ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

滝の堰(白滝堰)

2017-01-30 19:12:17 | 千葉県
2017年1月28日 滝の堰(白滝堰)
 
滝の堰は千葉県鴨川市上小原にある灌漑用アースダムで、1937年(昭和12年)に建設され主基第三土地改良区が管理を行っています。
地元では所在地名から上小原堰とも呼ばれているようです。
 
滝の堰のすぐ上に競輪のサテライト鴨川場外車券売り場があり国道410号や県道34号線のサテライト鴨川の標識に従えば滝の堰に到着します。
貯水池の奥に見えるのがサテライト鴨川
右岸に水路がありこれが洪水吐に流れ込みます。
水利権の関係で池をバイパスしているようです。
 
洪水吐
上の写真の水路がここに繋がっています。
 
房総半島は泥質の凝灰岩で形成され、どのダム湖や溜池も水はかなり濁っているのですが、滝の堰は翡翠のような美しい水で湖底まではっきりと見えます。
 
総貯水容量3万1000立米と小さな溜池ですがとにかく水が美しい。
 
洪水吐導流部と下流面。
 
洪水吐。
 
 
上流面。
 
堤体中ほどの池栓。
 
千葉では珍しい水の美しいため池で、湖面の写真ばかりに気を取られ上流からの写真を撮るのを忘れてしまいました。
 
3411 滝の堰(白滝堰)(0822)
ため池コード 122230013
左岸 千葉県鴨川市主基西
右岸     同市上小原
加茂川水系山王沢川
18メートル(ため池データベース 13.4メートル)
104メートル
31千㎥/30千㎥
鴨川市主基土地改良区
1937年

戸面原ダム

2017-01-28 21:00:00 | 千葉県
2016年1月21日 戸面原ダム
2017年1月28日 
 
戸面原(とづらはら)ダムは千葉県富津市の湊川にある灌漑用アースダムで1978年(昭和53年)に千葉県のかんがい排水事業の中核として建設され天羽土地改良区が管理を行っています。
ダム湖周辺は富津市民の森として整備されダム湖はヘラブナ釣りのスポットとして知られていますが、天端や堤体は立入禁止でフェンス越しの撮影となります。
 
戸面原ダムは県道88号沿いにあります。
ダム湖に架かる長川橋から遠望
左岸に洪水吐があります。(2017年1月28日)
 
ズームアップ
左は管理事務所。(2017年1月28日)
 
長川橋上流にあるインクライン。(2016年1月28日)
 
ダム湖上流には富津市民の森キャンプ場があります。
右は長川橋、左は戸面橋。(2017年1月28日)
 
洪水吐と上流面。(2017年1月28日)
 
天端は立入禁止。(2017年1月28日)
 
竣工記念碑。(2017年1月28日)
 
昨年10月からスタートしたダム巡り。戸面原ダムがダム便覧掲載ダム(参考掲載含む)訪問200基目のマイルストーンとなりましたが、立ち入り制限が多くちょっと消化不良な記念ダムとなってしまいました。
 
(追記)
戸面原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0669 戸面原ダム(0200)
千葉県富津市豊岡
湊川水系湊川
31.5メートル
115メートル
4350千㎥/3860千㎥
天羽土地改良区
1978年
◎治水協定が締結されたダム

小桂池

2017-01-17 16:22:17 | 三重県
2017年1月3日 小桂池
 
小桂池は三重県度会郡大紀町にある灌漑用アースダムでダム便覧によれば1895年(明治28年)に野添地区によって建設されました。
現在も野添地区が管理を行っています。
 
県道38号線から小桂池に通じる道が近道ですが道幅があまりにも狭いので、今回は上流からアプローチしました。
天端と上流面
上流面は石積みです。
 
天端中央の池栓。
 
溜池
集落のすぐ裏手にありますが深山の趣十分。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
 
下流面
ダムの下は杉の植林。
 
堤体直下で洪水吐からの水路と取水設備からの水路が合流します。
 
1292 小桂池(0814)
三重県度会郡大紀町野添
宮川水系藤川
15メートル
48メートル
野添地区
1895年

中沖池

2017-01-17 15:20:30 | 三重県
2017年1月3日 中沖池
 
中沖池は三重県多気郡大台町にある灌漑用アースダムでダム便覧によれば1990年(平成2年)に上菅水利組合によって建設されました。
現在は上菅地区が管理を行っています。
 
