サッリ監督のチーム作りが着々と進む
ギクシャクした前節とはまるで別人のようだった。ビッグ・ロンドンダービーを迎え、立ち上がりからチェルシーはパスがよく噛み合いスムーズに冴え渡る。マンCばりにパスワークが速い。特に前半は1タッチ、2タッチのボール運びでアーセナルを圧倒、完全に試合を支配した。
だがバイタルが空くのをアーセナルが見逃さず、前半終了間際に立て続けに2本のクリーンシュートを放ち同点に。これでアーセナルはすっかりパスワークが復活し、試合は均衡したが、意地のシーソーゲームを最後に制したのは、やはりチェルシーの一発だったーー。
チェルシーのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンは前節とまったく同じ不動のメンバーだ。GKがケパ。最終ラインは右からアスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、アロンソ。中盤はアンカーにナポリから新加入のジョルジーニョ。右インサイドMFはフランス代表のカンテ。左インサイドMFにバークリー。3トップは右からペドロ、モラタ、ウィリアンだ。
試合が動いたのは立ち上がりの前半9分。チェルシーが先制した。左SBのアロンソが同サイドのウィリアンにボールをあずけ、左のタッチライン際を直進。その間にボールはウィリアンからセンターのジョルジーニョへとリズミカルに移動し、サイドのアロンソにまた戻ってくる。最後はそのアロンソがボールをゴール前に入れ、あとはペドロがダイレクトでシュートを決めるだけだった。
一方のアーセナルはボールを持ってもそのたびに立ち止まり、パスの出し所をいちいち探すありさま。各駅停車だ。かたやチェルシーにはそんなシーンはまるでなく、滑らかに特急クラスのボールが繋がって行く。すべてのパスが有機的だ。リズムが悪かった開幕戦から、たった1週間でここまで仕上げてくるとはサッリ監督はやはり名将だ。
特にチェルシーは左SBのアロンソと左WGウィリアンのコンビネーションが抜群で、左サイドを完全に蹂躙している。
続く前半20分。右SBのアスピリクエタからCFのモラタにライン裏を狙う長い縦パスが入り、モラタがマーカーと競り合いながら最後は独走し完璧なゴール。チェルシーが2-0と突き放し、これで早くも勝負あったかと思われた。
アーセナルが意地の反撃、試合は混沌
ところが前半37分、アーセナルはムヒタリアンがチェルシーのバイタルエリアがぽっかり空くのを見逃さず、ゴール正面からフリーでシュート。続く前半41分にはムヒタリアンの右からのクロスに合わせ、同じくゴール正面でアレックス・イウォビがクリーンなゴール。アーセナルがたちまち2-2と同点に追いついた。
チェルシーはゴール前にスペースが空くところを狙われている。アーセナルはこの2点の追撃でメンタルがすっかり上がり、きれいにパスが繋がるようになる。攻守の切り替えの遅さも見違えるように改善された。
後半に入り、チェルシーのボールになると、それまでと違いアーセナルはリトリートして自陣にがっちりブロックを組むようになった。アウェイで同点だし、固く行く狙いなのか?
