル
345.9メートル
25000千㎥/23100千㎥
福井県土木部
2005年
◎治水協定が締結されたダム

二ツ屋分水堰

2022-08-25 20:00:00 | 福井県
2022年7月27日 二ツ屋分水堰
 
二ツ屋分水堰は福井県南条郡南越前町広野の一級河川九頭竜川水系日野川上流部にある福井県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
九頭竜川最大支流である日野川では1976年(昭和51年)に県土木部により補助多目的ダムとして広野ダムが建設され、さらに1994年(平成6年)より支流の桝谷川に農水省と県土木の共同事業で桝谷ダムが着工されました。
しかし本流の広野ダムの流域面積は42.3平方キロで有効貯水容量960万立米、一方桝谷ダムの流域面積は10.2平方キロで有効貯水容量2310万立米と集水域と貯水量にギャップがありました。
そこで桝谷ダムの貯水容量を有効活用するために広野ダム上流2キロ地点に二ツ屋分水堰を、堰から桝谷ダムへの3.15キロの導水路の建設も同時に進められました。
桝谷ダムおよび二ツ屋分水堰はともに2005年(平成17年)に竣工、これにより広野ダム桝谷ダム2ダム一体運用によるより効果的なダム運用が可能となりました。
完成後は広野ダム桝谷ダム、二ツ屋分水堰ともに福井県土木部により統合管理されています。

具体的には二ツ屋分水堰の流域面積は20.3平方キロあり、洪水時はこの水量をカットして桝谷ダムに導水します。
また、桝谷ダムの利水容量についても不足分は当分水堰から補給されます。
桝谷ダムの流域面積は30.5平方キロですが、うち直接流域は10.2平方キロに留まり集水の3分の2は当分水堰からの導水に依ります。

広野ダム桝谷ダム・二ツ屋分水堰の位置関係
(日野川用水土地改良区HPより)


広野ダムから約2キロ遡上すると二ツ屋分水堰が見えてきます。
下流からダム全景を見ることはできませんが、自由越流頂4門と放流設備としてジェットフローゲート1条を備えています。


ダムサイトにある説明版。


竣工記念碑。

分水堰ということで、ダム自体はシンプルな構造
左右両岸には堤趾導流壁が設けられ、内側はカスケードになっています。
訪問時は桝谷ダムへの導水は行われておらず美しい越流が見られました。


天端は車両通行可能で、奥には林道が続きます。


上流面。


天端から減勢工を見下ろす。


貯水池
分水堰のため4万5000立米の堆砂容量の配分があるだけで利水容量の配分はありません。


左岸から。


二ツ屋分水堰の根幹となる取水設備。
洪水時には最大集水面積20.5平方キロ分をカットして桝谷ダムへ導水するほか、桝谷ダムの利水容量も一部補給します。


左岸から上流面。

3328 二ツ屋分水堰(1865)
福井県南条郡南越前町広野
九頭竜川水系日野川
FNAWI
24.7メートル
97.5メートル
----千㎥/----千㎥
福井県土木部
2005年

広野ダム

2022-08-25 16:00:00 | 福井県
2022年7月27日 広野ダム
 
広野ダムは福井県南条郡南越前町広野の一級河川九頭竜川水系日野川上流部にある福井県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
九頭竜川最大支流である日野川は流路延長71.5キロ、流域面積1275平方キロに及び古くから福井平野の貴重な水源となる一方、その治水は為政者の至上命題でもありました。
福井県土木部は1970年(昭和45年)に日野川本流への多目的ダム建設を軸とした日野川総合開発事業を採択、建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムとして1976年(昭和51年)に広野ダムが竣工しました。
広野ダムは治水安全度1/70年確率での日野川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、鯖江市・武生市(現越前市)への工業用水の供給を目的として運用が開始されました。
1996年(平成8年)には利水放流を利用した福井県企業局広野発電所(最大出力1400キロワット、2010年に陸電力に移管)が増設されダムの目的は『FI』から『FIP』に変更されました。
しかしその後九頭竜川水系の治水安全度が1/100年確率に引き上げられたことや都市用需要増加もあり広野ダムでは容量不足が生じました。
そこで県土木部は、農水省が日野川右支流桝谷川に計画していた桝谷ダム建設事業に参加、2005年(平成17年)に同ダムが竣工しました。
広野ダムの流域面積は42.3平方キロで有効貯水容量960万立米、一方桝谷ダムの流域面積は10.2平方キロで有効貯水容量2310万立米と集水域と貯水量にギャップがあるため、桝谷ダム建設と同時に広野ダム上流に二ツ屋分水堰が建設され、日野川本流から桝谷ダムへ導水することで2ダム一体運用によるより効果的なダム運用が可能となりました。
現在は広野ダム、桝谷ダム二ツ屋分水堰ともに福井県土木部により統合管理されています。