国土地理院地形図では中沖池左岸へ太い道が通じているように書かれていますがこちらは私有地となるため通行できません。
県道424号から右岸に通じる道を進むと中沖池まで直接車で乗り付けることができます。
右岸に不動明王が祀られています。
溜池がつくられる前にはここに滝があったのかもしれません。
 
天端
車両乗り入れ禁止のための棒が立っています。
 
洪水吐。
 
下流側から洪水吐。
 
上流面
コンクリートで補強されいます。
 
下流の眺め
宮川を挟んで対岸には持越池があります。
 
溜池
もろ逆光になってしまいました。
 
天端中央にある斜樋。
 
堤体の下に下りることができます。
右岸洪水吐導流部。
 
下流面。
 
1282 中沖池(0813)
三重県多気郡大台町上菅
宮川水系中沖川
17メートル
113メートル
上菅地区
1990年

持越池

2017-01-17 14:01:49 | 三重県
2017年1月3日 持越池
 
持越池は三重県多気郡大台町にある灌漑用アースダムでダム便覧によれば1877年(明治10年)に下真手地区により建設されました。
現在も下真手地区が管理を行っています。
持越池周辺は真手公園として整備され、堤体直下や溜池をまたぐ橋の上に東屋がつくられています。
 
宮川沿いに走る県道31号の亀谷バス停の先を西に折れ真手公園の標識に従って集落を抜けると持越池に到着します。
堤体直下は公園として整備されています。
桜の木が多いので花見のころには周辺住民で賑わうんでしょうね?
 
堤体基部の取水口からの底樋吐口。
 
下流面
右岸に階段があり歩いて堤体を登れます。
 
上流面
維持積みで補強されています。
アヒルが2ファミリーほど泳いでおり近づいても逃げないので餌付けされてるようです。
 
洪水吐。
 
天端。
 
天端中央にある斜樋。
 
天端からの眺め
今は冬枯れですが花見や新緑の頃はまた違った景色が広がるんでしょう。
 
池は総貯水容量6万立米。
湖岸にも桜が植えられています。
 
池をまたぐ橋
車道になっており中央に小さな東屋があります。
道路はさらに上流にある溜池に続くようです。
 
1291 持越池(0812)
三重県多気郡大台町下真手
宮川水系宮川
16メートル
60メートル
下真手地区
1877年

虻野池

2017-01-17 12:42:55 | 三重県
2017年1月3日 虻野池
 
虻野池は三重県松阪市飯高町にある灌漑用アースダムでダム便覧によれば1941年(昭和16年)に下滝野地区により建設されました。
現在も管理は下滝野地区が行っています。
 
下滝野地区虻野集落で国道166号線を北に折れ集落の東端の茶畑を虻野谷川沿いに進むと虻野池に到着します。
最後の数百メートルはダートのため手前の路肩に駐車して少し徒歩での到着です。
基部は石積み
堤体はきれいに刈り払われ芝生のようです。
 
下流面
堤体を斜行して踏跡があります。
 
天端。
 
溜池
右手前に池栓があります。
 
下流の眺め。
 
取水設備からの吐口と用水路。
 
左岸の洪水吐
ここに木板をはめ込んで水位を調節するようです。
 
洪水吐導水路。
 
洪水吐などは原始的なスタイルですが堤体がきれいに刈り込まれいまだに重要な水源であることがわかります。
 
1301 虻野池(811)
三重県松阪市飯高町下滝野
櫛田川水系虻野谷川
15メートル
90メートル
下滝野地区
1941年

本郷溜池

2017-01-17 11:38:04 | 奈良県
2017年1月3日 本郷溜池
 
本郷溜池は奈良県宇陀市大宇陀にある灌漑用アースダムでダム便覧によれば1935年(昭和10年)に竣工しました。
1974年(昭和49年)に奈良県のため池整備事業により改修され現在は宇陀市が管理を行っています。
 
