すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー戦術論】プレー原則をハッキリさせろ

2018-08-08 08:01:46 | サッカー戦術論
カギはトランジションにある

 サッカーでは、ボールの専有権がAチームからBチームへ移った瞬間の状況判断がすべてを決める。カギはトランジション(攻守の切り替え)にある。そのとき例えば以下のような原則をチームがもっていればわかりやすい。

1. ボールを奪ったとき、相手の守備陣形が崩れているなら速く攻める。

2. ボールを奪ったとき、相手がしっかりブロックを作っていれば、まずポゼッションを確立させる。

 1の場合は初めから相手にほころびがあるから、敵が立て直す前にそこを速く攻める。一方、2の場合は、じっくりポゼッションしながら相手にゆさぶりをかけることでほころびを作る。

 例えば選手が中央に集まりショートパスを交換することで敵の守備者をピッチの真ん中に引きつけ、サイドにスペースを作る。で、そこを使う。あるいは同じ要領で敵を片サイドに寄せておいて、サイドチェンジを入れて一気に崩す。

 つまり最初から穴があったら、敵がそこをふさぐ前に攻める。穴がなければ、ボールと人を動かしてゆさぶることで穴を作る。合理的に考えればそういうことだ。実にカンタンである。

 相手の陣形が崩れてもいないのに強引に速く攻めるのはカウンター原理教だし、相手の守備隊形がせっかく崩れているのにムダに時間をかけてポゼッションするのは単なるポゼッション原理教だ。要は状況を読み、状況に合わせたサッカーをすることが大事なのだ。

そのときプランBを出されたら?

 と、ここまではわかりやすい。だがサッカーには相手がいる。だからややこしい。実は上記の論理は、ボールを奪ったチームの側の視点でしか見ていないからだ。

 例えば逆にボールを失ったチームの側に立って考えてみよう。自分たちは敵陣に攻め込み、高い位置でボールを失った。まさにネガティブトランジション(攻→守の切り替え)の時だ。

 ならばこのまま高いゾーンで怒涛のように激しくプレスをかけ、一気にボールを奪い返してしまえば相変わらず敵のゴールに近い位置で攻め続けられるーー。ゲーゲンプレッシングによる即時奪回を狙うのだ。つまりプランAで攻め、ボールを失えば即時プランBに切り替えるわけである。

 こうなるとボールを保持する側はむずかしくなる。なにしろボールロストした側が瞬時に攻勢をかけてくるのだ。冒頭にあげたプレー原則1、原則2を外される。今度はプランCが必要だ。

 ならばゲーゲンプレッシングをかわすためにいったんロングボールを入れるのか? それとも敵の第一プレッシャーラインをうまく逃れて攻め続けるのか? そのときプレスをどう外すのか?

 とまあ、タヌキとキツネの化かし合いが続く。そうカンタンに一方だけが有利にならない。これだからサッカーはおもしろいのである。

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