だがそんなアーセナルのシナリオに敢然とダメ出ししたのが、途中出場したベルギー代表のエース、チェルシーの10番エデン・アザールだった。
後半36分、左サイドをそのアザールがドリブルし、タメを作って精度の高いマイナスのセンタリングを入れる。受けたアロンソはダイレクトで見事に仕上げた。これで3-2。チェルシーのリードだ。
追い詰められたアーセナルはそれまでのブロック守備から積極的なハイライン・ハイプレスに切り替えたが、時すでに遅し。試合はそのままチェルシーが押し切った。
たった1週間でチーム作りを追い込むサッリ監督の手腕はさすが。途中追いつかれたものの、最後は突き放すチェルシーの勝負強さが光った一戦だった。
かたやアーセナルは猛然と追い上げたあたりに強豪の片鱗が見えた。結果はなかなか出ないが、若いフランス人セントラルMF、マッテオ・グエンドウジが頭角をあらわすなど徐々にチームは上向きになっている。新任のエメリ監督は焦らず1歩1歩進んでほしい。幸運を祈りたい。
ギクシャクした前節とはまるで別人のようだった。ビッグ・ロンドンダービーを迎え、立ち上がりからチェルシーはパスがよく噛み合いスムーズに冴え渡る。マンCばりにパスワークが速い。特に前半は1タッチ、2タッチのボール運びでアーセナルを圧倒、完全に試合を支配した。
だがバイタルが空くのをアーセナルが見逃さず、前半終了間際に立て続けに2本のクリーンシュートを放ち同点に。これでアーセナルはすっかりパスワークが復活し、試合は均衡したが、意地のシーソーゲームを最後に制したのは、やはりチェルシーの一発だったーー。
チェルシーのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンは前節とまったく同じ不動のメンバーだ。GKがケパ。最終ラインは右からアスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、アロンソ。中盤はアンカーにナポリから新加入のジョルジーニョ。右インサイドMFはフランス代表のカンテ。左インサイドMFにバークリー。3トップは右からペドロ、モラタ、ウィリアンだ。
試合が動いたのは立ち上がりの前半9分。チェルシーが先制した。左SBのアロンソが同サイドのウィリアンにボールをあずけ、左のタッチライン際を直進。その間にボールはウィリアンからセンターのジョルジーニョへとリズミカルに移動し、サイドのアロンソにまた戻ってくる。最後はそのアロンソがボールをゴール前に入れ、あとはペドロがダイレクトでシュートを決めるだけだった。
一方のアーセナルはボールを持ってもそのたびに立ち止まり、パスの出し所をいちいち探すありさま。各駅停車だ。かたやチェルシーにはそんなシーンはまるでなく、滑らかに特急クラスのボールが繋がって行く。すべてのパスが有機的だ。リズムが悪かった開幕戦から、たった1週間でここまで仕上げてくるとはサッリ監督はやはり名将だ。
特にチェルシーは左SBのアロンソと左WGウィリアンのコンビネーションが抜群で、左サイドを完全に蹂躙している。
続く前半20分。右SBのアスピリクエタからCFのモラタにライン裏を狙う長い縦パスが入り、モラタがマーカーと競り合いながら最後は独走し完璧なゴール。チェルシーが2-0と突き放し、これで早くも勝負あったかと思われた。
アーセナルが意地の反撃、試合は混沌
ところが前半37分、アーセナルはムヒタリアンがチェルシーのバイタルエリアがぽっかり空くのを見逃さず、ゴール正面からフリーでシュート。続く前半41分にはムヒタリアンの右からのクロスに合わせ、同じくゴール正面でアレックス・イウォビがクリーンなゴール。アーセナルがたちまち2-2と同点に追いついた。
チェルシーはゴール前にスペースが空くところを狙われている。アーセナルはこの2点の追撃でメンタルがすっかり上がり、きれいにパスが繋がるようになる。攻守の切り替えの遅さも見違えるように改善された。
後半に入り、チェルシーのボールになると、それまでと違いアーセナルはリトリートして自陣にがっちりブロックを組むようになった。アウェイで同点だし、固く行く狙いなのか?
だがそんなアーセナルのシナリオに敢然とダメ出ししたのが、途中出場したベルギー代表のエース、チェルシーの10番エデン・アザールだった。
後半36分、左サイドをそのアザールがドリブルし、タメを作って精度の高いマイナスのセンタリングを入れる。受けたアロンソはダイレクトで見事に仕上げた。これで3-2。チェルシーのリードだ。
追い詰められたアーセナルはそれまでのブロック守備から積極的なハイライン・ハイプレスに切り替えたが、時すでに遅し。試合はそのままチェルシーが押し切った。
たった1週間でチーム作りを追い込むサッリ監督の手腕はさすが。途中追いつかれたものの、最後は突き放すチェルシーの勝負強さが光った一戦だった。
かたやアーセナルは猛然と追い上げたあたりに強豪の片鱗が見えた。結果はなかなか出ないが、若いフランス人セントラルMF、マッテオ・グエンドウジが頭角をあらわすなど徐々にチームは上向きになっている。新任のエメリ監督は焦らず1歩1歩進んでほしい。幸運を祈りたい。