桜井から国道166号線を東進、宇陀市に入るとすぐに大規模農道を右折して南下すると右手に本郷溜池の堤体が見えてきます。
本郷温泉椿寿荘が目印です。
下流から。
 
右岸に洪水吐導流部が見えます。
 
天端は車両通行可。
温泉の日帰り入浴客の駐車場になるようです。
 
下流面。
 
洪水吐導流部と下流面。
 
右岸の洪水吐
かわいい円形です。
 
上流面はロックフィル
左岸には温泉宿が隣接しています。
 
取水塔だと思ったら東屋・・・
東屋の下に斜樋があります。
 
溜池。
 
地元の方の話では夏にはヤギを放して上下流面の除草をするそうです。
見てみたいな・・・・
 
1552 本郷溜池(0810)
奈良県宇陀市大宇陀本郷
淀川水系本郷川
23メートル
138メートル
宇陀市
1935年

倉橋防災ダム(再)

2017-01-17 10:42:46 | 奈良県
2017年1月3日 倉橋防災ダム(再)
 
倉橋防災ダム(再)は奈良県桜井市倉橋にある灌漑・農地防災目的のアースフィルダムです。
古くからこの地にあった倉橋溜池を奈良県の事業で整備して1956年(昭和31年)に倉橋溜池(元)として竣工しました。
1987年(昭和62年)から奈良県の防災溜池事業による再開発が着手され、堤高をかさ上げし洪水調節目的を付加して2000年(平成12年)に倉橋防災ダム(再)として竣工しました。
管理は倉橋溜池土地改良区が受託しています。
 
ダム周辺には多くの寺社や古墳が点在しており。ダムも倉橋ため池ふれあい公園として整備され周辺住民の憩いの場となっています。
ダム右岸には3基の記念碑が並び駐車場になっています。
 
天端は車両進入禁止。
 
ダム湖は総貯水容量190万立米と灌漑用の溜池としては大きなサイズ
ダム湖を囲むように公園として整備されています。
 
取水塔。
 
左岸の管理事務所。
 
下流面には『くらはし』と書かれていますが冬枯れのこの時期ははっきり見えません。
 
洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
下流から
減勢工。
 
下流面は犬走りを挟んで3段になっています。
 
1585 倉橋溜池(元)
奈良県桜井市倉橋
大和川水系栗原川
31メートル
245メートル
1714千㎥/1714千㎥
倉橋溜池土地改良区
1956年
-------------- 
3086 倉橋防災ダム(再)(0809)
溜池奈良県桜井市倉橋
大和川水系栗原川
FA
36.5メートル
250メートル
1900千㎥/1858千㎥
倉橋溜池土地改良区
2000年倉橋防災ダム竣工

旭川ダム(元)

2017-01-16 14:04:57 | 岡山県
2016年12月31日 旭川ダム(元)
 
旭川ダムは岡山県岡山市北区(左岸)と加賀郡吉備中央町(右岸)の境界の旭川中流域にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムで1954年(昭和29年)に建設されました。
吉井川、高梁川とともに岡山三大河川の一つに数えられる旭川は、古代吉備王朝の時代からこの地を支える貴重な河川ですが、洪水被害が絶えず旭川の治水がこの地を治める為政者の大きな課題となっていました。
1934年(昭和9年)の室戸台風は流域で死傷者約500名、浸水家屋約5万戸という未曽有の被害が発生し旭川の抜本的な洪水対策が求められました。
これを受け岡山県は1942年(昭和17年)に旭川ダムの建設に着手しますが戦況悪化により事業は中断となりました。
戦後岡山県は復興の柱として旭川総合開発計画を策定し1954年(昭和29年)に完成したのが旭川ダムです。
旭川ダムは旭川の洪水調節、既得取水権への補給と安定した河川流量の維持、岡山市などへの上水道の供給を目的とするほか、岡山県企業局が運営する旭川第1発電所で最大1万8700キロワットの発電を行っています。
その後1984年(昭和59年)に竣工した再開発により、洪水調節能力や利水放流量の増強をはかりました。
さらに2020年(令和2年)に旭川中上流ダム再生事業が採択され、新たな放流設備の増設及び不特定利水容量を上流の湯原ダムに振り替えることで、洪水調節容量を従来の2300万立米から2900万立米に増大させるダム再開発事業が着手されました。
  
