軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

庭にきた蝶(7) キアゲハ

2017-05-05 00:00:00 | 
 今回はキアゲハ。成虫の前翅長は40-60mmの大型の美しい蝶で、全国で普通に見られる。アゲハチョウの仲間でナミアゲハとよく似ている種であり、ユーラシア大陸と北米大陸に広く分布している。

 多くのアゲハチョウの仲間がミカン科の植物の葉を食べるのに対して、このキアゲハの幼虫は、セリ、ハマウド、シシウドなどのセリ科の植物の葉や花序、若い果実を食べて育つ。また、野菜のニンジン、ミツバ、パセリ、アシタバなども食草となる。

 類似種のナミアゲハとの区別は、キアゲハは前翅のつけ根が黒ずんだ色彩で塗りつぶされたようになっていて、ナミアゲハのような縞模様にはならない点と、翅の中ほどは黒い線が細く、和名どおり黄色みが強いことで容易である。

 成虫は4月から10月ごろまで、年2回から4回の発生。蛹で越冬する。驚くべきは、冬型の蛹は-196℃の低温にも耐えられるというもの(*1)、この温度は液体窒素温度である。
*1 ウィキペディア フリー百科事典 2014年5月31日 20:54UTC

 3年ほど前に北海道の函館に行ったとき、函館ハリストス正教会に向かう坂道の途中、道端にミツバが生えていたが、そこに多数のキアゲハの幼虫がいたのを思いだす。このとき辺りには成虫も飛び回っていた。


函館ハリストス正教会に向かう坂道で見たキアゲハの4齢幼虫(2014.8.18 撮影)


函館ハリストス正教会に向かう坂道で見たキアゲハの終(5)齢幼虫(2014.8.18 撮影)

 我が家の庭の花には、8月から9月にかけてやってきている。


ハナトラノオの花で吸蜜するキアゲハ1/7(2016.9.9 撮影)


ブッドレアの花で吸蜜するキアゲハ2/7(2016.8.2 撮影)


モミの木の上で休息するキアゲハ3/7(2016.7.31 撮影)


ハナトラノオの花で吸蜜するキアゲハ4/7(2016.9.9 撮影)


ハナトラノオの花で吸蜜するキアゲハ5/7(2016.9.9 撮影)


日本ハッカの花で吸蜜するキアゲハ6/7(2016.9.9 撮影)


アザミのつぼみに止まるキアゲハ7/7(2016.8.8 撮影)

 このキアゲハは以前このブログで紹介したように、ときどき出かける畑の隅に生えているアシタバに産卵にやってくる。


アシタバの花穂に産卵するキアゲハの♀(2015.9.26 撮影)

 このアシタバに産み付けられた卵を持ち帰りアシタバの鉢植えで育て、蛹化と羽化の様子をタイムラプス法などを交えながら動画撮影したので、これを紹介させていただく。

 幼虫は4回の脱皮を繰り返し終齢幼虫になってしばらくすると、アシタバを離れて這いまわるようになる。落ち着いたところで用意した枝にとまらせると、ここで前蛹になりやがて蛹化が始まる。


キアゲハの前蛹1/3(2016.8.16. 00:00 撮影の動画からのキャプチャー画像)


キアゲハの前蛹2/3(2016.8.16. 02:00 撮影の動画からのキャプチャー画像)


キアゲハの前蛹3/3(2016.8.16. 03:00 撮影の動画からのキャプチャー画像)


キアゲハの蛹化(2016.8.16. 03:19-04:19 30倍のタイムラプス撮影)

 このあと蛹は次第に変色するが、10日ほどして羽化が近くなると色が濃くなり内部が透けて見えるようになる。


羽化直前のキアゲハの蛹(2016.8.26. 23:43 撮影)

 羽化は突然始まる。注意して見ていないと、気が付いたら蝶になっていたということがある。


キアゲハの羽化(2016.8.27. 04:30-05:13 30倍のタイムラプス撮影)

 翅が完全に乾くまで約3時間余り、抜け殻の周りにぶら下がり、翅を開閉させて、そしてしばらく飛翔の練習をして飛び立っていく。


羽化後翅が十分に乾いた状態のキアゲハ(2016.8.27. 08:00 撮影の動画からのキャプチャー画像)


そして飛び立った(2016.8.27. 08:14 撮影の動画からのキャプチャー画像)

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