広野ダム・桝谷ダム二ツ屋分水堰の位置関係
(日野川用水土地改良区HPより)


今庄から日野川沿いに県道231号を9キロほど南東に進むと広野ダムに到着します。
ダム下は立ち入り禁止のためダムを正面から見ることはできません。
右岸下流側にはスペースがなく超広角で何とかフレームに。


ダムサイトの竣工記念碑。


右岸のインクラインと艇庫。


ゲート越しの減勢工
日野川はダム直下で直角に曲がっています。

ダム湖名はそのまま『広野ダム湖』
総貯水容量は1130万立米で、上流約2キロに二ツ屋分水堰があります。


左岸展望台から
こちらの方がダムがよく見えます。
非常用洪水吐としてクレストラジアルゲート2門、常用洪水吐としてコンジット高圧ラジアルゲート1門
さらに小流量用放流設備としてホロージェットバルブ1条を備えています。
コンジットゲートは昭和40年代着工のダムらしく操作建屋が前面に張り出しています。


一番奥の建屋が1996年(平成8年)に増設された広野発電所
当所は福井県企業局の運営でしたがその後北陸電力に移管されました。
その手前の斜めの建屋はホロージェットバルブ。


左岸上流側の倉庫?
今は資材置き場になっているようですが、足元には4本のレール
かつてはガントリーが設置されていたのかも?


上流面
コンジット予備ゲートが見えます。
対岸の四角い建物は管理事務所。


高い位置から
天端は市道で一般車両の通行ができます。
この道は小説や映画の題材となった夜叉ヶ池へのアプローチとなります。


上流から
ここから見るとダムの構造がわかりやすい。


(追記)
広野ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0945 広野ダム(1864)
福井県南条郡南越前町広野
九頭竜川水系日野川
FNIP
63メートル
162メートル
11300千㎥/9600千㎥
福井県土木部
1976年
◎治水協定が締結されたダム

大津呂ダム

2022-08-25 10:00:00 | 福井県
2022年7月26日 大津呂ダム
 
大津呂ダムは左岸が福井県大飯郡おおい町野尻、右岸が同町山田の佐分利川水系大津呂川源流部にある福井県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。 
大津呂川は流路延長3.4キロ、流域面積4.75平方キロの小河川ですが、古くから流域の水源として利用される一方洪水や干ばつが多く抜本的な治水・利水対策が求められていました。
福井県は建設省(現国交省)による小規模ダム補助事業である
生活貯水池事業を活用し大津呂川への多目的ダム建設を採択、2011年(平成23年)に竣工したのが大津呂ダムです。
大津呂ダムは大津呂川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、おおい町への上水道用水の供給を目的としています。
 
ダム下への入り口にはゲートがあり原則立ち入り禁止ですが、今回は職員さんの許可を得て写真を撮らせていただきました。
クレスト自由越流頂1門、自然調節式オリフィス1門のシンプルなゲートレスダム。


左岸ダムサイトから
洪水吐左岸側が下流側に折れた『カド』のあるダム。


高い位置にある左岸の林道から超広角で。


上流面
コンクリートを見と常時満水位であるEL93.5メートルまで濡れた跡がありますが、訪問時は水位がぐっと下がり貯水率はかなり低くなっています。


総貯水容量はわずか48万5000立米。
水位が下がったおかげで普段水中にある仮締切が姿を現しています。
運用開始後は上流の砂防ダムともども貯砂ダムの役割を果たしているようです。


屈曲した天端。


定番の『カド』。


減勢工。


写真右下は浄水場。
正面高台にあるのが管理事務所。


大津呂ダムで目立つのがカッパの頭のような放流設備とRを多用した導流壁のカーブ。
導流壁については直前に訪問した河内川ダムとも共通するデザイン。
調べると同じニュージェックさんの設計でした。


右岸から上流面
ダムが折れているので独特の眺めになります。


左岸から伸びるのは巡視艇繋留施設。


上流から遠望。


小ぶりな生活貯水池ダムですが、カドやRを多用した導流壁のデザインなどなかなか見どころの多いダムでした。

3039 大津呂ダム(1863)
左岸 福井県大飯郡おおい町野尻
右岸         同町山田
佐分利川水系大津呂川
FNW
40.6メートル
158.5メートル
485千㎥/430千㎥
福井県土木部
2011年

河内川ダム

2022-08-24 23:00:00 | 福井県
2022年7月26日 河内川ダム
 
河内川(こうちがわ)ダムは福井県三方上中郡若狭町河内の一級河川北川水系河内川にある福井県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、北川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、特定灌漑用水、上水道用水及び工業用水の供給を目的として2019年(令和2年)に竣工しました。
また河川維持放流を活用して福井県河内川ダム発電所(最大199キロワット)で小水力発電を行っています。