左岸上流から
旭川ダム周辺は桜や釣りの名所になっていますが、年末12月31日ということで観光客の姿は全くありません。
釣用のボートがさみしげに係留されています。
 
旭川第1発電所の取水口。
 
下流の眺め
対岸にバウチャープラント跡、その下に再開発で建設された放流ゲートがあります。
 
複雑な形状の副ダム
右手が改修で追加された放流ゲート。
 
ダム直下左岸に旭川第1発電所があります。
 
再開発で建設された取水塔。
 
天端
明暗差が大きく撮影が難しいシーン。
 
下流面。
 
ずらっと並ぶ10門のラジアルゲート
まるで電力会社の発電ダムのようです。
 
左岸(向かって右手)は発電所放水口。
 
1954年(昭和29年)竣工のダムということで、造形やデザインの各所で戦前、戦中のダムの要素が見られる旭川ダムです。
 

(追記)
旭川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1867 旭川ダム(元)(0808)
左岸 岡山県岡山市北区建部町和田南
右岸    加賀郡吉備中央町神瀬
旭川水系旭川
FNWP
 
45メートル
212メートル
57383千㎥/51772千㎥
岡山県建設部
1954年
◎治水協定が締結されたダム
-------------
3716 旭川ダム(再)
左岸 岡山県岡山市北区建部町和田南
右岸    加賀郡吉備中央町神瀬
北緯34度54分49秒,東経133度51分23秒
旭川水系旭川
FNWP
 
45メートル
212メートル
57382千㎥/51772千㎥
国交省中国地方整備局
2020年~

恩木ダム

2017-01-16 13:28:12 | 岡山県
2016年12月31日 恩木ダム
 
恩木ダムは岡山県加賀郡吉備中央町にある防災専用の重力式コンクリートダムで、岡山県により1987年(昭和62年)に建設され吉備中央町が管理を行っています。
農水省の補助を受けて岡山県農林部の事業で建設されており、いわゆる農地防災ダムとなります。
 
吉備中央町を縦断する県道66号を北上し、溝部で左に分岐する町道に入ると恩木ダムが見えてきます。
クレストは自由越流式洪水吐が2門、オリフィスゲートから放流しています。
 
右岸から
天端は車両通行可能。
 
防災専用ダムですがダム湖には水が溜まっています。
 
減勢工。
 
左岸から下流面。
 
天端と管理事務所。
 
 
上流から。
 
追記
恩木ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により併せて合計37万5000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。 
 
1913 恩木ダム(0807)
岡山県加賀郡吉備中央町溝部
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
旭川水系豊岡川
30.8メートル
106.5メートル
千㎥/千㎥
吉備中央町
1987年
◎治水協定が締結されたダム

竹谷ダム

2017-01-16 11:07:09 | 岡山県
2016年12月31日 竹谷ダム
 
竹谷ダムは岡山県加茂郡吉備中央町の旭川水系宇甘川支川竹谷川にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムで、宇甘川総合開発事業の一環として2003年(平成15年)に建設されました。
宇甘川は1945年(昭和20年)と1972年(昭和47年)に大きな洪水被害をもたらし1981年(昭和56年)に支流の加茂川に鳴滝ダムが完成しましたがさらなる洪水対策を求める声が続きました。
一方1973年(昭和48年)より当時の加茂川町と賀陽町境界地域(現吉備中央町)で吉備高原都市構想がスタートし上水道の需要増加が見込まれました。
さらにダム建設中の1994年(平成6年)には異常渇水が発生し宇甘川流域では24時間断水が110日間も続く異常事態が発生しダム完成を求める声が一段と高まりました。
竹谷ダムは、竹谷川及び宇甘川の洪水調節、既得取水権への補強及び河川流量の維持、吉備中央町への上水道の供給を目的としています。
 
県道31号線を西進すると右手に竹谷ダムが見えてきます
クレストは自由越流式が1門、オリフィスから放流中。
 
直下の浄水場は一見普通の住宅のようです。
 
白い建物は利水放流設備。
 
左岸から
下流から見るよりも堤頂長がはるかに長く見えます。
 
天端は車両通行可能
右手は管理事務所。
 
上流面
取水設備が見えます。
 
ダム湖
竹谷の名の通り周辺には竹林が広がります
総貯水容量は49万8000立米でいわゆる生活貯水池です。
 
減勢工と副ダム
手前は利水放流設備、奥は上水道浄水場。
 
右岸から下流面。
 
右岸にある展望台から
上の写真とあんまり変わりません・・・
 
追記
竹谷ダムには27万1000立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が@とになりました。

3173 竹谷ダム(0806)
岡山県加賀郡吉備中央町豊野
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
旭川水系竹谷川
FNW
38メートル
199メートル
千㎥/千㎥
岡山県土木部
2003年
◎治水協定が締結されたダム

