2016年1月21日 矢那川ダム
2021年2月19日
矢那川ダムは千葉県木更津市矢那の矢那川水系田高川にある千葉県県土整備部が管理する治水目的の傾斜コア遮水壁型アースフィルダムです。
1987年(昭和62年)の東京湾横断道路(東京湾アクアライン)の着工に合わせて、千葉県は木更津から君津にわたる丘陵地帯にバイオテクノロジーを中心とした研究拠点「かずさアカデミアパーク」建設を決め、1991年(平成2年)から278ヘクタールの山林造成が開始されました。
造成による雨水流出量増加に対処するための防災調整池として1998年(平成10年)に竣工したのが矢那川ダムです。
矢那川ダムは矢那川の洪水調節及び安定した河川流量の維持を目的とする補助治水ダムです。
洪水調節については矢那川上流に分水堰を設けてダムまでの導水路トンネルを整備し、洪水時に矢那川の水量をカットしてダムに貯留することで下流の洪水を防ぐという仕組みが採られています。
一方かずさアカデミアパークはバブル崩壊のあおりをまともに受け、計画通りの企業誘致は進まず運営する第3セクターは破たん、足元の景気回復をうけ進出企業は増加傾向にあるものの、依然として計画比50%程度の進出率にとどまっています。
矢那川ダム一帯は『矢那川ダム公園』として整備され、近隣住民の憩いの場となっています。
今回はダム下流の第2駐車場に車を止め徒歩で見学しました。
ダム下で洪水吐導流部(向かって左手)と矢那川(向かって右手)が合流します。
洪水吐減勢工わきにダム湖上流に設けられた低水放流管および常用洪水吐の吐口があります。
河川維持放流はここから放流されます。
こちらは矢那川本流
普段はクリークのような小河川です。
堤体下流面は盛り土され芝生の公園となっています。
非常用洪水吐となる右岸の横越流式洪水吐とダム管理施設。
試験湛水以来ここから越流したことはないそうです。
天端。
4車線分くらいの幅がありますが、公園の一部として車両は走行できません。
正面(ダムの南側)の丘陵上にアカデミアパークが広がります。
天端から
気持ちのいい芝生の公園です。
総貯水容量は172万立米ですが、その大半が洪水調節容量のため普段のダム湖はカラカラ。
上流面ですが、こうやってみるとこっちが下流面に見えてしまいます。
ダム湖上流部は河川維持用として不特定利水容量が確保され小さなため池のようになっています。
対岸にあるのが低水放流管および常用洪水吐、
手前にあるのが分水堰からの導水トンネル放流口。
導水路トンネル放流口。
洪水時はカットされた矢那川の水がここに放流されます。
低水放流管および常用洪水吐
ここで取水された水が2枚目写真の吐口から放流されます。
今回は予習不足で矢那川上流の分水堰は見ないままで終わりました。
機会があれば再訪してチェックしたいと思います。
3035 矢那川ダム(0201)
千葉県木更津市矢那
矢那川水系田高川
FN
E
29.3メートル
284メートル
1720千㎥/1600千㎥
千葉県県土整備部
1998年
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