北川は国交省近畿地方整備局管内の一級河川水質ランキング1位の清流として知られる一方、ダムの下流にある熊川宿は鯖街道の拠点として周辺を代表する観光スポットとなっています。
国道303号線の熊川宿から北川沿いを西進すると河内川ダムに到着します。
 
ダム下から
非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂4門、常用洪水吐として自然調節式オリフィス1門を備えています。
手前の建屋は河内川ダム発電所。


左岸から
2019年(令和2年)竣工で、コンクリートもいかにも出来立てといった風。
堤頂部はカドがなく緩やかなカーブを描きながらスロープに続く柔和なデザイン。
できればコンクリートの汚れをきれいにしてくれればもっと見栄えがいいのに。


左岸展望所から超広角で。
堤趾導流壁がなく、フーチングもRを活かしたデザインんで圧迫感が感じられません。


天端は車両通行可能。



ダム湖は明神湖


ダムサイト倉庫に格納された巡視艇。

マンホールには熊川宿のキャラクター『クマ川さん』
ダムから身を乗り出すこのデザインは『進撃のクマ川さん』。


管理事務所も洒落たデザイン。
一階は資料館になっています。


天端から。
洪水吐左手は放流設備と小水力発電所
さらに左手斜面中段、説明板で『支管放流ゲート』と記されたこの設備は下流の関西電力熊川発電所向け送水設備
ダム建設により既設の取水堰が水没したためここに移設されました。


オリフィスゲートと試験湛水用の角落し。


ダム湖の明神湖
総貯水容量は800万立米。
今後レクリエーション設備の整備が進められるようです。


導流壁はRを多用した独特のデザイン。
提体堤頂部のカーブと併せ淡路島の北富士ダム成相ダムとの共通点が多く見られます。
調べるとともにニュージェックさんの設計でした。


上流から遠望。


ゲートをズームアップ。

2019年(令和元年)竣工の新しいダムですが、Rを多用した柔和なデザインなど大量生産型ダムとは一線を画す魅力的なダムです。

(追記)
河内川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0954 河内川ダム(1862)
福井県三方上中郡若狭町河内
北川水系河内川
FNAWI
77.5メートル
202.3メートル
8000千㎥/7200千㎥
福井県土木部
2019年
◎治水協定が締結されたダム

浄土寺川ダム

2016-11-11 10:57:49 | 福井県
2016年11月5日 浄土寺川ダム
 
浄土寺川ダムは福井県勝山市勝山の九頭竜川水系浄土寺川にある福井県営の多目的重力式コンクリートダムです。
勝山市の標高1357メートルの法恩寺山に源を発し西進したのち勝山市中心街を横断して九頭竜川に注ぐ浄土寺川は古くから流域に洪水被害をもたらし、抜本的な洪水対策を求める声が高まっていました。
一方バブル期のリゾート開発熱の高まりを受けて浄土寺川源流部でのスキー場新設を中心とした大規模リゾート(スキージャム勝山)開発が決まり、森林伐採等による土砂流出量増加及び保水力低下による浄土寺川既得取水権への補給不足への対応、いわゆる防災調整池が必要となってきました。
そこで福井県は1988年(平成元年)に浄土寺川総合開発事業を策定、浄土寺川への多目的ダム建設を決定しました。
まず流出量増大に対応するため本体工事に先駆け1996年(平成8年)にダム建設予定地上流に貯砂ダムが完成、ついで2000年(平成12年)より本体工事が着手され、2008年(平成20年)に浄土寺ダムが竣工しました。
浄土寺川ダムは浄土寺川の洪水調節、既得取水権として流域への灌漑用水及び勝山市への冬季融雪用水の補給と暗転した河川流量の保持、勝山市への新規上水道用水供給を目的としています。
ダム建設に当たっては周辺環境への配慮からシビックデザインが採用され、ダム下流面にはスリットの入った特徴的なデザインが施されています。
 
勝山市街から国道157号を北上するとすぐに浄土寺川ダムへの標識が現れます。これに従って右折すると浄土寺川ダムに到着します。
右岸から。
 
シビックデザインが採用され堤体に縦に入ったスリットが入った特徴的なデザインとなっています。
 
減勢工と利水放流設備建屋。
豪雪地帯ということでエレベーターから建屋への通路はコンクリートで被覆されています。
 
ダム湖
奥に見えるのは法恩寺山、東急勝山スキージャムのゲレンデです。
浄土寺川はこの大規模スキーリゾート開発に伴う保水力低下による流出量増加に対応する防災調整池の機能も持っています。
 
天端は車両通行禁止
左手が管理事務所、右手は取水設備操作室とオリフィスゲート操作室。
 
河川維持放流が行われています。
 
左岸から下流面。
 
上流面
左はオリフィスゲート 右手は取水設備 右端に船着き場の桟橋があります。
 
ダム湖上流から。
 
堤体直下から。
 
ダム湖上流には堤高22メートルの立派な貯砂ダムがあります。
1996年(平成8年)にダム本体に先駆け完成しました。
スキーリゾート建設による土砂流出量増加に対応しています。
 