鳴滝ダム

2017-01-16 09:47:12 | 岡山県
2016年12月31日 鳴滝ダム
 
鳴滝ダムは岡山県加茂郡吉備中央町の旭川水系宇甘川支川加茂川にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
、宇甘川総合開発事業の一環として1981年(昭和56年)に建設されました。
宇甘川は1945年(昭和20年)と1972年(昭和47年)に大きな洪水被害をもたらし抜本的な洪水対策が求められました。
一方1973年(昭和48年)より当時の加茂川町と賀陽町境界(現吉備中央町)で吉備高原都市構想がスタートし上水道の需要増加が見込まれました。
そこで岡山県は宇甘川総合開発事業を策定し宇甘川支流の加茂川への多目的ダム建設事業に着手、1981年(昭和56年)に竣工したのが鳴滝ダムです。
鳴滝ダムは加茂川及び宇甘川の洪水調節、既得取水権への補強及び河川流量の維持、上水道の供給を目的としています。
鳴滝ダム周辺は吉備高原都市に隣接した『21世紀の森』として整備され吉備青少年自然の家などの施設や遊歩道が整備され、周辺地域代表するレクリエーションゾーンとなっています。
ダム便覧では鳴滝ダムは日本で初めて堤趾導流壁が採用されたダムとされていますが、福島県の東山ダムもまた日本初の堤趾導流壁が採用されたダムとなっています。
両者の着工、竣工年度を比較すると着工ベースでは東山ダムが1年早く、竣工ベースでは鳴滝ダムが1年早くなっていますので、鳴滝ダムは竣工ベースでは日本で初めて堤趾導流壁が採用されたダムとするのが妥当かと思います。
 
鳴滝ダムへは『21世紀の森』に入り鳴滝ダムの標識に従うと到達できます。
ただし、ダム手前で車両進入禁止となるためダムまでの数百メートルは徒歩となります。
車止め手前の駐車場に車を止めて歩くと右手に鳴滝ダムが見えてきます。
クレストは自由越流式で取水設備があります。
 
左岸から
取水設備の向こうになにやら面白そうなものが見えます・・・・。
 
天端は徒歩のみ通行可
車道は対岸で行き止まりですが遊歩道が続いています。
 
オリフィスはダム穴風の半円形越流式洪水吐。
 
 
減勢工
オリフィスから放流されていますが残念ながら下流から拝むことはできません。
 
ダム湖(鳴滝湖)
周辺は21世紀の森として整備されレクリエーション施設があるほか遊歩道が整備されています。
 
堤高は34メートルとさほど高くはありませんが、猛禽の翼を連想される特徴的な導流壁。
竣工ベースでは日本で最初に堤趾導流壁を採用したダムとなっています。(着工ベースでは福島県の東山ダム)。
 
上流面
やはりダム穴に目が行きます。
 
 
吉備高原都市は岡山県の財政悪化やバブル崩壊で自治体が展開した開発事業お決まりの展開・・・
住宅地や工業団地もすかすか状態で高原に住宅や工場がぽつぽつと点在しているのが現状です。
温暖な気候、豊かな自然と環境は悪くはないのですが、すでに人口減少時代となった日本において地方でのこの手の事業には残念ながら未来はなさそうです。
 
(追記)
鳴滝ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
 
1899 鳴滝ダム(0805)
岡山県加賀郡吉備中央町竹部
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
旭川水系加茂川
FNW
34メートル
127メートル
1680千㎥/1460千㎥
岡山県土木部
1981年
◎治水協定が締結されたダム

美和池

2017-01-16 09:02:57 | 岡山県
2016年12月31日 美和池
 
美和池は岡山県加賀郡吉備中央町北にある灌漑用アースダムで、1963(昭和38年)に県の事業で建設され農水省のリストでは土地改良区が管理を行っています。
 
国道484号の道の駅『かよう』と賀陽インターの間の池の砂集落から町道を北に入り集落を抜けると美和池が現れます。
堤体直下から
基部は谷積み。
 
取水設備からの底樋吐口
美和池の銘があります。
 
右岸洪水吐導流部。
 
下流面
 
民家の脇をスイッチバック気味に上がって行くと右岸に出ます
洪水吐で堤体が切れているので天端に向かうことができません。
周辺は一面の松林、時期が時期だとマツタケドロボーに間違われそう。
 
