2018年3月21日 亀越池
亀越池は香川県仲多度郡まんのう町炭所東の土器川水系大谷川にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
起源は江戸初期の寛永年間まで遡り、当時干ばつで苦しんでいた岡田村(現丸亀市綾歌町岡田上)の役人だった岡田久次郎が私財を投下して1633年(寛永10年)に築造しました。
池の完成により岡田村の生産石高は3倍にも膨れ上ったそうです。
平成に入り県営のかんがい排水事業で水路が整備されるとともに、国営の農地総合防災事業により池の大規模な改修が行われ現在の姿となりました。
県営事業にあわせて従来岡田上地区が利用してきた亀越池用水と香川用水の水源転換に掛かる協定が結ばれ、亀越池直下流の満濃東部地区の受益者が亀越池の水を利用できるようになり、より効率的な水利用が可能となりました。
池の管理は現在も岡田上地区の受益者で構成される綾歌郡亀越池土地改良区が行い543ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また石製の底樋管がCランクの近代土木遺産に選ばれています。
下流から遠望。
堤体は犬走りを挟んで2段構成、基部はコンクリートの擁壁。
堤体左手から滝のように水が流下しています。
洪水吐からの導流部が自然の岩盤を流下しており、直近の雨で水位が上がった影響でまるで天然の滝のような様相です。
こちらは底樋樋門。
石造り扁額入りの立派なポータルで、底樋管全体がCランクの近代土木遺産に選ばれています。
堤体下流面。
堤体は害獣防止フェンスで厳重に囲まれています。
天端や下流面には猪が掘削したような穴が多数あり、漏水につながる猪除けのフェンスです。
こちらの施設は水源転換協定による満濃東部地区への用水補給の取水設備。
天端から
件の施設からのパイプが堤体を下ります。
洪水吐や斜樋はフェンスに阻まれて見ることができません。
車で貯水池上流側に回り込みなんとか斜樋を撮影することができました。
この斜樋は上から4枚目の樋門へと続いているようです。
総貯水容量は95万8000立米
よそなら大規模ですが香川では中堅サイズ。
見学ポイントは限定されますが、とにかく洪水吐導流部の激しい溢流が印象的な亀越池でした。
2146 亀越池(1257)
ため池コード
香川県仲多度郡まんのう町炭所東
土器川水系大谷川
A
E
19メートル
106メートル
958千㎥/958千㎥
綾歌郡亀越池土地改良区
1663年築造
1993年大規模改修竣工