陰影が大きく撮影しずらい時間だったのが残念。
 
 
上流から。
 
天端。
 
魚道もあります。
 
浄土川ダムはダム巡りを始めて記念すべき700基目のマイルストーンになりました。
 
3038 浄土寺川ダム(0700)
福井県勝山市村岡町浄土寺
九頭竜川水系浄土寺川
FNW
72メートル
233メートル
2160千㎥/1880千㎥
福井県土木部
2008年
◎治水協定が締結されたダム

永平寺ダム

2016-11-11 10:12:35 | 福井県
2016年11月5日 永平寺ダム
 
永平寺ダムは福井県吉田郡永平寺町の永平寺川にある福井県営の多目的重力式コンクリートダムで、2001年(平成13年)に建設されました。
永平寺川及び合流先の九頭竜川の洪水調節、永平寺川の河川流量の維持及び既得取水権への補給、永平寺町および福井市への上水道供給を目的としています。
総貯水容量が100万㎥に満たないいわゆる『生活貯水池』です。
計画時点では永平寺川ダムという名称でしたが竣工時に永平寺ダムに改名されました。またダム湖は永平寺開祖の道元禅師が籠った大佛寺や大佛寺山にちなんで『大佛湖』と命名されています。
 
国道364号線を南下し永平寺を目指します。永平寺入口のすぐ先に永平寺ダムの標識がありこれに従って左折すると永平寺ダムサイトに到着します。
左岸から
逆光で難しい撮影になりました。
 
ダム湖上流から
クレストは2門の自由越流式、中央にオリフィスゲートがあります。
右手は取水設備。
 
天端は歩行者のみ通行可。
右手はオリフィスゲート機械室。
 
ダム湖(大佛湖)
総貯水容量77万㎥の小さなダム湖です。
 
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
 
コンジットゲートと操作室。
 
減勢工。
 
右岸から上流面
左は管理事務所
ダム左岸に船着きの桟橋があります。
 
下流から見上げてみます。
こちらも逆光・・・
オリフィスから放流されています。
 
洪水吐は遮光器土偶の顔のようです。
 
3122 永平寺ダム(0699)
福井県吉田郡永平寺町志比
九頭竜川水系永平寺川
FNW
55メートル
177メートル
770千㎥/630千㎥
福井県土木部
2001年
◎治水協定が締結されたダム

九頭竜川鳴鹿大堰

2016-11-10 21:46:21 | 福井県
2016年11月5日 九頭竜川鳴鹿大堰
 
九頭竜川鳴鹿大堰は福井県坂井市と永平寺町に跨る九頭竜川にある国交省直轄管理の可動堰です。
鳴鹿地点では古く平安末期に灌漑用水路が開削され江戸時代には固定堰が建設され越前平野の農地拡大が進みました。
戦後農水省の九頭竜川農業水利事業により鳴鹿頭首工が完成、九頭竜川流域の灌漑用水供給が一段と充実したほか、上水道水源としても利用がはじまりました。
ところが鳴鹿頭首工の老朽化や堆砂の進行、さらに水需要の拡大により堰堤の改良が喫緊の課題となりました。
そこで国交省近畿地方整備局は鳴鹿頭首工改良事業を策定、旧頭取工の直下に2003年(平成15年)に完成したのが九頭竜川鳴鹿大堰です。
九頭竜川鳴鹿大堰は九頭竜ダム、真名川ダムと連携して九頭竜川の洪水調節を行うほか九頭竜川の流量維持と既得取水権への補給、上水道及び灌漑用水の供給を目的としています。
 
福井から国道416号を東進、永平寺町に入ると左手に九頭竜川流域防災センターの標識がありこれに従って左折すると鳴鹿大堰に到着します。
名称の鹿をモチーフにした竣工記念モニュメント。
 
堰柱も鹿をモチーフにしたデザイン。
ゲートは油圧シリンダー直吊り式を採用しスッキリした形状です。
 
 
上流には旧鳴鹿頭首工の遺構。
 
右岸に回り込みます。
 
下流から。
 
ズームアップ。
 
右岸の魚道。
 
右岸幹線用水路取水ゲート。
 
沈砂池。
 
 
取水口。
 
右岸の九頭竜川鳴鹿堰堤土地改良区連合事務所にある巨大な水系図。
 
3026 九頭竜川鳴鹿大堰(0698)
福井県吉田郡永平寺町法寺岡
九頭竜川水系九頭竜川
FNW
FG
5.7メートル
311.6メートル
667千㎥/132千㎥
国交省近畿地方整備局
2003年