右岸の階段式斜樋。
 
3529 美和池 (0804)
ため池コード
岡山県加賀郡吉備中央町北
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系大谷川
18.1メートル
66.8メートル
千㎥/千㎥
土地改良区
1963年

楢井ダム

2017-01-14 14:30:16 | 岡山県
2016年12月31日 楢井ダム
 
楢井ダムは岡山県高梁市松山の一級河川高梁川水系右の谷川にある岡山県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
右の谷川は高梁川の3次支流ですが、下流の佐与谷川流域では洪水や渇水が多く治水対策が求められていました。
一方岡山自動車建設に合わせてダム建設地点に隣接して工業団地が造成されるなど上工用水源確保が課題となります。
こうした状況を受け、岡山県は建設省(現国交省)の小規模ダム補助事業である生活貯水池事業を活用した多目的ダム建設を採択、1996年(平成8年)に竣工したのが楢井ダムです。
楢井ダムは建設省の補助を受けた補助多目的ダムで、右の谷川および佐与谷川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、高梁市松山地区への上工水の供給を目的としています。
 
ダム周辺はよく整備されておりダム湖上流に親水公園があるほかダム湖を周回する道路各所に駐車場があります。
ただ、ダムを下流から正対できるポイントはありません。
左岸から下流面
左右両岸にはフーチングが設けられ、中段から堤趾導流壁が設置されています。


天端は車両通行可能。


上流面。


天端から減勢工を見下ろすと
がっちりした導流壁が印象的、右手は放流設備
放流設備の右手はポンプ室か?


生活貯水池ダムということで総貯水容量47万立米の小さなダム湖。


建設着手がまだバブルの余韻が残る時期だったせいもあり、ダム周辺には手の込んだ装飾や意匠が目立ちます。
天端高欄には高梁市の武家屋敷のなまこ壁をモチーフにした装飾。


天端入り口には燈篭を模した照明。


照明もガス灯風。


竣工記念碑。


上流から
クレスト自由越流頂2門、自然調節式オリフィス1門を備えたゲートレスダム
水中に没していますが、ゲート右手に多孔式取水設備があります。


管理事務所もバブリーな雰囲気の凝ったデザイン。
職員の常駐はありません。


(追記)
楢井ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3088 楢井ダム(0803)
岡山県高梁市松山
高梁川水系右の谷川
FNWI
 
38.2メートル
92メートル
470千㎥/400千㎥
岡山県土木部
1996年
◎治水協定が締結されたダム

槙谷ダム

2017-01-14 02:09:16 | 岡山県
2016年12月31日 槙谷ダム
 
槙谷ダムは左岸が岡山県加賀郡吉備中央町、右岸が岡山県総社市境界の高梁川水系落合川上流部にある防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
1976年(昭和51年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営槇谷用水改良事業及び槇谷川防災ダム事業がスタート、同年事業着手され1988年(昭和63年)に竣工したのが槇谷ダムです。
槇谷ダムは落合川の洪水調節・落合川流域農地へのヵんがい用水の補給を目的としており、ダム完成後は総社市が受託管理を行っています。
 
槙谷ダムは県道307号線沿いにありアプローチは簡単です。
まずはダムの下流から
2門のオリフィスゲートから放流しています。
槙谷ダムは堤体にタッチできるます。
 
左岸上流から
クレストは自由越流式洪水吐が2門、その下にオリフィスゲートが2門
ゲートの右手に取水設備があります。
 
左岸の管理事務所とインクライン。
 
上流面。
 
天端は歩行者のみ通行可
ゲート部分だけわずかに高くなっています。
 
ダム湖
総貯水容量219万立米。
 
下流の眺め
減勢工には副ダムがあり、右岸は桜が植えられ公園になっています。
 
ダムは総社市と旧賀陽町(現吉備中央町)の境界になっています。
 
堤体右岸には『まきだにダム』の文字。
 
右岸から
取水設備。
 

(追記)
槇谷ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1906 槙谷ダム(0802)
岡山県加賀郡吉備中央町岨谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系落合川
FA
45メートル
140メートル
千㎥/千㎥
総社市
1988年
◎治水協定が締結されたダム