2023年3月19日 岩部ダム
岩部(がんべ)ダムは福島県相馬郡飯館村飯樋の新田川水系飯樋川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
飯館村から南相馬市原町区を横断する新田川は古くから流域の灌漑用水源となっていましたが、水量が不安定で渇水による干ばつ被害が多く灌漑設備の整備が強く求められていました。
これを受け農林省(現農水省)の補助を受けた福島県のかんがい排水事業により1962年(昭和37年)に竣工したのが岩部ダムです。
管理は南相馬土地改良区が受託し飯樋川および新田川流域の水田に灌漑用水を供給しています。
東日本大震災によるダムへの直接的被害はありませんでしたが、ダムのある岩部地区が一時居住制限地域だったこともありダムの劣化や機能低下が顕著となり2022年(令和4年)にかけて農山村地域復興基盤総合整備事業(水利施設整備事業)岩部地区による大規模復旧工事が実施されました。
なおダム便覧では竣工年度が1965年(昭和40年)となっていますが、ここでは竣工記念碑に刻された1962年(昭和32年)を竣工年度とします。
今回は3月にもかかわらず降雪があり雪景色の中での見学となりました。
ダム下から。
右手は放流設備、右岸(向かって左手)に洪水吐斜水路が見えます。
洪水吐をズームアップ。
駐車場のある右岸に向かいます。
竣工記念碑が建っていますが、摩耗が激しく解読が難しい。
天端は車道ですが、バリケードが張られ通行禁止。
洪水吐導流部
このあと2枚目写真の斜水路へと流下します。
横越流式洪水吐
満水で越流しています。
直近の復旧工事で漏水対策などが施されました。
洪水吐越しのダム湖
総貯水容量88万立米で4月半ばからの通水に備えて満水。
令和4年までの復旧工事中は水を抜いて低水運用が続いていたため、久しぶりの満水となります。
左岸の取水塔。
洪水吐越しの上流面。
次に左岸に回ります。
堤高は23.1メートル
浜通りの相双葉地区としては珍しく3月の降雪で雪化粧となりました。
上流面はコンクリートで護岸。
こちらも直近の復旧工事で刷新されました。
湖岸から取水塔を見下ろします。
四角形だと思ったら六角形でした。
0502 岩部ダム(1965)
福島県相馬郡飯館村飯樋
新田川水系飯樋川
A
E
23.1メートル
119メートル
880千㎥/880千㎥
南相馬土地改良区
1962年