2022年10月26日 大沢ダム
大沢ダムは岩手県宮古市腹帯の閉伊川水系大沢川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
東北電力腹帯発電所の調整池で、閉伊川で取水された水が約7キロの導水路でいったん当ダムに貯留され大沢川の水と併せて約1.7キロの導水路で腹帯発電所に送られ、最大1万1100キロワットの水路式発電を行います。
腹帯発電所は1937年(昭和12年)に東北振興電力(株)によって着工されたのち、建設途上で日本発送電(株)に接収され1939年(昭和14年)に稼働を開始しました。
一方大沢ダムは発電所稼働の4年後の1943年(昭和18年)に竣工し、これらの発電施設は1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東北電力が事業継承しました。
ちなみに東北振興電力(株)は昭和初期の冷害や三陸地震、さらには昭和恐慌で疲弊した東北地方の産業振興目的で設立された国策会社 で岩手の外山ダム、秋田の神代ダムや夏瀬ダムなどが同社によって事業着手されています。
またダム便覧には流域面積はすべて直接流域と書かれていますが、これは間違いで集水の大半は閉伊川からの導水に依ります。
国道106号線から大沢川沿いの隘路を南下すると大沢ダムに到着します。
ダム下へと通じる管理用の山道をはじめ、天端を含めダムの敷地はすべて立ち入り禁止のため見学ポイントはほとんどありません。
道路沿いのフェンスの隙間から。
全面越流式でダムの中央に放流用のバルブがあります。
水利使用標識。
この建屋の下に流入口と取水口があるようです。
手前に伸びるのは除塵機で捕捉した塵芥の運搬用コンベア
改修があるのか測量作業中でした。
とにかく見学ポイントが限られます。
またセットで閉伊川の取水堰や腹帯発電所も見るべきなんでしょうが、予約していた新幹線の時間の都合もありスルーしてしまいました。
0233 大沢ダム(1925)
岩手県宮古市腹帯
閉伊川水系大沢川
P
G
30.8メートル
67メートル
170千㎥/75千㎥
東北電力(株)
1943年